きょうは一日事務の日で、資料の整理も出来るのでつい最近読んだ本をパシャリしてしまいました。
「シェエラザード」は浅田次郎著の長編小説。戦時中に台湾沖で撃沈された国際法上航行が認められていた船の引き揚げをめぐる叙事詩のようなものです。実は、1年半前に帰国したときに古本屋で上下巻を買ったつもりが、なぜか下巻二冊という組み合わせとなっていて、読めない、というジレンマに陥っていました。昨年10月の帰国時に上巻を購入し、ついに念願を果たした、というしろものです。ひたすら感動させしい、の浅田次郎らしい本で、読みながら先が見える感じで読後感はいまいちでした。
「人間失格」はいわずと知れた太宰治の名著。津軽の名家育ちの太宰自身をモチーフにしたとされる小説で、外では装い、内では沈殿する、表裏を使い分ける上流階級ではよくありがちな人間が自殺も図りながら果ては人生の破滅へと進んでいくというご存知の内容。過去何度も読みましたが、今回の感想は、「人間失格なんてそこまでいわいでも」というものでした。人間には決まった資格なんてなく、そこにあるだけでそれもまたひとつの人生なんです。人生には「型」なんてないのです。
「中国名詩選」はときに思い悩むと、格調高い調べにつづられた一遍の人生のあり方を求めて手に取ります。特に中編は、李白や杜甫らが活躍した唐代のものが収められており、私の座右の銘ともいえます。ただ今回、ふと目に留まったのは晋代の陶淵明の「帰去来の辞」でした。高校の国語の授業でも扱われる「帰りなんいざ」という冒頭で有名な作品です。桃源郷、という言葉の出典ともなった散文を著した人でとしても有名です。一体、当時は戦乱の時代を背景に俗世から離れようとする老荘思想が流行していました。さて、この世界的経済危機にあたって、我々はどこに帰りましょうかね。

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