【たけ(tk)さんの引用】
「郵貯・簡保はピークからは減少しています。高齢化にともなって、必然的に世帯の貯蓄率が減るので、今後も、一層減少します。
・・
生命保険である簡保の、死亡保険金の支払いと満期支払いも今後、増加します。
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今と将来の郵貯・簡保に、資金の増加余力はないのです。330兆円の郵貯・簡保資金とは言っても、現金・預金はたった9兆円に過ぎないのです。」
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Re: 簡保・郵貯の踏み倒しが目的?投稿者 あっしら 日時 2005 年 8 月 24 日
[あっしら]
吉田繁治氏から引用されたまさちゃんのこの部分は面倒だったのでレスをパスしました。
たけ(tk)さんが「簡保・郵貯の踏み倒しが目的?」という疑念をもたれたのは、吉田氏が郵政金融事業の流入資金縮小や保険金支払いの増加を説明したうえで「現金・預金はたった9兆円に過ぎないのです」と書いているからではないかと推測します。
しかし、郵政資金の運用は公債や財務省への預託金に限定され、郵便貯金や簡易保険はその運用益を一部上乗せして支払うものですから、資金流入が減少したからといって支払い不能になるわけではありません。
貯金の払い戻し・簡易保険の解約か保険金支払いが全口座に及んだとしても、最終的には、日銀が保有公債を買い入れるとともに政府保証のもとで特別融資を行えば利益を残したかたちで清算することができます。
(リスク資産を多く抱えている商業銀行の場合は、不良債権まで日銀に買ってもらうか国民負担の特別融資を受けなければ払い戻し不能になる可能性があります)
吉田氏は「現金・預金はたった9兆円に過ぎないのです」と問題視したような記述をしていますが、払い戻し準備として預かり金の2.6%である9兆円しか用意しなくてもいいムダのすくない資金運用を意味しているだけでなんら問題はありません。
郵政公社が財政融資資金から37兆円近くも借りていることのほうが問題です。
財政融資資金に106兆円も貸している郵政公社が貸した当の相手からわざわざ37兆円もの借り入れをしています。
借りている37兆円の利率のほうが貸している106兆円の利率より高いはずですから、郵政公社は本来なら得られる利息をわざわざ大きく減らしていることになります。
(同じ利率でも受け取り利息が支払い利息で相殺されるので減少します)
郵政公社は、財政融資資金に対して106兆円も貸さずに70兆円だけ貸したほうが受け取り利息が大きくなります。
郵政公社はこのようなかたちで政府の財政危機対策に貢献していることになります。
郵政公社はこのような金融取引で37兆円×1%=3700億円ほど政府の支払利息を軽減してあげているはずです。
これをもって、郵政公社は3700億円の「税金」を納めていると言ってもいいでしょう。
既に日銀は「国債引き受け」を行っています。
前回のレスの核心は、商業銀行や民間保険会社と違って、運用先が限定されている郵政金融事業の金融資産に“不良債権”はないということにあります。
(財政投融資資金の特殊法人向け貸し出しに焦げ付きがあるとしても、それは財務省理財局や政府内での問題であり、郵政公社の資産が不良化しているわけではありません。財務省の財政融資資金の一部が不良債権化していることを意味しますから、財務省は国債を発行してでも郵政公社に対する債務は履行することになります。商業銀行なら、貸し出し先が債務を履行できなくなれば担保権を行使する以外に傷を浅くする方法はありません)
日銀が引き受けるかたちにしたのは、190兆円もの公債を市場で売却すればとんでもない需給バランスの歪みが生じ、一般の貸し出しから株式市場までに激変をもたらすからです。
想定は郵便貯金と簡易保険のすべての口座保有者が解約するというものですから、そのような事態に現実的に対処するためにはそのような緊急避難措置が必要ということになります。
(郵便貯金と簡易保険のすべての口座保有者が一気に解約に走るという想定そのものがぶっとんだもので、現実にはそのようなことはまずありません)
郵政公社が払い戻した190兆円は別の金融機関(銀行・保険会社)に回るはずですから、日銀は郵政公社から買い入れた公債をそこの運用手段として売却することもできます。
日銀の一括買い入れは、そのような“転換”が国民経済全体に影響を与えることなくできるようにする媒介(クッション)機能です。
日銀の引き受けに近い国債買い入れは、この間継続的に行われています。
それは、公的債務残高が日本の金融資産を超えるレベルに達しているからです。
そのために起きるはずの国債未消化を防ぐために、銀行が保有している既発国債を買い入れ、それでお金を手にした銀行が新規発行国債を買うという循環を行っています。
日銀は毎月1.2兆円の国債買い入れを行っていますから、論理的には、年間14兆円ほどの国債を引き受けていることになります。
この他にも、ゼロ金利政策で日銀の当座預金残高を増やし、銀行が短期国債を買える条件もつくっています。
【たけ(tk)さん】
「素人考えで思いつくのは・・国債発行を抑制するモラルがなくなって、政府が国債を乱発するようになる危険がある。(土建屋政治がますます容易になる)。とか、通貨発行量が増えてインフレや通貨不安をもたらす。実質的に政府が通貨発行権を持つようになる。とか、ではなかったかと思います。」
[あっしら]
日銀(中央銀行)が国債を引き受ければいいという認識が広がれば、政治家(国会議員)や国民のあいだに国債発行を抑制するモラルがなくなることは否定しません。
しかし、政府(官僚機構)はそれが引き起こす弊害を理解しているので、緊急避難的に裏でこそこそやるだけで表立っては行いません。
財務省の官僚たちは忸怩たる思いで日銀に国債を買ってもらっていると思いますよ(笑)。
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参考記事:
<郵政民有化解散>郵貯・簡保が国債を売却すれば(抜粋) 吉田繁治
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Vol.212 :緊急号:郵政民有化解散> 8月9日
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【民営化案】
政府案の「民営化」は、国が使っている郵貯・簡保の304兆円の資金を、幾ばくか「民間」に回すということです。
民主党案の郵貯・簡保の縮小案もこの点で類似しています。
郵貯・簡保資金を、民間に回すことは、両党に共通の政策目的になっていると言っていいのです。
小泉首相も竹中郵政担当大臣も「郵貯・簡保の資金を民間に回すのが、民営化の目的である」と明言しています。
実際に、これが可能かを検討します。可能なことを検討することがなければ、政策に意味はないからです。
■5.郵貯・簡保が国債を売却すれば
▼郵貯・簡保はすでに減少傾向
郵貯・簡保はピークからは減少しています。高齢化にともなって、必然的に世帯の貯蓄率が減るので、今後も、一層減少します。
家計の貯蓄余力は、50歳を超えた高齢者の賃金の下落と60歳を超えた人の退職のため、2000年以降、年を追って小さくなっているからです。
他方、40歳代は、住宅価格下落と減らない住宅ローンで債務超過になっている世帯が多く、貯蓄増加の余力が小さい。
生命保険である簡保の、死亡保険金の支払いと満期支払いも今後、増加します。
郵貯・簡保マネーの「入り口」は、すでに小さくなっています。
大きいのは330兆円の残高だけです。ところが330兆円は、304兆円の「実質的な国債」になっています。
今と将来の郵貯・簡保に、資金の増加余力はないのです。330兆円の郵貯・簡保資金とは言っても、現金・預金はたった9兆円に過ぎないのです。
民主党が言う「民業を圧迫する巨大金融機関」にもなりようがない。304兆円の資金が、すでに国家への貸付として固定されている
からです。
資金力とは、利用できる資金の大きさです。304兆円も国家への貸付に固定していて、どこに資金力があるのか?
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7/10/10改訂

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