2009/10/1
カルガリー ドタバタ 珍道中(2) カナダ・バンフでの日々
ちっくたっく、ちっくたっく、時がこくこくと流れていく。
車の時計も腕時計も全部デジタルだから、秒針の動きも音も直には感じられないけれど、頭の中では、ちっくたっく、と狂わぬリズムがさっきからずっと、刻まれている。
アポイントメントの時間まであと15分。確かに住所の場所にいるのに、一体どうしたことか、ここは閑静な住宅街。ええい、病院はどこなんだ!!??だからカルガリーは嫌いなんだ!!
いやはや、まさにお約束。住所をメモし、Googleマップで経路がばっちり記された地図もプリントアウトしてきたというのに、やっぱり迷ってしまいました。確かに地図で示された住所の場所にいるのに、何度行ったり来たりしてみても、病院の影も形もありません。そんなせっぱつまっている状態だというのに、携帯電話がリンリン♪はるか彼方のバンフの仕事場からです。
「サチ、レジに置いてある花瓶の送り先なんだけど、、、、。」
かんべんしてくれ〜〜。
ぎりぎりセーフで滑り込んだ病院は、右往左往した道の後ろ側にありました。これまたお約束。
しかし、これが移民局お墨付きの病院ってやつですか、、。ぱっと見た感じは、日本の地元の小さな内科医と似たような印象ですが、待合室で待つ人々の顔ぶれはなんともエキゾチックで、全員移民関係なのだと一目で分かりました。まずは、何か国語も操るインド人の美人受付嬢にご挨拶。渡されたクリップボードの問診票や、移民関係の書類に、皆一心不乱に書き込んでいます。それから待合室にある、電話ボックスのような高さ大きさの機械に向かって、機械の声に誘導されるままにボタンを押したりレバーを握ったりすると、身長、体重、体脂肪、血圧が測定され、結果が書かれたレシートがべろりと出てきました。このレシートをクリップボードにはさんで、後はドクター、セバタイとの対面を待つばかりです。
勝手にヒゲのおじいちゃんと思い込んでいたドクター、セバタイは(根拠はありません、まことに勝手な思い込みです)ショートカットでサバサバした女性のドクターでした。
1時間20分、ケンモアから車を走らせ、150ドルを払って、問診は5分ではいおしまい。6畳もないような小さな部屋に通され、衛生のためでしょうか、紙がひかれたソファの上にバリバリと音をたてながら寝転び、聴診器で心音を聞いて、お腹を指でとんとん、そのあとは「タバコは吸いますか。」「呼吸が苦しくなることはありますか。」「アレルギーは」「手術の経験は」といった内容の質問がえんえんと続き(最後のほうはほとんど質問も聞かずに「No」と即答していたような、、)「それじゃこの後2週間以内に血液、尿検査とレントゲン撮影を受けてくださいね。」で終了となりました。
ところでこの移民のための、お医者とのアポイントメント、ちょっと気になったのが、本当に健康体の私はいいとして、この問診で、バカ正直に「そうなんです、時々胸が苦しくなって、、」とか「階段を上がっているときに、よく眩暈がするんですが、、」とか答える人はいるのだろうか、ということです。なにせカナダ社会に貢献できる健康な人間だということを証明するための、健康診断ですものね。
さて次なる目的は、胸レントゲンです。しかしどうも腑に落ちないのが、その住所。どうもモールだかショッピングセンターの中にあるようなのですが、Eat Calgaryとかいう名前がついていて、どう考えてもフードコートか食料品百貨店かなにかのようです。こんなところで本当にレントゲンが撮れるんかいな。ま、ここは予約をとらずに行っていいので、時間を気にしないで探せるのが助かります。
幸い建物はすぐに見つかりました。カルガリーで常に頭痛の種である駐車場も、大きなビルに備え付けになっていました。薄暗い巨大な駐車場に車をつけて、「ふふん、朝飯前だったわ♪」とエレベーターに乗り込み、4階のボタンを押して、到着!、、、って、あれ、ここまだ駐車場ですよね?
エレベーターから出てきょろきょろしてみるも、あたりの風景は、最初にエレベーターに乗り込んだときと全く変わりない、埃っぽい駐車場です。エレベーターのまわりに4つ扉があり、その一つがモール内に続いているのだろうと考えるも、どの扉も、押そうが引こうが、うんともすんともいいません。何がどうなっているのやら、そんなときは振り出しに戻ってみよう、と冷静にエレベータに戻って最初の駐車場に帰ってみると、エレベーターのまわりには、やっぱり4つの開かずの扉。うがー、入り口はどこなんだ!駐車場の中を誰が好んで行ったり来たりするというんだ、客はみんな店内に速攻行きたいはずだろう!と憤慨しつつ、すべての階を試してみるも、どれも変わらぬ駐車場の風景、、。そもそもこのエレベーターからして、業務用っぽいというか、殺風景な金属の塊で、モールに欠かせぬはずの広告などがありません。もしかして従業員用の駐車場に入り込んじゃったのかな。でも入り口で駐車場のチケット取らされたし、、、。狐にバカされたような気分です。普通モールの駐車場には、どの階にも店内直通の入り口とかがあると思うのですが、、。そうだ、きっとエレベーターを使わないんだ、どこかに入り口があるんだ、と思いたち、今度は広い駐車場内をてくてくと歩き出しました。てくてく、てくてく、、、。
ガスマスクをつけたくなるような、排気ガスのたちこめる人気のない薄暗い駐車場を一人でえんえんと歩いているうちに、とてもアホなことをしていると気づき、私は再びエレベーターに戻りました。
なにがなんでも!どうしても!エレベーターから店内に行かねばならぬのだ!さもなければ、私はこの駐車場の建物に生き埋めだ!!
もう一度全身全霊をこめてエレベーターのボタンを眺めてみました。P1, P2, P3, P4,そしてG。この5つしかありません。私はモール内の4階に行きたいのですが、、。と、そこで稲妻のようにひらめきました。私、地下にいるんだ!!!このPって、Parking(駐車場)のPだ!!そりゃ出られないはずです。4階に行っているつもりが、地下4階にさらに潜って行っていたのです。脱出の鍵は、G。Ground(地上)のGでした、、。なんてアホだったんだ、、。カナダではエレベーターのボタンで、ロビーや入り口のある1階をGと表すのは定番ですが、私の暮らすケンモアやバンフではエレベーターを使う機会などありません。この日の私は、まさに原始人状態だったのでした。あーやれやれ。
でもそれにしたって、不便なつくりです。地下の駐車場から店内に入るには、エレベーターで地上に一度出て、それから改めて入り口を通り抜け、モール内では、また別のエスカレーターで移動しなければなりません。モールが立ち並び、競争の激しい日本でこんな作りのビルにしたら、いっきに潰れるぞ。と思っていたら、驚きはそれだけではすみませんでした。店内のエスカレーターには階表示がない!!だーかーらー、4階に行きたいんだってば!と地団太を踏みたくなってしまうようなこのモール。いくつかのエスカレーターを乗り継いでいるうちに、自分が何階にいるのか見当もつかない状態になりました。普通エスカレーターの乗り口と降り口で、足元と頭の上に階表示がありますよね!?
ついに目的の4階に着いたときには、文字通り疲労困憊。Eat Calgaryの名前のごとく、ここはレストランだらけの建物です。安いフードコートの立ち並ぶコーナーで、タイ料理を食べることにしました。ほっと一息、、。
さて、疑惑と疑問に満ちたこの雑多な建物の中に、ちゃんとクリニックのコーナーがありました。
最初に、いかにもお局様!といった雰囲気の、愛想のないオフィスの女性にお金を払い、即レントゲン撮影が行われました。結果はセバタイドクターに直接送られるので、撮影が終わったら書類にサインしておしまいです。なんだかどの場所でも、実際の診察時間の倍以上、場所を探すのに時間を取られているような、、。
駐車場でうろうろ、タイご飯ランチをしてレントゲンを取って駐車場に戻ってみれば、なんと20ドル近くも駐車料金を取られてしまいした。納得いかーーん!!
それにしても暑い一日です。高山地帯であるカナディアンロッキーに来てからは、夏の暑さにあえぐような気候に見舞われることはほとんどないのですが、それでも毎年数日、灼熱の太陽光線と30度以上の気温に、夏バテを感じるような猛暑の日があります。そんな日にコンクリートジャングルかつ標高の低いカルガリーに来てしまったから最悪!ジミー(愛車)にはエアコンがないので(もちろん温める方はありますよ)、空気の悪いカルガリーで窓全快、汗をだらだら流しながら一方通行地獄の町を迷走し続けます。
次なる目的地はコミッショナリー、RCMP公認の、デジタルの指紋採取と無犯罪証明書を出してくれる警備会社です。これまた手元の詳細なGoogle地図をにらみつつ、右往左往。なにせその建物があるはずの通りが、ひたすら工事中なのです。迂回させられたりしているうちに見逃したら大変!
頭の中で描く図は、どうしても神奈川県警の巨大で最新の高層ビルなのですが、コミッショナリーはあくまで警備会社、先入観を抱いていたら見つからないぞ、と自分に念を押しました。でもそれにしても、何もなさすぎな気が、、。確かにその建物があるブロックまで来ているのですが、だだっ広い工事中の敷地と、あとは廃墟のような建物がいくつかあるばかり。さすがに廃墟内ってことはないよなぁ。
らちがあかないので、車を止めて歩いて探すことにしました。
車を走らせれば、一方通行と工事のバリケード。でも足で歩くにも非常に不便なのが、このカルガリーという町。地図片手にやっと見つけたその建物は、街中のマクドナルドよりも小さいのではないか、という規模の古い小さなものでした。こんなところで本当に政府公認の無犯罪証明書を出しているのかよ、、、と首を傾げつつも、住所もぴったり、コミッショナリーという看板も出ています。間違いありません。
すぐにでもドアを開けて中を覗いてみたい気持ちは山々ですが、アポイントメントまでまだ1時間ありますし、警備会社のまわりをうろうろして尋問されるのも、移民前の身としてはよろしくありません(笑)。カフェでコーヒーでも飲んで、読書をしながら時間をつぶすとしましょう。
しかしこれが間違いでした、、、。
カフェが、ない。
ひたすら歩いて、歩いて、歩いて、まだ、ない!!
これじゃカフェをついに見つけても、すぐに引き返さないと時間に間に合いません。車で来ればよかったのでしょうが、また駐車場を探すのがやっかいなので、歩くことにしたのです。でも先に書いたように、カルガリーは歩く町ではない!ちょっと歩けば1ブロック先にティムホートンやらスタバやらがあるような環境とは違います。何せスタート地点が廃墟の群れ。町らしい場所に出るまでにかなり時間がかかりました。暑いというのに、さらに汗だく。しかも久々の町だ!ということで下手にお洒落などしてみたものだから、アスファルトの上を歩きつづけて、皮のぺたんこバレーシューズが痛いのなんの!
そしてたどり着いたホテルの前の通りに、見計らったかのように立っている看板が、「You did right! Its just few more steps to Starbacks in our hotel robby!」(よくやった!私どものホテル内にあるスタバまであと数歩!)なんじゃそりゃ!私みたいなのが、他にもわんさかいるのだろうか、この地域は、、。
もうほとんど時間切れだったのですが、ここまで来たのですし、スタバで、夏のお気に入りのアイスアメリカーノをマイカップに入れてもらって、飲みながら帰ることにしました。
ホテル内はオフィスモード全開!のビジネスマンだらけで、道迷い中珍道中のはみ出し者は、すごすごと立ち去ることにしました。でも頑張ったかいがあり、アイスアメリカーノは、ほてった体に美味!おっとアポイントメントの時間が迫っています。
革靴の中で痛む足に鞭打って、速歩きで来た道を戻り、ぜいぜいと古い小さな、掘っ立て小屋のようなコミッショナリーの建物に入ってみれば、うぎゃ!中はすごかった!
ハリウッドのアクション映画で見るような、機械の群れに、飛び交う無線、ごつい防弾チョッキの警備員たち。こ、これが北米の警備会社ってやつなのね!この建物内の物々しさを目の当たりにすると、外のちんまり目立たない外観は、きっとカモフラージュなのだろう、という考えが沸いてきます。廃墟だらけの界隈にあるのも、きっとわざとに違いない!誰も知らない廃墟の群れの中に、最先端の警備設備、、ううん、そういうの好きだ!
おっといかんいかん、アクション、SF大好きな血が、ちょっと騒ぎすぎました。ええと、そうだ指紋をとってもらいに来たのでした。
いかめしい雰囲気にふさわしく、受付の巨大な女性も、にこりともしません。「ああ、指紋ね、はいはい(ったくこの忙しいのに)。この書類に目を通して、必要事項を書いたらまた持ってきて。」私にファイルを渡すなり、知らん顔で隣の女性と会話を再会、その内容とは!、、、娘の誕生日パーティの夕食に何を作ろうか、というような話。
私の指紋をとってくれたのは、アジア系の小さなかわいいおじいちゃんでした。彼の小さなオフィスで作業をしたのですが、このおじいちゃんもかわいいおっとりした雰囲気とは裏腹の、「指紋採取官」だかいうような、すごい肩書きがついておりました。もちろん朱肉ではなく、デジタル画面とパソコンを駆使した指紋採取で、その場でRCMPのデータベースに、私の指紋データが送られていきました。
やれやれ、長い長い一日でした。
もちろん帰り道も、ご期待どおり(笑)逆走を繰り返し、心身ぼろぼろになりながら、やっと我が家の山々にむかって高速道路を走り始められたときは、心底ほっとしました。
後日ケンモアにて尿、血液検査も済ませ、あとは最後のパスポートリクエストが来るのを待つばかりです。このまま上手くいけば年内にすべて終了するかな、と期待しているのですが、こればかりは運を天にまかせ、気長に待つしかありませんね。
そんなわけで、2009年の残りは、カルガリーに行かずに、山篭りで終われるかな?と願っている野人なのでした。
カルガリー珍道中、これにて終了!
車の時計も腕時計も全部デジタルだから、秒針の動きも音も直には感じられないけれど、頭の中では、ちっくたっく、と狂わぬリズムがさっきからずっと、刻まれている。
アポイントメントの時間まであと15分。確かに住所の場所にいるのに、一体どうしたことか、ここは閑静な住宅街。ええい、病院はどこなんだ!!??だからカルガリーは嫌いなんだ!!
いやはや、まさにお約束。住所をメモし、Googleマップで経路がばっちり記された地図もプリントアウトしてきたというのに、やっぱり迷ってしまいました。確かに地図で示された住所の場所にいるのに、何度行ったり来たりしてみても、病院の影も形もありません。そんなせっぱつまっている状態だというのに、携帯電話がリンリン♪はるか彼方のバンフの仕事場からです。
「サチ、レジに置いてある花瓶の送り先なんだけど、、、、。」
かんべんしてくれ〜〜。
ぎりぎりセーフで滑り込んだ病院は、右往左往した道の後ろ側にありました。これまたお約束。
しかし、これが移民局お墨付きの病院ってやつですか、、。ぱっと見た感じは、日本の地元の小さな内科医と似たような印象ですが、待合室で待つ人々の顔ぶれはなんともエキゾチックで、全員移民関係なのだと一目で分かりました。まずは、何か国語も操るインド人の美人受付嬢にご挨拶。渡されたクリップボードの問診票や、移民関係の書類に、皆一心不乱に書き込んでいます。それから待合室にある、電話ボックスのような高さ大きさの機械に向かって、機械の声に誘導されるままにボタンを押したりレバーを握ったりすると、身長、体重、体脂肪、血圧が測定され、結果が書かれたレシートがべろりと出てきました。このレシートをクリップボードにはさんで、後はドクター、セバタイとの対面を待つばかりです。
勝手にヒゲのおじいちゃんと思い込んでいたドクター、セバタイは(根拠はありません、まことに勝手な思い込みです)ショートカットでサバサバした女性のドクターでした。
1時間20分、ケンモアから車を走らせ、150ドルを払って、問診は5分ではいおしまい。6畳もないような小さな部屋に通され、衛生のためでしょうか、紙がひかれたソファの上にバリバリと音をたてながら寝転び、聴診器で心音を聞いて、お腹を指でとんとん、そのあとは「タバコは吸いますか。」「呼吸が苦しくなることはありますか。」「アレルギーは」「手術の経験は」といった内容の質問がえんえんと続き(最後のほうはほとんど質問も聞かずに「No」と即答していたような、、)「それじゃこの後2週間以内に血液、尿検査とレントゲン撮影を受けてくださいね。」で終了となりました。
ところでこの移民のための、お医者とのアポイントメント、ちょっと気になったのが、本当に健康体の私はいいとして、この問診で、バカ正直に「そうなんです、時々胸が苦しくなって、、」とか「階段を上がっているときに、よく眩暈がするんですが、、」とか答える人はいるのだろうか、ということです。なにせカナダ社会に貢献できる健康な人間だということを証明するための、健康診断ですものね。
さて次なる目的は、胸レントゲンです。しかしどうも腑に落ちないのが、その住所。どうもモールだかショッピングセンターの中にあるようなのですが、Eat Calgaryとかいう名前がついていて、どう考えてもフードコートか食料品百貨店かなにかのようです。こんなところで本当にレントゲンが撮れるんかいな。ま、ここは予約をとらずに行っていいので、時間を気にしないで探せるのが助かります。
幸い建物はすぐに見つかりました。カルガリーで常に頭痛の種である駐車場も、大きなビルに備え付けになっていました。薄暗い巨大な駐車場に車をつけて、「ふふん、朝飯前だったわ♪」とエレベーターに乗り込み、4階のボタンを押して、到着!、、、って、あれ、ここまだ駐車場ですよね?
エレベーターから出てきょろきょろしてみるも、あたりの風景は、最初にエレベーターに乗り込んだときと全く変わりない、埃っぽい駐車場です。エレベーターのまわりに4つ扉があり、その一つがモール内に続いているのだろうと考えるも、どの扉も、押そうが引こうが、うんともすんともいいません。何がどうなっているのやら、そんなときは振り出しに戻ってみよう、と冷静にエレベータに戻って最初の駐車場に帰ってみると、エレベーターのまわりには、やっぱり4つの開かずの扉。うがー、入り口はどこなんだ!駐車場の中を誰が好んで行ったり来たりするというんだ、客はみんな店内に速攻行きたいはずだろう!と憤慨しつつ、すべての階を試してみるも、どれも変わらぬ駐車場の風景、、。そもそもこのエレベーターからして、業務用っぽいというか、殺風景な金属の塊で、モールに欠かせぬはずの広告などがありません。もしかして従業員用の駐車場に入り込んじゃったのかな。でも入り口で駐車場のチケット取らされたし、、、。狐にバカされたような気分です。普通モールの駐車場には、どの階にも店内直通の入り口とかがあると思うのですが、、。そうだ、きっとエレベーターを使わないんだ、どこかに入り口があるんだ、と思いたち、今度は広い駐車場内をてくてくと歩き出しました。てくてく、てくてく、、、。
ガスマスクをつけたくなるような、排気ガスのたちこめる人気のない薄暗い駐車場を一人でえんえんと歩いているうちに、とてもアホなことをしていると気づき、私は再びエレベーターに戻りました。
なにがなんでも!どうしても!エレベーターから店内に行かねばならぬのだ!さもなければ、私はこの駐車場の建物に生き埋めだ!!
もう一度全身全霊をこめてエレベーターのボタンを眺めてみました。P1, P2, P3, P4,そしてG。この5つしかありません。私はモール内の4階に行きたいのですが、、。と、そこで稲妻のようにひらめきました。私、地下にいるんだ!!!このPって、Parking(駐車場)のPだ!!そりゃ出られないはずです。4階に行っているつもりが、地下4階にさらに潜って行っていたのです。脱出の鍵は、G。Ground(地上)のGでした、、。なんてアホだったんだ、、。カナダではエレベーターのボタンで、ロビーや入り口のある1階をGと表すのは定番ですが、私の暮らすケンモアやバンフではエレベーターを使う機会などありません。この日の私は、まさに原始人状態だったのでした。あーやれやれ。
でもそれにしたって、不便なつくりです。地下の駐車場から店内に入るには、エレベーターで地上に一度出て、それから改めて入り口を通り抜け、モール内では、また別のエスカレーターで移動しなければなりません。モールが立ち並び、競争の激しい日本でこんな作りのビルにしたら、いっきに潰れるぞ。と思っていたら、驚きはそれだけではすみませんでした。店内のエスカレーターには階表示がない!!だーかーらー、4階に行きたいんだってば!と地団太を踏みたくなってしまうようなこのモール。いくつかのエスカレーターを乗り継いでいるうちに、自分が何階にいるのか見当もつかない状態になりました。普通エスカレーターの乗り口と降り口で、足元と頭の上に階表示がありますよね!?
ついに目的の4階に着いたときには、文字通り疲労困憊。Eat Calgaryの名前のごとく、ここはレストランだらけの建物です。安いフードコートの立ち並ぶコーナーで、タイ料理を食べることにしました。ほっと一息、、。
さて、疑惑と疑問に満ちたこの雑多な建物の中に、ちゃんとクリニックのコーナーがありました。
最初に、いかにもお局様!といった雰囲気の、愛想のないオフィスの女性にお金を払い、即レントゲン撮影が行われました。結果はセバタイドクターに直接送られるので、撮影が終わったら書類にサインしておしまいです。なんだかどの場所でも、実際の診察時間の倍以上、場所を探すのに時間を取られているような、、。
駐車場でうろうろ、タイご飯ランチをしてレントゲンを取って駐車場に戻ってみれば、なんと20ドル近くも駐車料金を取られてしまいした。納得いかーーん!!
それにしても暑い一日です。高山地帯であるカナディアンロッキーに来てからは、夏の暑さにあえぐような気候に見舞われることはほとんどないのですが、それでも毎年数日、灼熱の太陽光線と30度以上の気温に、夏バテを感じるような猛暑の日があります。そんな日にコンクリートジャングルかつ標高の低いカルガリーに来てしまったから最悪!ジミー(愛車)にはエアコンがないので(もちろん温める方はありますよ)、空気の悪いカルガリーで窓全快、汗をだらだら流しながら一方通行地獄の町を迷走し続けます。
次なる目的地はコミッショナリー、RCMP公認の、デジタルの指紋採取と無犯罪証明書を出してくれる警備会社です。これまた手元の詳細なGoogle地図をにらみつつ、右往左往。なにせその建物があるはずの通りが、ひたすら工事中なのです。迂回させられたりしているうちに見逃したら大変!
頭の中で描く図は、どうしても神奈川県警の巨大で最新の高層ビルなのですが、コミッショナリーはあくまで警備会社、先入観を抱いていたら見つからないぞ、と自分に念を押しました。でもそれにしても、何もなさすぎな気が、、。確かにその建物があるブロックまで来ているのですが、だだっ広い工事中の敷地と、あとは廃墟のような建物がいくつかあるばかり。さすがに廃墟内ってことはないよなぁ。
らちがあかないので、車を止めて歩いて探すことにしました。
車を走らせれば、一方通行と工事のバリケード。でも足で歩くにも非常に不便なのが、このカルガリーという町。地図片手にやっと見つけたその建物は、街中のマクドナルドよりも小さいのではないか、という規模の古い小さなものでした。こんなところで本当に政府公認の無犯罪証明書を出しているのかよ、、、と首を傾げつつも、住所もぴったり、コミッショナリーという看板も出ています。間違いありません。
すぐにでもドアを開けて中を覗いてみたい気持ちは山々ですが、アポイントメントまでまだ1時間ありますし、警備会社のまわりをうろうろして尋問されるのも、移民前の身としてはよろしくありません(笑)。カフェでコーヒーでも飲んで、読書をしながら時間をつぶすとしましょう。
しかしこれが間違いでした、、、。
カフェが、ない。
ひたすら歩いて、歩いて、歩いて、まだ、ない!!
これじゃカフェをついに見つけても、すぐに引き返さないと時間に間に合いません。車で来ればよかったのでしょうが、また駐車場を探すのがやっかいなので、歩くことにしたのです。でも先に書いたように、カルガリーは歩く町ではない!ちょっと歩けば1ブロック先にティムホートンやらスタバやらがあるような環境とは違います。何せスタート地点が廃墟の群れ。町らしい場所に出るまでにかなり時間がかかりました。暑いというのに、さらに汗だく。しかも久々の町だ!ということで下手にお洒落などしてみたものだから、アスファルトの上を歩きつづけて、皮のぺたんこバレーシューズが痛いのなんの!
そしてたどり着いたホテルの前の通りに、見計らったかのように立っている看板が、「You did right! Its just few more steps to Starbacks in our hotel robby!」(よくやった!私どものホテル内にあるスタバまであと数歩!)なんじゃそりゃ!私みたいなのが、他にもわんさかいるのだろうか、この地域は、、。
もうほとんど時間切れだったのですが、ここまで来たのですし、スタバで、夏のお気に入りのアイスアメリカーノをマイカップに入れてもらって、飲みながら帰ることにしました。
ホテル内はオフィスモード全開!のビジネスマンだらけで、道迷い中珍道中のはみ出し者は、すごすごと立ち去ることにしました。でも頑張ったかいがあり、アイスアメリカーノは、ほてった体に美味!おっとアポイントメントの時間が迫っています。
革靴の中で痛む足に鞭打って、速歩きで来た道を戻り、ぜいぜいと古い小さな、掘っ立て小屋のようなコミッショナリーの建物に入ってみれば、うぎゃ!中はすごかった!
ハリウッドのアクション映画で見るような、機械の群れに、飛び交う無線、ごつい防弾チョッキの警備員たち。こ、これが北米の警備会社ってやつなのね!この建物内の物々しさを目の当たりにすると、外のちんまり目立たない外観は、きっとカモフラージュなのだろう、という考えが沸いてきます。廃墟だらけの界隈にあるのも、きっとわざとに違いない!誰も知らない廃墟の群れの中に、最先端の警備設備、、ううん、そういうの好きだ!
おっといかんいかん、アクション、SF大好きな血が、ちょっと騒ぎすぎました。ええと、そうだ指紋をとってもらいに来たのでした。
いかめしい雰囲気にふさわしく、受付の巨大な女性も、にこりともしません。「ああ、指紋ね、はいはい(ったくこの忙しいのに)。この書類に目を通して、必要事項を書いたらまた持ってきて。」私にファイルを渡すなり、知らん顔で隣の女性と会話を再会、その内容とは!、、、娘の誕生日パーティの夕食に何を作ろうか、というような話。
私の指紋をとってくれたのは、アジア系の小さなかわいいおじいちゃんでした。彼の小さなオフィスで作業をしたのですが、このおじいちゃんもかわいいおっとりした雰囲気とは裏腹の、「指紋採取官」だかいうような、すごい肩書きがついておりました。もちろん朱肉ではなく、デジタル画面とパソコンを駆使した指紋採取で、その場でRCMPのデータベースに、私の指紋データが送られていきました。
やれやれ、長い長い一日でした。
もちろん帰り道も、ご期待どおり(笑)逆走を繰り返し、心身ぼろぼろになりながら、やっと我が家の山々にむかって高速道路を走り始められたときは、心底ほっとしました。
後日ケンモアにて尿、血液検査も済ませ、あとは最後のパスポートリクエストが来るのを待つばかりです。このまま上手くいけば年内にすべて終了するかな、と期待しているのですが、こればかりは運を天にまかせ、気長に待つしかありませんね。
そんなわけで、2009年の残りは、カルガリーに行かずに、山篭りで終われるかな?と願っている野人なのでした。
カルガリー珍道中、これにて終了!
2009/11/6 22:51
投稿者:くうひ
You did right! Its just few more stepsってそんなにカフェが無い街でもカナダ人は暮らせるのね。
やっぱりバンクーバーは猛烈に都会だったのだ。四つ角のうち3つの角にスタバがある街は後にも先にも初めてだった…。
http://www3.to/coohi/