ある晴れた日の夕方、
若旦那はお茶をしておりました。
店先をぼ〜っと眺めながら
熱いお茶をすすっておりました。
若旦那はふぅっと湯呑を置き、
お茶菓子に用意されたロッテパイの実に手をかけようとした時
ふと人の気配がして通りに目をやりました。
すると小さな男の子が何かの歌を口ずさみながら
ご機嫌の様子でスキップしております。
小さな青いキャップ帽子、黒いランドセル、胸には名札。
小学校1年生くらいでしょうか。
学校からお家へ帰る途中なのでしょう。
元気な姿がかわいらしく、無邪気ではありませんか。
若旦那がつかみかけのパイの実を口へほおりこんだ時、
男の子は「串せん1本100円」と書かれた看板の前で立ち止まり
醤油つけたての【串せん】の匂いをくんくん嗅ぐと
「やすい!」と満面の笑みで走り去って行きました。
若旦那はパイの実をもぐもぐごっくんした後
なんと愛らしく賢い男の子でありましょうかと
腕を組んで頭をコクコク頷かせたのです。
ちょうど先日「100円!?高いわね。試食させなさいよ」
と満面の怒りをもって憤慨されたお客様を思い出しながら。