昨夜、さて寝ようと部屋の電灯を消したものの寝付けず、しばらく開け放している襖のど真ん中をぼんやり眺めていたらキュッと空気に歪みが生じるのが見えた。
ちなみに我家は15階の高層マンションの天辺なので、ベランダの窓にはカーテンをつけていない。一応あることはあるのだが、猫達が登ったりしてボロボロにするのでつけていないのだ。どうせ高いから外から覗かれる心配もない。だから夜電灯を消したところで、完全には真っ暗にならないのだ。
だから、暗いのに目が慣れてくるとわりと何でもはっきりと見える。
歪みの正体は何か? 隣で寝ている娘に言えば多分歪みは消えてしまうだろうと思い、黙ってじっと見つめていた。恐怖心は全く無かった。
今から何かが現れるのだという予感に、胸がドキドキする。
それはひょっとしたら亡き母かも知れない。
そう思うと怖いどころか待ち遠しくてたまらなかったのだ。
やがて透明だった歪みに白い濁りが生じ、人の形を作り始めたとたん、
何と信じられないことにストーンと意識がなくなってしまったのだ。
ウッソーと悔しく思ったのはもう完全に夢の中だった。
疲れていたんだろう、目の錯覚さ、願望が夢になっただけ、そのときはすでにもうあなたは寝ていたんだ・・・もろもろ
人はいろいろ言うだろうが、何とも妙な夜だった。