2008/2/18

ルノワール+ルノワール 2人の天才が愛した女性  文化・芸術・映画

先週月曜午後放映録画を見た番組。今渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ルノワール+ルノワール展」関連、画家と映画監督の父子が共に愛し、二人に大きな影響を与えた、という謎の女性を追う、という構成。レポーターは小池栄子と西村雅彦。

ルノワール(ルノアール、の方が呼び馴染みが。「喫茶ルノアール」はゆったりしたスペースで居心地よく好きな方)は、モネと並んで好きな画家。モデルになった6人の女性が登場。手元のカード31枚中見られる顔も。カードがある「都会のダンス」のモデル、4人目に挙げられた美貌のシュザンヌ・ヴァラドンは、ユトリロの未婚の母、というのは聞き覚えあったけれど、その父はルノワール説、というのは初耳だった。

冒頭、発明されたばかりのシネマトグラフ、という映写機での、キャンバスに向かったり、煙草で一服する晩年のルノワールの、動く姿、も珍しかった。晩年を過ごした、という南仏カーニュの、今はルノワール美術館らしいコレット荘(中程)、を小池栄子が訪れ、ルノワールのひ孫の人に取材していたけれど、ゆったりした室内、アトリエや、庭のオリーブの木へのルノワールの愛着等、憧れの、モネの晩年のシベルニーの家・庭に当たるような場、が垣間見られ、少し感慨。

少女や女性の長い髪を描くのが好きだったので、3人の息子に、髪を長くさせ、少女のような姿の肖像画もあったりして、芸術家一家ぶり、の一端も。

ルノワールの最後のモデル、6人目のアンドレ・ヘスリング(通称デデ)が、最後の製作活力を与え、ジャンの妻になり、チャップリンの作品で映画に興味を持ってはいたけれど、女優志望の美しい妻をスターにしたい、というのが映画を撮り始めたきっかけだった、との事で、彼女が2人の運命の女性。

その活力が、2人の芸術家の意欲を煽ったのは確かなようだけれど、自分の女優の力量に勘違い的な所もあり、日常もかなりエキセントリックなタイプ、結局ジャンともトーキーへの変遷時に別れ、彼はその決別によって、真の芸術家への道を歩んだ、と。

ジャンの作品は未見、今回「カトリーヌ」「女優ナナ」「牝犬」「ピクニック」「恋多き女」「フレンチ・カンカン」、ジャン、デデ、息子アラン出演の「可愛いリリ」等作品の一部が見られたのも、珍しく貴重というか。「カトリーヌ」でのデデを乗せた列車が暴走する映像が面白いと思ったり、「ピクニック」等で、そう言われれば、ルノワールの絵を思わすようなシーンも。

作品名を聞いた覚えは「女優ナナ」位、昔の映画監督、とは聞いていたけれど、サイレント→トーキー時代への過渡期の人で、スタジオを出てのロケーション撮影や、映像と音声の同時録音の先駆者で「ヌーヴェルヴァーグの父」、若い映画人、ゴダール、ヴィスコンティ、トリュフォーらの父的存在だった、というのは、今回初めて知り、父が屋外での製作の印象派、という新しい絵画分野開拓者の一人、だったように、息子も映画の世界で、同様な屋外への進出含む、新しい手法を広げた人物だった、というのは今更ながら、少し感慨も。

父が生涯かけてキャンバスに表現し続けた暖かな光、溢れる色彩、ほとばしる生命力の世界を、息子は銀幕の世界で表現した、という旨のナレーション、「私は父が自分に与えた影響を明らかにするために一生を送った」というテロップ。

昨年「春のめざめ」という、動く印象派の絵画、のような作品に興味引かれて見に行った。「ルノワールの世界」を動かしたような、という作品なら、見てみたい気はするけれど、DVD化しているジャンの作品は目にした限りモノクロの「カトリーヌ」「女優ナナ」のみのようだけれど。

サイレント時代、映画制作費用に困り、父の絵を一枚一枚売っていった、というエピソードもあり、それが父への裏切りに思えた、という回想もあったけれど、ルノワールという大画家の遺産、があったからこそ、紆余曲折後に新たな映画の開拓も、と思えば何か芸術ジャンルの運命的、な感も。

明後日の、ぴあの招待券が来ていた「ルノワール+ルノワール展」読者貸切鑑賞会は、何とか都合がついて行けそうで、その予習、としても役立ちそうな番組だった。昨夜NHK教育で「市川崑さんをしのんで」という以前のドキュメンタリー番組の放映があったと気付き、問い合わせても今は再放送予定はないとの事で、残念。 (http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/http://www.ntv.co.jp/renoir/ルノワール+ルノワール展

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