「中国は孤立に追い込まれるのか:中国は自滅の道を進むのか孤立に追い込まれるのか」
世界経済のゆくえ
中国が自滅する道 から続きます。
■ 中国は孤立に追い込まれるのか
中国は、WTO加盟も果たし、さらなる輸出拡大をめざしている。
中国が輸出を拡大するということは、他の国々が中国からの輸入を拡大しなければならないということである。
日本の高度成長期のように、先進諸国がそれなりの経済成長を遂げている条件であれば、ある国民経済の輸出拡大を受け入れることもできるが、ゼロ成長という条件であれば、中国からの輸入拡大は、その国民経済の生産活動を減少させるものである。
流通業者は国内生産でも輸入でも同じ粗利が得られるのであれば問題ないが、国内で生産されていた財の“代替”輸入は、生産活動の低下(失業者の増加や設備投資の減少)により、国民経済総体の縮小をもたらす。
そして、価格競争力で勝る中国からの輸出品に対抗しようとすれば、給与を抑制して生産性を上昇させなければならない。
これは、その国民経済にデフレ圧力をもたらす。
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大半は日本企業が生産した中国製品だが、中国からの製品輸入は、日本経済の大きなデフレ要因となっている。
米国経済のデフレ傾向にも、中国製品が影響を及ぼしていると推測できる。
不勉強のために中国の経済成長に対する輸出の寄与率を知らないが、ここ10年、輸出額を4年でほぼ倍増という実績を続けていることから、輸出寄与率は相当高いと思われる。
4年で2倍という年平均18%はともかく、年平均15%の輸出増加を続けなければ、目標の7%(正味は3〜4%だろう)は持続できないだろう。
中国の輸出製品生産性は今後も上昇していくと思われる。
そして、輸出こそ経済成長の源泉と考えている中国政府は、人民元の対外価値を引き上げようとしないだろう。
これは、生産性の上昇がそのまま価格低下につながった製品が世界中に輸出されることであり、先進諸国経済全体が日本と同じデフレの渦に巻き込まれることを意味する。
中国企業の割合は少なく、日本企業や欧米企業が中国で生産したものが大半であっても、輸入を受け止める国民は中国製と考える。
就業機会を確保している人たちは、同じ品質の製品が安く買えることを喜ぶだろうが、それらの輸入によって就業機会を失った人は、安くなったそれらさえ買えなくなる可能性もある。
どうであれ、その国の経済は、成長下降圧力を受け、デフレ圧力を受ける。
それが、この間の日本のように「デフレ不況」をもたらすとしたら、どの国の国民も、日本国民のようにただ耐えるというわけではないだろう。
自分たちの生活を維持するために、かつて日本製品に向けられたこともあるように、「中国製品排斥運動」が起きる可能性が高いと予測する。
日本からの輸出が中国からの輸出に変わったものであれば緩和されるが、国内でも生産されているものであれば、激しい反発が起きるはずだ。
自国企業が中国で生産している製品に対しては優遇策が採られるだろうが、それ以外の製品については、輸入割当や高関税率適用などの輸入抑制策が採られる可能性が高い。
中国は、WTO規約を盾に抵抗するだろうが、「自由貿易政策も保護貿易政策」という冷徹な現実に勝つことはできない。
中国の輸出拡大策は、この2、3年でほころびを見せると予測している。
そして、それは、「中国の自滅への道」の条件が現実化することでもある。
「世界同時デフレ不況」は、根源的には違うが、中国からの輸出拡大が大きな要因になって引き起こされると考えている。
中国政府は、有限な世界経済のなかで輸出拡大を続けることはできないという現実を認識しなければならない。
■ 日本と中国の関係
日本企業は、1/10以下と言われている人件費の低さや優遇税制に魅せられて、中国に生産拠点を移転させている。
(社会主義国家なので教育水準は高い)
これが、日本の「デフレ不況」が長期化している大きな要因である。
「デフレ不況」のために、国内では思うように利益が得られるコストで生産できないから中国で生産して輸入するという行動をとる企業が増えたことで、日本の「デフレ不況」がさらに悪化しているのである。
日本の企業には、中国に輸出する消費財まで日本で生産すべきだとは言わないが、日本で販売するもの消費財まで中国で生産することは止めるべきだと言いたい。
それは倫理の問題ではなく、経済論理の問題である。
(戦後復興期や高度成長期に国策として成長したという歴史的経緯から言えば、倫理(恩義)の問題もあるが...)
個別企業の利益確保の動きが、本拠地である日本経済の「デフレ不況」をさらに悪化させ、それがそのような動きをしている企業にも収益悪化という悪影響を与えているのである。
現在のところは厖大な貿易収支の黒字を計上している日本は、歴史的経緯からも、中国製品を輸入することで経済発展をサポートすべきだと考えているが、個別企業の利益にも、日本経済の回復にもつながらない「製造拠点の中国への移転による日本向け輸出」は止めるべきである。
中国への製造拠点移転が本拠地である日本の「デフレ不況」を悪化させるにとどまらず、このまま中国に移転を続けていっても、
● 中国からの輸出拡大で悪影響を被る諸国の反発で思うような生産(輸出)はできない。
● 中国籍企業が競争力をつけていけば、それとバッティングする日本企業は中国から退出せざるを得なくなる。
(サンヨーはテレビ事業から撤退した)
という問題も控えている。
日本企業は、本拠地である日本の経済を悪化させたり生産基盤を廃棄することで得られるものはなにもないのである。
小泉首相は、つまらない民営化政策に執着するのではなく、理を説くことでも、土下座をすることでもいいから、経済界に、中国への製造拠点移転を控えるよう要請すべきである。
それが、「デフレ不況」解消のための重要な政策の一つである。
7/8/30
日本は世界一と言ってもいいほど恵まれた「近代経済システム」国家:楽観的な日本経済のゆくえ に続きます。

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