2017/3/27

杉浦茂の八百八だぬきと稲生物怪録  

小学校低学年の頃…と言っても、もう半世紀以上前の話になりますが
学校から帰ると勉強もせず野遊び、小魚をとったり蛙を捕まえたり。
野遊びに飽いたら漫画の時間。みんな大好きだったとは思いますが。

冒険活劇物では、私は月光仮面にまぼろし探偵(共に桑田次郎)とか
鉄人28号(横山光輝)、天馬天平(堀江卓)などが好きでした。
暮らし向き厳しい我が家では本の定期購読はとても無理で、もっぱら
友達からのお古の回し読みでしたが。

雨の日の内遊びでは、まぼろし探偵の下手な模写は良くしました。
桑田次郎さんのあのシャープでハイカラな線が、とっても魅力で。


ギャグ漫画系では、山根一二三さんの「ごろっぺ」とか好きでした。

それに何と言っても杉浦茂さんの、忍者などが登場する時代物が好き。
「ドロンちび丸」に「猿飛佐助」「少年児雷也」

多くのとぼけた妖怪や、ファンキーな奇人・変人キャラたち。
のどかな里山の空気を醸してくれる動物達とかが、もう大好きでした。

「八百八狸」でも、♪お山は今日も日本晴れーそれことりもぴーちく…
などと、鼻歌まじりに洗濯をする狸。確か美空ひばりの唄?

「敵の姿は見えないな」と、筒をあてて何やら遠くを見ている狸
「望遠鏡?俺にも見せて」と手に取り「ただの竹筒じゃないか、お前
呑気な奴だな」と突っ込まれ、頭をポリポリ…もう大好きなシーン。

落語の権兵衛狸と並ぶ、愛ある里山の動物描写?でした。


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その頃、小遣いを貯め初めて買った単行本が、その「八百八狸」

こちらは88年復刻のペーパーバックですが、当時はハードカバー本
あの当時の本、残しておけば良かったなと今は残念に思いながら…

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百姓の子として産まれた平太郎、産まれてすぐ母を亡くし、父が亡く
なる際に実は武士の家と知らされ、先祖伝来の小槌を受け継いだ。
山で仙人と出会い修業の後、浅野家の家来となり、お化け屋敷に
住み、そして狸成敗に出かけるという波乱万丈?のストーリーです。

そしてこの話は、稲生物怪録で有名な稲生平太郎が稲生武太夫と
改め、伊予松山のお家騒動の謀反側に加担した八百八狸の総大将
隠神刑部を成敗したという話がベースとなっています。


稲生物怪録は寛延2年(1749年)7月に、備後の三次藩の武士
稲生平太郎が、百物語から肝試しをしたが故に身にふりかかった
30日にも及ぶ「実際にあった」とされる怪奇現象の記録ですが、
いくつかの物ヴァージョンがあり、細部も絵も違っています。

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上段は一つ目小僧がお茶を持ってくるシーンで、左から
「稲生武太夫一代記」「怪談之由来 併 画」「稲生物怪録絵巻」
下段の杉浦茂さんのオバケに出てきそうなキャラクターも同上。

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こちらの二つは、稲生物怪録絵巻の物を大きく扱い並べました。


この「物怪録」は「もののけろく」と読むのが一般的かと思いますが
書かれた時代からすると、「ぶっかいろく」が正しいとも思えます。

ただ私は、三次市の青年達が「もののけろく」と呼ぶ事にイラッとし
「ぶっかいろくです、もっと勉強して下さい」と書いていたセンセイの
お陰で今は「もののけ」派。ファンタジックで良いじゃないですか。


それはさておき、お茶目な狸や、素っ頓狂なオバケといった強力な
脇役陣で固め、カラッと楽しい子供漫画に仕立てた八百八だぬき。

こうしていい年をして改めて読み返すと、子供の時代が鮮やかに
よみがえります。

ありがとうございます杉浦茂先生、僕の一生の宝物です。


以下を参考にさせていただきました。
・稲生物怪録絵巻集成 杉本好伸編/国書刊行会
・平田篤胤が解く稲生物怪録 荒俣宏/角川書店
・『稲生物怪録』〜平太郎が耐えた30日間の軌跡〜
 ⇒ http://www.youkaiwiki.com/entry/2013/07/29/145436
・Wikipedaiaより隠神刑部
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2017/3/20

春の跫が聞こえる…かな?  野歩き山歩き

この日午後は円山動物園で「知っている?札幌の身近な水棲外来種」
と題したシンポジウムがあり、円山で春探しとセットに出かけました。

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あれだけ猛威を奮った?雪も、もうすっかりおとなしくなり、英国の諺
「3月は獅子の様にやってきて子羊の様に去ってゆく」という話を思い
出しました。
今年は春の嵐は無く、子羊の様な雪の塊だけ残るのは嬉しい事です。

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雪も日差しも柔らかく、この日は気温8度近くあったようです。
お地蔵さんの表情も心なしか柔らかく見えます。

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普段はお地蔵さまに手を合わせる事もなく、ただ山頂を目指していたの
ですが、今日は時々立ち止まって手を合わせさせていただきました。
今更ながらですが一つ一つに思いがこもっていて…今まですみません。


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登り始めてすぐに大好きなカツラの巨木があります。
ここの餌箱(公認かどうかわかりませんが)の横に胡桃の実が一つ。
リスの「隠し蔵」ならいいのですが、これも誰かが置いた餌かな?

野生動物への餌やりは、有害獣だからダメとか、愛らしいから許して
とか言う問題ではなく、そもそもまずいでしょう?
でも「絶滅危惧種だったらどうする?」などと問われると答えに
詰まるのですが…いや瀕死でない限りやっぱりまずいでしょうねぇ。

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なんて言っているその先から、別な場所でエゾリスが食事。
どうもこれも人が用意した餌を漁っている様子
ああ〜なんてご都合主義と思いながら、ついカメラを構えるのですが…


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頂上に着くとややもやっていますが、夕張岳方向まで見えています。

さて山頂到達だから、まずは喉を潤して…と。

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残雪には白いパッケージが似合うかな?程度で買ったヱビスの缶
ヴァイツェンなのかな?バナナみたいな香りがとっても美味しく
一気に飲み干してしまいました。また買わなくては、これは旨い!


小鳥たちはハシブトガラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ
シジュウカラもいましたが、残念ながら撮り損ねて…

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カラ類は今の時期、警戒心があまりないので写し易くありがたいです。
あと、アカゲラとコゲラにはカメラを構える前にさっと逃げられ残念。



午後からは前出のシンポジウムを拝聴。

野歩きの時期を前にとても勉強になり、水辺を歩く時の観察のポイント
として覚えておきたいと思います。

子供の頃、川遊びをした時代との違いに驚ろきましたが、ペット輸入
大国であることや、本来北海道の気温だと越冬出来なかった生物が
温排水などの影響で生き延びてしまうのですね。

水田の廃止と共に一度は消滅した川が再生され、親水の水辺となるのは
とても良いことと思いますが、そこに流す水温が冬でもかなり高い。
スーパー銭湯の温排水などもある様ですが、水温が高いのは融雪を促進
する効果もあるだろうし、それ自体は善でも悪でもない気がします。

悪いのは無責任な飼い主や、この亀は80年近く生き大きさもこれ位に
などと説明をしないごく一部の業者にありそうですが…

いずれにしても、パネラーのお三方の話、とても興味深く面白く来て
見てよかった。

特にアメリカザリガニほか、中島公園や豊平川、安春川などフィールド
調査に基づいて話をされた、さけます科学館の前田学芸員さんの話が
個人的にとても興味深かったです。ありがとうございました。

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最後に爬虫類・両棲類館に寄った所、エゾアカガエルが早くも
恋の季節。
そうですよね、もう3月下旬に入ったのだし。
星置緑地や豊平水源地での恋の季節も間もなくですね。楽しみ。
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2017/3/12

2017年初潜り  ぷか〜り海の中

道産子ダイバーにとって冬は、潜る機会がめっきり減るのが辛い所。
この時期ならではの見るものも結構あるのですが。
水温が1ケタ何て言うのは別に、インナーを重ねれば済む事ですので
それは良いのですが、この時期は雪と共に海が荒れて…特に週末は?

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幸いこの日のは快晴で波もなく、遠く石狩湾の向こうには暑寒別の山。
海の中も思ったほど濁りもなく、浅場の海藻がカラフルで嬉しいです。

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この日の第一のお目当ては、この時期産卵するはずのナガツカの卵。

真っ白なソフトボールの様な卵を雄が守っている…はずだったのですが
親は何匹かいましたが、卵は見つからず。少しだけ早かったのかな?

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もう一つのお目当ては、ハッチアウトしたゴッコ(ホテイウオ)の赤ちゃんで
こちらは数匹しか見つからなかったのですが、海藻と共にユラユラ。

ちょっと疲れて?イトマキヒトデの上で一休み。
親に似ず?可愛いです。

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こちらはアキギンポかと思ったのですが、黒い明快な模様は図鑑で見る
とフサギンポの赤ちゃん…というか、小学校低学年くらい?の様です。

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他の魚たちは水温が低いので岩陰でじっとしていました。
とは言っても、見かけるのはエゾメバル位なのですが。

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そんな中でこれは寒さが平気な?エゾクサウオ。

まるで貝か、何かの卵にしか見えませんが、体をのの字に折り返し
丸まっている魚とわかりますでしょうか?
目が海藻と重なって見えにくく申し訳ないのですが。

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タコはもう何匹もいまして、こちらはその中でも一番小さかった個体。

結構大きな個体もいまして、足一本1000円くらいするかな?
なんてのもいたのですが、これが写真を撮っていたら突然向かって
来て、カメラやゴーグルに覆いかぶさってきて…

襲われた!と言うほどの恐怖感はないものの、子犬がじゃれて来たと
言うのとも訳が違って、足を剝がすのにイントラさんの手も借りました。

タコからすれば、「なに断りなしに写真撮ってんだよぉ」と、肖像権を
主張したかったのでしょうね?
そんな体験する人は多くは無いでしょうから、あの時録画のスイッチを
入れておけばよかったなぁ…とは、今になって思うのですけれど。

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ウミウシは4種類で何個体か見かけました。
上左はホクヨウウミウシの仲間、上右はエムラミノウミウシでしょうか?

水温はまだ5度ちょっとですが、久々の海中散歩、楽しかったです。
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2017/3/5

春まだ遠き札幌の森ですが  地に花、空に雲

この時期「暦の上では春が立ちましたが…」なんて言いわれ
ますが、本州はまだいいです。足踏みしながらも春が近くて。

東京の桜の開花予想は23日頃でしたから、今月中に春到来。
札幌は5月3日ですからね。
更に一ヶ月以上耐えていなくてはなりません。
まあ例年の事ではあるのですが。

とは言いながらさすがは3月、11時近くの気温はプラスに転じ
一番厳しい時期を乗り越え、春に向かう気配がしてきます。

日曜のこの日、家でゴロゴロの予定が予想外にいい天気。

こんな日に家でくすぶるの?元気に外歩き出来るのあと10年も
無いかも知れないんだよ…と言う、もう一人の自分に後押しされ
南区のアシリベツの滝まで出かけました。

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滝野すずらん公園の渓流口から歩いて1.1q

管理事務所でスノーシューの無料貸し出しもあるのですが、滝までの
道は圧雪されているし、この時期はもう雪も「焼けて」硬く締まって
いて「パフパフ」を楽しむ時期ではないので、圧雪道を歩き出します。

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写真撮りながら20分ほどで滝に到着。
真冬は凍り付いている滝も、主流の方はもう溶けて流れています。

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その分、滝つぼの手前は飛沫を浴び、良い感じの「芸術」風に。

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川の石に積もった雪もすっかり角が丸まって、穏やかな表情。

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道路縁の急斜面でも雪がずり落ちて、小さなツララが下がっています。

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もう3月だもんなぁ、そろそろ故郷では福寿草の咲く頃かな?



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途中で見かけた小鳥たち。この木の穴はコゲラではなさそうですが。

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緑の葉、そして赤くヤドリギ。
この辺りは食べる鳥がいないのか、みな赤い実が残っていました。

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秋の記憶を残したツリバナやハンノキ、ホオノキにカツラ。

春まだ浅き…と言うより春まだ遠きと言う方が適切なこの時期では
ありますが、木の根元の雪がまあるく溶けてきています。

「春よ来い」まであともう少しの辛抱ですね。
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2017/2/26

ディープ・リバー・ボーイズ 深い河  聞きたい365日

「深い河」という有名な黒人霊歌(Negro Spirituals)があります。

ポップソングにもなった「ドライボーンズ」や「揺れるチャリオット」などを
別とすると、おそらく一番有名な黒人霊歌ではないでしょうか。

苦しみ多いこの世から離れ、深い川(ヨルダン河)を越えた所に約束の
地があり、その穏やかな世界(天国)に行きたいと願う内容はご存じの
通りかと思います。

これらの歌が生まれた背景は、突然奴隷として連行され過酷な労働を
強いられ、言葉を解する家畜として扱われ、何の希望も無くした人達に
使用者は信仰による慰めとさせるべく、自分達の宗教を押し付けた。
人々も、キリストが迫害されたという聖書の教えと自分達の身の上を
重ね合わせる事で共感を覚え、聖書に沿った内容を歌にして歌う様に
なったのが始まりと理解していますが、哀しい話です。


半可通の知識はともかく、この「深い河」の曲名を冠したグループが
ハリー・ダグラスとザ・ディープ・リバー・ボーイズ。
アマチュア当時の彼等が、著名映画監督の前で「深い河」を披露する
機会があり、その歌声に感激した監督が名付け親だそうです。

結成が1936年と言いますから、ゴールデン・ゲート・カルテットや
ミルス・ブラザーズ、インクスポッツ等と同じ頃から活躍し、80年代
まで続いたという息の長いグループ。
他のグループに比べ知名度は無いかも知れませんが、渋くて重厚な
ハーモニーを聞かせてくれます。

当時はカルテット+ピアノの5人でスタートした様ですが、その後の
入れ替わりもあり、私がこのグループを知った時は、トリオ+ピアノ
の編成になっていて、この頃は何代目だったのでしょうね?


レコードのライナーに「前触れなく来日し」とありますから、多分興行
ではなく、音楽鑑賞団体などの招聘だったのでしょうか?
その折に日本で吹き込まれたのが、私が持っているレコードです。

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これを買ったのは、1960年代終わりか70年代初めと記憶しますが
名前も知らなかったグループの、何に興味を持って買ったのか?あの
当時、サザンソウルは好きでも、まだゴスペルとかにも興味を持つ前
でしたし。

フォークソングの流れから興味を持ったのかもしれませんが、今では
そのきっかけが思い出せなくて、う〜ん老人性…の始まりでしょうか?

でも、このレコードのお陰で「誰も知らない私の悩み」とか、「時には母
のない子のように」とか「イエスのみもとに」等の代表的な黒人霊歌を
覚えた思い出の一枚です。

そしてその「深い河」ですが、冒頭のハミングがとても印象的。
そこからバリトンがDeep river〜と歌い出す流れが、ドボルジャークの
「新世界より」の第二楽章「ラルゴ」に似た感じを受けます。

「新世界より」はプラハ生れのドヴォルジャークが、アメリカの音楽院
院長の職に付いた後の作で、そこからアメリカの音楽の影響が濃い
とも言われ、私もそう思って聞くから尚更感じるのでしょうけれど。

クリックすると元のサイズで表示します  こうした「黒人音楽がボヘミアの音楽に似ている
  事に刺激を受け」とか「インディアンの民族音楽
  から引用した」等の話は、ドヴォルジャークが
  友人に宛てた手紙で否定し「ただアメリカの旋律
  の精神をもって書こうとしただけだ」と書いている
  そうで、私の知識は間違っていたのですが。


深い河の話に戻りますが、巨匠トスカニーニに「百年に一度の声」と
激賞されたコントラルト、マリアン・アンダースンの歌声、そして

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大好きなシャンティクリアのハーモニーも、是非お勧めしておきます。

【追記】

ディープ・リバー・ボーイズの「深い河 Deep River」をアップしました。

併せ、ブルーグラスやロックでも歌われる「揺れるチャリオット Swing
Low,Sweet Chariot」もアップしましたので、宜しければお聞き下さい。

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