北海道のタンチョウが1000羽を越えて一つの局面を迎えたと一斉に報道されました。
明治時代に一端は絶滅したと言われていたタンチョウが大正末に釧路湿原で再発見され(おそらく20羽〜40羽の群れ)そこから今日に至るまで諸先輩がたのたゆまぬ努力でここまで辿り着いたことに感動しました。
これから先、今までとは違った問題が生じてくるでしょうし、タンチョウの保護という視点でみればこれが一つの山場だと思います。
北海道から送られてきた調査結果の資料の中から「調査結果のまとめ(助言 専修大学北海道短期大学 正富宏之名誉教授より)」の一部を引用します。
『今年のカウントにおける一つの特色は、従来あまり越冬個体のいなかったところで多くの個体数が確認された点である。たとえば、十勝管内では毎年の第2回調査(1月のカウント)で0〜9羽が記録されているが、圧倒的に0羽の年が多い。それが昨年は過去最高の9羽が、そして今年はその倍近い17羽が確認された。この現象は、タンチョウの総個体数増加に伴い、越冬個体の分散が自然におきつつある証とみなせる。おそらく、従来の越冬地における収容力の限界や、大集団化によるツルの相互干渉などが背景にあると思われるが、科学的な検証はまだ行なわれていない。北海道におけるタンチョウは、絶滅の危機を脱する最低限の1,000羽にまで、半世紀を掛けて到達した。しかし、これで安全圏に入ったわけではない。個体数増加に伴う種々の新たな課題も生じており、これまでの単に数を増やすという保護の視点を修正し、この個体群をいかに健全に保ち、人間との軋轢避けながら後世に伝えていくかという、道民意識の方向付けが求められている。』
タンチョウは全世界に約2400羽しかいません。その中の1000羽を預かる北海道の自然について私達は心していかねばならないと思いました。