オバマとロムニー  政治のはなし

ロムニー候補サイドの主張は「なんで金持ちだからといって、ビンボー人の面倒を見なきゃならんのだ」というもの。それこそ「不公平だ」という。「政府に頼るな」「自分でなんとかしろ」。これは医療制度についてもいえて「自分の体は自分で守れ」。アメリカの銃規制が進まないこともそうした主張があるからかも。
オバマ大統領サイドの背景には、「1%/99%」というのがあって、アメリカの富の多くをわずか1%が独占している状況に「不公平」といっている。そして「誰でも医者にかかれることは当然の権利だろ」というもの。
こうしてみると、ロムニー陣営の方が「自由」ですね。

でも、オバマ大統領は同性婚を容認する発言をして、それが支持率が伸び悩んでいる理由のひとつになっているらしい。妊娠中絶、移民、障がい者、マイノリティ問題について寛容な態度を示す。「リベラル」な主張というのかな。
ロムニー陣営の支持者の中には、こういうのがダメな人が多くて、宗教、家族、伝統的共同体を大切にする。こういうのを「保守」という。
ここで、オバマとロムニーの「自由」が逆転する。

つまり、2つの「自由」の軸があって、どちらも「自由」と「公正」を掲げて選挙戦をたたかっていることになる。

座標平面で示すと、右上にロムニー、左下にオバマがくる。

もちろん、人間はこんなに単純には割り切れないけれど、政治学のアタマで考えるとこんな感じで整理される。
そして、世の中には右下にいる人も(保守の再分配支持者)、左上にいる人も(リバタリアン?)いて、その人たちがどういう投票行動をとるか(どちらに入れるか、投票しないか)。

さて、これを日本にあてはめてみると、実は自民党の多数派も、民主党の多数派も、右下、つまり、社会生活では保守的主張をしながら、弱者に手厚い政策に理解を示すということになる。自民党の中にいるもっと競争をという人も、民主党の中にいるもっとリベラルな社会にという人も、少数派なので政策に反映されない。
そして、民主党と自民党の政策が似通っていき、争点が見えなくなる。

実はこれって、日本の理想の統治者像、名君の資質なんじゃないかな。
時代劇に出てくるお殿様って、こういう人でしょ。
そういう理想像があるがために、なかなかここから外れたことは言いにくい。

とすると、日本の左下の人、右上の人、さらに左上の人の行き場がない。

困ったねぇ。

この2つの自由以外にも、「軸」となりうるものはたくさんある。
たとえば、原発をどうするか。外交・安全保障問題をどうするか。通商政策をどうするか(TPP)。成長戦略の軸に何を据えるか。などなど。

政界再編が始まるのだろうけど、何か自分が注目する「軸」をつくって、政治家や政党の位置を確認していくと、ある流れが見えるかもしれないよ。


・・・2週間ほど前のTBS「サンデーモーニング」で出ていたボードをネタにやった授業の一部。
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