ネットで以下のようなニュースが出てました。デンマークでは介護福祉士相当の資格を持つ人の初任給は18000kr前後(36万円ぐらい)といわれています。日本から来た人が驚きますが、これは物価が倍近い事情を考慮すれば、きわめて大雑把な計算で日本円で20万円前後ということになるのでしょうか。しかし、社会保障がしっかりしているため、決して多くはありませんが、これでも十分生活できます。国民が本当に必要なところにお金を費やせない国のあり方はいかがなものですかね。特に二番目の記事の最後に出てくる「財政規律」。しかし「規律」とは、神様が与えたものではなく、人間が作ってきたもの。それを実態に合わせて修正するのも人間のはずです。
2008/3/8 J-CAST NEWS
35歳で約260万円「生活できない」 介護職員署名に160万人集まる
「介護職員の生活を保障してほしい」という政府への請願に、約160万人もの署名が集まった。キツイ、キタナイ、キケンの3K職場で、給料も安い。年収は35歳で平均約260万円程度。「ほんとうに生活できない水準なんです」と訴えている。
介護老人への医療提供施設で構成される全国老人保健施設協会(全老健)は2008年3月4日、舛添要一厚生労働相と額賀福志郎財務相に「職員の給与を保障できる介護報酬の改定を求める陳情書」を提出するとともに、集めた署名を手渡した。署名を呼びかけたひとり全老健埼玉県支部の吉田昇事務局長によれば、「現場で働く介護職員の窮状をしてもらいたい。ほんとうに生活できない(給与)水準なんです」と訴える。
給与所得者の平均年収と比べて約170万円も低い
署名運動は、全老健埼玉県支部に寄せられた1通の手紙が発端になっている。「いまの給料のままでは子育ても、住宅ローンも払うこともできません。介護職員の生活保障を訴えていくことはできないでしょうか」。これに危機感を感じ、吉田昇事務局長は07年夏、署名活動をはじめる。駅・街頭での訴えのほか、介護職員の家族、医師会、自治会に理解を求め、まず埼玉県で約10万5000人分を集めて、同年11月に埼玉県に提出した。この活動が全国に波及、08年2月末までに約160万人分の署名が集まった。
老健介護施設の介護職員とは、医師や看護士、介護ヘルパーなどの資格を持たずに、介護の「現場」で働く人をいう。全老健埼玉県支部によると、介護職員の平均年収は35歳で約264万円。給与所得者の平均年収(約434万円、06年国税庁調べ)と比べて約170万円も低い。低賃金なうえに、食事、入浴、おむつの取替えといった老人介護の職場は重労働で、さらにはキツイ、キタナイ、キケンの3K職場で人気がない。
パートの時給も800円前後で、スーパーやコンビニなどに太刀打ちできないし、最近は大手企業が初任給を引き上げて人材確保に力を入れているだけに、職員を確保するだけでも大変な苦労のようだ。
吉田局長は「老健保健制度ができて、ようやく20年なので勤めている施設も新しく、職員も若い人が多い。事業が軌道に乗らず、ベースアップもむずかしいのが実態です」と説明する。あまり知られていないが、老健介護施設は特別養護老人ホームと違って国からの補助金もない。土地や施設は銀行からの借入金でまかなわれているので、「借金の返済に追われ、人件費にまわす余裕はない」という。
厚労省の実態調査とかけ離れた「実態」
厚生労働省が2月21日に公表した「介護給付実態調査月報」(07年12月審査分)によると、介護サービスの受給者は全国で292万5000人。受給者一人あたりが介護施設や介護サービス業者に支払っている費用は月間17万4700円に上る。比較的高く見えるが、吉田局長はこれが「実態に即していない」という。
こうしたデータは、全国約3400ある老健介護施設がそれぞれ厚労省に提出している。ただ、老健介護施設は、認知症などの病状があり、リハビリテーションなどの医療を必要としている老人の介護施設なので病院やグループホーム、在宅ケア・サービス事業者などの医療法人が併営しているケースが多い。そのため、老健施設単体の状況がきちんと伝わっていないのだという。「老健施設の実態をしっかり伝えていないことにも問題はあるが、(厚労省側も)そちらが提出したものをまとめているとして、本当の実態を見てくれない」(吉田局長)と、その対応には不満げだ。
J-CASTニュースは、厚労省老健局に介護職員の平均年収を聞いたが「(実態調査にあるように)利用者側の数字はあるが、そのような数字は把握していない」と答えた。
毎日新聞 2008年3月8日 21時29分
社会保障予算:「抑制ノルマ」焦点…09年度へ早くも攻防
社会保障費の「伸び」を毎年2200億円カットする政府方針を09年度予算以降も続けるかをめぐり政府内が大揺れしそうな情勢だ。「絞っても何も出ないぞうきん」に例え削減見送りを求める厚生労働省に対し、財務省も引かない構え。最終的には政治決断に委ねられそうだ。
小泉政権時代の02年度以降、政府は高齢化で毎年7000億〜8000億円増える社会保障費の伸びを2200億円ずつ抑え、06年の「骨太の方針」にも07〜11年度の5年間でさらに1.1兆円削減することを盛り込んだ。やはり、1年当たり2200億円減となる。
例年、翌年の社会保障費の削減幅が焦点になるのは夏の概算要求段階。しかし、舛添要一厚労相は2月20日、「2200億円の削減はやめたい」と主張。福田康夫首相も2月26日の衆院予算委で「抑制には限界がある」と踏み込んだ。
これまで厚労省は年金、介護、医療の制度改革時に給付を減らすなどし、毎年何とかノルマをこなしてきた。だが、08年度は薬剤費減(約900億円)程度しか策を見いだせず、09年度も大型の制度改革はない。厚労省側は見直しに仕掛けを早めている。
こうした動きを財務省側は警戒している。財政負担増の要因である社会保障費で見直しを容認すれば財政規律自体が緩みかねないとの危機感は強い。【大場伸也】