2009/1/13

弱者叩きとカムイ伝、そしてJMM  会話のネタ

はてな界隈で派遣村に端を発する意見や感情、自身の経験や思い込みのぶつけ合いみたいな雰囲気が漂っていて、すべてを真に受けることはないにしても、こういうものを続けて読んでいると鬱な感じで、なんだかやりきれない思いになったりもするのですが、そのような中で、ただ自分自身の思いをぶつけるのではなく、色々と考えている人もいるのだなと思わされたエントリがこちら。

弱者が弱者を叩く。得をするのは誰か。 - Umikaze Blog より

このタイトル、「弱者が弱者を叩く。得をするのは誰か。」という言葉から思い出したのがこの漫画。

カムイ"外"伝じゃなくて、カムイ"伝"ね。

江戸時代の差別と圧政の中、社会、権力構造で虐げられた人々の人間性みたいなものを問うている作品なのですが、この漫画によく出てくるのが分断された下層階級と、下層階級同士のたたき合い。
社会構造と権力に立ち向かうならば、下層階級は団結してそれに立ち向かうのが、いわゆる「物語」的にはストレートな表現になると思うのだけれども、この作品は非常にリアリスティックで、統治と体制保持のために下層階級は分断されていて、下層階級の弱者は、一つ上の階級ではなく、自分よりもさらに弱い弱者を叩くという、どうにもやりきれない構図がいたるところに出てくるのです。これを読んだ時と同じ気分。

この漫画の舞台背景は江戸時代、あれから400年ほど計画しているのに、なぜこうも同じような構図、しかも漫画みたいな構図を現実の世界で目の当たりにしなければならないのか。
個人的にはこういうのってとっくに終わった世界だろうと思っていたのですが、どうやらそうでもなさそうな印象です。

だからと言って短絡的に、団結して上と戦え、というような70年代みたいな連帯、闘争を叫ぶわけではないのですが(そんな戦いでは、きっと戦う相手を間違えてます)、

派遣切り:自己責任論・世代闘争論を越えて - はてな匿名ダイアリー より

で述べられているように、
「お互いに不信のやりとりをしている」と感じた

そもそも「困ったときはお互い様」なのであり、日本で勤務する者同士でもめたからといって、業績が上向くわけはない。

みんなが「まあ今は大変な時代だから、困ったときはお互い様だよねー」といいながら助け合えるような社会は、少なくとも「こういう事態になったのはあいつらのせいだ」と罵りあう社会よりもいい社会だろうなと思う。
といったことが考えられないものなんだろうか?

ちょうど昨日のJMMでは、「個人としてサバイバルするために必要なこと」というテーマが取り上げられ、大半のエコノミストらが個人としての生活防衛的な内容の持論を展開していたのだけれど、その中で異色だったのが次の引用。
寄稿家: 土居丈朗 の回答
現下の難局を生き残るには、「和」が大事だと考えます。

せめて自らが関わる会社や組織、さらにはコミュニティーだけでも、利害対立を円滑に解消する努力をして、自らの立場を維持するべく取り組むことから始めるしかないと思います。
ここで主張したい「和」とは、単に利害対立があっても我慢して妥協して、不満が残っても対立を顕在化させないというよりも、不要な対立を避けつつ互いの満足度を高める可能性を追求するということです。

「和」を重んじ不必要な対立を避けるけれども、閉鎖的にならず、自らに向上する努力〜<中略>〜を相手を貶める敵対的行為をせずに取り組むということが、こうした難局下で生き残るために求められていると考えます。
また、こんな話題もありました。
寄稿家: 金井伸郎 の回答
意識すべきこととしては、チームメンバーやスタッフの全員が、前向きに企業の収益につながるビジネスの獲得に努める意識を持つこと、積極的に貢献できる機会を求めること、その成果を認識させること、などです。要は、自分の所属する部門やチームなどが活性化された状態を維持できるように、全員がそうした意識を持つことです。

人員削減の嵐が吹き荒れる状況では、個人の実績にこだわったり、立場の確保に執着して立ち回ったりしても、あまり意味がないという意識も共有しておくべきです。

一般的に、人員削減などの施策は職場の信頼関係を失わせ、相互の不信感を増幅する結果になることが少なくありません。〜<中略>〜まず自分の周囲の同僚たちと、共に困難に立ち向かう意識を共有しようと努めることではないかと思います。
これは個人や企業内の組織とレベルの話ですが、そのレベルを大きくして、社会としてこういう考えや意識を持つに至らないのだろうか。
せめて、たたき合いなどではなく、もう少し穏やかにお互いの信頼関係を築けるよう流れにできないものなんだろうかね。
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