2008/7/17
「旅立」
浜辺で波に削られて丸みを帯びた白い貝殻を二三個拾って、波頭に向けてアンダースローで投げた。
少し離れた風上で同じ様な格好して戯れているグループの女性達の声が横波に乗って聞こえてきた。
赤木にはこの地方では聞きなれないイントネーションや夫々地方の訛りも入り混じって華やいで見えた。
一見、関西辺りの女子大生であろうかと見えたが、よく眺めてみると垢抜けた服装や化粧の乗りの旨さから東京辺りの女子大生と思った。
赤木は今朝、夜行列車でこの町に降り立った時、同じ夜行列車の寝台車辺りの車両からホームに降り立った数グループの観光客の一団に遭遇した。
ホームで身動きの取れないその塊が赤木の前方に立ちはだかり、改札口に急ごうとする他の乗降客の行き先を邪魔をし、気分が滅入る朝だった。
駅の改札口を出た辺りで、予約を済ませている中高年グループは旅館・ホテル等の迎えの旗が振られている方へ夫々固まりだした。
その数グループの中の少数の女子大生達が駅員を掴まえ取り囲み、しきりにこの地方の案内等を聞いてた。
赤木は身なりから多分同じ夜行で着いたグループの人達と思った。

2
コメントは新しいものから表示されます。
コメント本文中とURL欄にURLを記入すると、自動的にリンクされます。