俳句の苑
星食べて身籠る詩より読始 松野苑子
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俳句の花束をあなたに
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2012/5/19
「罌粟の花」
kusyuu
猫と居て身体重たし罌粟の花
角南範子 『薄青き午』
猫も動かない
けだるい昼
罌粟の花が真っ赤だ
季語 罌粟の花(夏)
『薄青き午(ひる)』 2006年5月発行
スイトピー吐く息かすか睡魔くる
キライって十ペン唱えねじり花
夏帽子君の口癖うつりたる
辣韮や夫婦の入歯ある仏壇
ストッキングの萎れる窓の夕焼ける
鶏頭やモデル墓石の立ち並ぶ
主なきロングブーツの淫らなる
さくらさくら小さな橋の人だかり
自分の日常を素直に詠んでいるところが魅力
投稿者: 苑子
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2012/5/6
「貝釦」
natsu
初夏や虹色放つ貝釦
岩淵喜代子 『白雁』
貝のあの虹色は
初夏の風の色
波の音も聞こえてくる
季語 初夏(夏)
『白雁』 2012年4月発行
はるかな異界に向ける眼差しを感じる句集。
化けるなら泰山木の花の中
次郎より太郎のさびし桐の花
噴水を寄る辺にみんな人を待つ
逞しき薔薇の棘なり触れてみる
蟻地獄どこかで子供泣いてゐる
影のごと立つも座るも月の鹿
蕪村忌の雀がみんな賢さう
雁啼いて枯野と枯野繋ぐ橋
梟に隣をいつも空けておく
若水に空の真中の映りをり
万の鳥帰り一羽の白雁も
曇つたり晴れたり島の白子丼
幻をかたちにすれば白魚に
花どきの片耳塞ぐ枕かな
月光の仔猫は舐め尽くされてをり
著者の「あとがき」から
「句集作りは、今の自分を抜け出すための
手段のような気もしてきました」
投稿者: 苑子
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2012/4/10
「桜花房」
haru
手を入れて桜花房つめたしよ
押野 裕 『雲の座』
豊かにたわわにこの世の花として桜は咲く
けれど手を入れてみるとひんやりしている
それだけのことだけれど
*季語 桜花房(春)
投稿者: 苑子
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2012/3/17
「午の時報」
haru
春天を揺らして午の時報鳴る
西原天気『けむり』
午の時報は幸せな音がする
春の空は揺れて光がいっぱいだ
さあ仕事を休んでお弁当をひろげよう
*季語 春天(春)
『けむり』2011年10月発行
日常のなにげないところから掬う
不思議なシュールなちっと可笑しい世界
白南風や潜水服のなかに人
匙こつと底に届きてかき氷
くもりぞら桃が傷んでゆくやうな
縞馬の縞すれちがふ秋の暮
曳猿のやや着崩れてをりにけり
全員がパセリを残し春隣り
早春を斜めに休むオートバイ
観覧車うごきだすとき暖かし
ばねひとつ胸より出づる春の暮
うたた寝の眼尻の端を捕鯨船
垂れてゐる紐ひつぱれば虫の闇
投稿者: 苑子
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2012/3/10
「3月11日」
明日は3月11日・・・・
昨年の角川俳句賞応募作品「百の扉」(予選通過)から
10句 松野苑子
死者の名を流し続ける菫かな
津波警報仔猫二匹の上に鳴る
街停電目玉のやうな春の月
鍋釜の向かうの闇や春の地震
地に人に菠薐草に当てる計器
願ひては寂しくなりぬ豆の花
さよならを何回も聞き桜の芽
地震の後一揆のごとく蝌蚪生るる
誰彼が消えて今年の摘草よ
電柱の守宮千年待つてゐる
投稿者: 苑子
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2012/3/4
「野蒜」
haru
引きぬかれ忘れられたる野蒜かな
高瀬祥子 『水の星』
(合同句集)
たわむれに引き抜かれてしまった野蒜
葉は食べられるし根は薬用になるのに
忘れられるとは・・・寂しい
*季語 野蒜(春)
野蒜は夏に紫色の花が咲きますので
「野蒜の花」は夏の季語です。
投稿者: 苑子
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2012/2/9
「猫の子」
haru
むらさきの風呂敷猫の子が二匹
林いづみ 『幻月』
もらわれる猫の子だろう
紫は高貴な色 大事に包まれている
きっと大切に育ててもらえるにちがいない
*季語 猫の子(春)
『幻月』2010年1月発行
俳句にたいする真摯な姿勢が伝わってくる
膝の手のしめりて来たる単衣かな
亡き父の部屋より障子貼り始む
等伯の涅槃図三丈まみえけり
石投げて仏にあたる暮の秋
武州無双刃物屋藤兵衛水を打つ
身に叶ふ硯一面去年今年
ほととぎす一声大河のはじめかな
隣家まで十歩露けき草の丈
ホームページ「苑子の俳句パレット」が
やっと動くようになりました。
新しいパソコンに移すのは疲れました。ふ〜
俳句パレットのほうも覗いてみてくだされば
嬉しいです。
投稿者: 苑子
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