2010/5/9

「天使は瞳を閉じて」  演劇

「天使は瞳を閉じて」

初演は大体1988年らしいので、この作品を同じ大学会館
で観たのは89年か90年と思われます。演劇と言えば、
ガラスの仮面で、夕鶴みたいなものをするものとしか
認識していなかった当時の自分にとっては、この作品は
初めて演劇って面白いと思い、以降、機会があれば観に
行くという現在の生活につながった記念碑的作品です。

まだノストラダムスに半信半疑で、核戦争で人類は滅びる
と何となく思っていた当時、バブルの喧騒はソドムとゴモラ
の再現のようにしか思えず、中学3年以来の自己嫌悪的な
落ち込みから、やっと回復してきた頃だったように思い
ます。

エンヤの音楽がものすごく効果的に使われていて、いきなり
ダンスを群舞する。当時の流行りを巧みにパロディーにして
お笑いのように見事に笑いをとる演劇はとにかく笑い、そして
最後に感動して考えさせられるものでした。

しかし月日が過ぎて、面白かったという印象だけが残って
いたわりに、話の内容はすっかり忘れていました。今回は
20年ぶりに、この作品を観ることが出来て、本当に有難か
ったです。観ているうちに、だんだん記憶も甦り、ああ、
自分はこの辺りに感動していたなあーと思うこともあった
一方で、こんな話だったっけ?、という部分もあり
当時ほどの感動は感じませんでしたが、十分に楽しく観劇
しました。

観劇後、ネットで検索してみると、改訂版が出されていて、
今回の公演は改訂版に基づいていたようです。まあ、当時
の脚本では、さっぱり分からないギャグも満載でしょうし、
それは仕方ないのですが、基本的な構成自体も何か変更が
なされているようで、そこは大変残念に思いました(勘違い
かもしれませんが)。今回の公演では、一世代だけの物語
のようになっていたのですが、私の記憶では、登場人物は
似ているけれど、世代は何世代も移ろって、人類のサガの
ようなものを上手く描いた構成になっていたように思います。

そんなこんなで、あまりにも感傷的に観ていたので、今回の
公演のメモにはなっていない気もしますが、やはりこの作品
は当時に観てこその面白さが大きかったのだと感じる公演
でした。


劇団笛新入生歓迎公演
「天使は瞳を閉じて」(約2時間)

脚本:鴻上尚史
演出:増澤あゆみ

出演:大畠あきこ、鈴村千弘、眞鍋智裕、齋藤寛貴 ほか

日時:2010年5月9日(日)18:30-
2010年5月10日(月)18:30-
(開場は30分前です)

場所:大学会館ホール

料金:後払いカンパ制
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