季節は巡り巡ってまた湯たんぽの季節がやって来た。
去年から今年にかけての冬はチャコがいた。
チャコは乳腺腫の手術を受けた為
特別個室の小屋で湯たんぽの上に寝ていた。
春になって湯たんぽがなくなると、
切除したはずの腫瘍がまたあちこちに出来だした。
癌の告知が辛いのは何も人間だけではない。
猫も家族の私にとって、
奈落の底に叩き落されるようなショックだった。
あれから五ヶ月、まだ私の心の中にはチャコが生きている。
だから時々出て来るのだ。
今朝長女の部屋のコタツの電源を切ろうと思い、
念のために中を覗いたら茶色く長いシッポが見えた。
この部屋はナナとチャオとチャコが寝ていた部屋なのだ。
チャコがいない今は茶色のシッポはナナだけ、
チャオのシッポは白と黒のまだらなのだ。
それにチャオはリビングの日溜まりの中で伸びているのを
確認していたので、このシッポはナナだ。
ナナがいるならコタツを消さないでおこうと思ったが、
何を思ったのかコタツの横にあるダンボールの中が気になった。
ダンボールの底には湯たんぽが入れてあり、
その中でナナはいつも寝ているのだ。
ナナがコタツに入っていること自体珍しい。
で、ダンボールにかけてあるタオルケットを除けてみると、
何とナナがそこで寝ていたのだ。
いきなり明るくなったので私の顔を見上げ、
眩しそうな目をしてニャーと鳴いた。
ナナがここにいると言う事は、
それじゃコタツの中にいた子は誰?
チャコ、またお前だったんだね
「私はちゃんと一緒にいるよ」って私に知らせてくれる為に
時々こうやって姿をあらわすのだ。
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