テロリズムそして国際テロリズムとは何か の[全文]その1です。
《「国際テロ」根絶に向けた戦いを 》
■ 9・11空爆テロ以後の世界
9・11米本土空爆テロが、世界の動向を気にかけて生活している人たちに大きな衝撃を与えたことは間違いないだろう。
とりわけ、アメリカを、自由と人権の国であり、アメリカンドリームと言われるような希望あふれる民主主義国家だと考えてきた人たちは、なぜどうしてあんなことがアメリカに対して行われただという思いとともに、テロ実行者たちに対する激しい憤りを感じたに違いない。
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テロ実行グループに関するメディア報道が先行するなかで、ブッシュ政権は、9・11空爆テロの実行犯はアルカイダと呼ばれる「国際テロ組織」であり、主犯はウサマ・ビン・ラディンだとメディアの報道を追認するかたちで断定した。
そして、9・11テロ攻撃は彼らの米国に対する宣戦布告であり、米国は、自衛権の行使としてアルカイダ及びそれをかくまうタリバン政権への軍事行動を発令するというかたちで「アフガニスタン大虐殺」軍事作戦を展開していった。
ブッシュ政権の軍事行動は、自由と民主主義そして世界の平和を破壊しようとするテロリズムに反対し、テロリスト及びテロルを根絶するための戦いであると宣言された。
ブッシュ政権は、そのようなブッシュ政権の側に付くのか、それとも、邪悪なテロリストの側に付くのかという二者択一を世界中の国家に強く迫った。
このようなブッシュ政権の有無を言わせない「アフガニスタン攻撃宣言」に対しては、それを支持(参戦)する諸国家と反対する(自制を求める)諸国家に分かれた。
さらに、諸国民のあいだでは、ブッシュ政権ないし自国政府の言動を支持する人たちとそれに反対する人たちとに分かれた。
ブッシュ政権の“アフガニスタン攻撃”に反対する人たちの判断根拠大きく分けると、
● テロを根絶するためと称した軍事報復は、さらなる報復のテロを招くだけで根本的な解決とはならない。
● 軍事行動が展開されれば、9・11空爆テロとはまったく無関係なアフガニスタン人に数多くの犠牲者が出る可能性があるだけではなく、ただでさえ飢餓的状況にあるアフガニスタン人に厖大な餓死者が出る。
● パレスチナ問題など米国政権のこれまでの外交政策上の誤りが9・11テロ攻撃の背景としてあり、そのような外交を政策を改めつつ、9・11を含む問題を外交交渉を通じて解決していかなければならない。
● 9・11空爆テロのようなことが起きるのは、世界の大金持ち225人が極貧層25億人分の所得に相当するものを稼ぐといった貧富の世界的格差に根本的な原因があり、それを是正していかない限りテロはなくならない。
● 自衛権の行使として軍事行動=戦争を主張するのなら、国連憲章など各種国際法に拠るものでなければならない。
● まず第一に、具体的な証拠があればビンラディン氏の身柄を引き渡すとブッシュ政権に呼びかけているタリバン政権と交渉すべきである。それが駄目になった場合は、国連などの国際機関を通じた交渉を粘り強く行うべきである。
● 9・11空爆テロの実行犯及び主犯の確定をまず行うべきで、犯人の身柄引き渡し交渉や報復のための軍事行動などといった対抗策はその後で考えるべきことである。
といった主張に分けられるのではないかと思う。
ここでは、それぞれの主張の是非を問うことが目的ではないので列挙にとどめる。
■ テロリズムそして国際テロリズムとは何か
9・11米本土空爆テロ以降、テロリズムやテロリストは、“とんでもない悪”であるという意識だけが広く浸透しているように見える。
今では、テロリストであるという烙印を押されたら、どういう手段を使われて殺されても、拘束されてどのような処遇を受けようともやむを得ないことだと思われる対象になってしまったと言えるくらいである。
U.N.の会議でもEUの会議でも英国の議会でも何がテロかという問題が最大の論議を呼んでおり、正当な戦争行為・刑事犯的暴力行為・“カルト”的宗教活動までが「テロ活動」であり、「反テロ活動」の対象となりかねない状況にある。
このような、ある言葉にあるイメージが貼り付けられてしまった状況から一歩下がって、テロリズムやテロリストという概念をきちんと定義する必要があると思う。
『テロリズムとは、暴力機構を保有する組織が、国際法や国内法などの法的根拠がないまま保有する暴力機構を行使し反対勢力を抑え込もうとする考え方や行動様式で、反対勢力がその暴力に恐怖し怯える情況を醸成し、敵対的行動を差し控えざるを得なくなる状況をつくり出すことを目的にしたものだと考えている。
この意味で、テロリズムは、極めて政治的な概念である。
テロリズムを行使する主体が国家であれば、その対象は、非武装か武装かを問わず、市民や国家をも含む組織となる。
テロリズムを行使する主体が個人や非国家的組織であれば、その対象は、国家統治者(国家権力装置)や一般市民などとなる。国家統治者(国家権力装置)が対象となる場合は、要人や暴力機構従事者の暗殺という形態をとることが多く、一般市民を殺戮する目的も、統治者に政策変更を迫る手段として位置づけられる。
革命運動や独立運動とテロリズムとの違いは、テロリズムがそれらの運動のなかで一つの手段として位置づけられることはあっても、それらの運動主体はテロリズムそのものが目的ではなく、目的があくまでも正当な統治権力の樹立に置かれていることである。
国家が主体となるテロリズムは、政権への支持がそれほど得られない状況や反対勢力が暴力的に対抗してくるといった状況で行使されることが多い。
非国家が主体のテロリズムは、“敵”との関係で相対的に非力(弱さ)であることの反映であり、自己の存在と政治的主張を認知させるための政治的プロパガンダとして行使されることが多い。
「国際テロリズム」は、このような意味を持つテロリズムが、一国家の枠内を超えて外国領土内で発現したり外国統治者など外国人を対象として実現されるものだと考える。
このようなテロリズムを計画したり、指揮命令したり、実行したりする人たちが、テロリストである。』
歴史的に見れば、教科書レベルでも扱われる「清教徒革命」・「フランス革命」・「アメリカ独立革命(戦争)」・「勅命を得るまでの明治維新」・「ロシア革命」・「中国の諸革命」も、それを担った勢力は、テロリズムを戦術として多用したのである。
その意味では、ジョージ・ワシントンも、ロベス・ピエールも、レーニンも、薩長なども、テロリストである。
(イスラエルを建国した政治的シオニストのテロリズムは、教科書の範囲外なので無視)
ブッシュ政権がでっち上げの“9・11航空機自爆テロ”をよりどころに、世界に対して「反テロ戦争」を公言し、国際法及びアメリカ合衆国憲法にも基づかないアフガニスタン攻撃を行っていることこそ、国際テロリズムなのである。
そして、ブッシュ大統領をはじめとする政権担当者や米国連邦軍は、国際テロリストなのである。
さらに、日本をはじめブッシュ政権のテロリズムを支持している諸国家は、「テロリスト支援国家」である。
これらの主張には、善悪の判断を含めていない。それをよしとするか悪いと見るかは、個々人の問題である。
ブッシュ政権の「反テロ宣言」の尻馬にのっかって、シャロン政権・プーチン政権・江沢民政権・バジパイ政権などの国家が、国際テロリズムや国内テロリズムを推進しているのが世界の現状だと考える。
また、12・22不審戦撃沈事件も、日本が行った国際法に基づかない国際テロリズムである。
もちろん、アルスターでの「アイルランド共和国軍(IRA)」・「バスク祖国と自由(ETA)」・「チェチェン独立勢力」・「シンチアンウイグル自治区独立勢力」・「パレスチナ組織」なども、テロリズムを戦術として行使している。
「フランス革命」や「アメリカ独立革命」を歴史の偉大なる発展だと考えている人は、テロリズムが、そのような歴史の発展に大いなる役割を果たしたことを認めざるを得ないのである。
革命という大きな歴史的転換点では、多かれ少なかれ、テロリズムが行使されたのである。
このようなことから、ブッシュ政権が叫んでいる「テロは世界平和を脅かす極悪な行為」や「反テロ戦争は自由と文明を守る正義の戦い」、「テロリストであればあのような処遇を受けて当たり前(アルカイダやタリバンの拘束者に対する処遇)」といった言説を安直に受け入れることは、自らを思考停止状態に置いてしまうことになると言いたい。
9・11空爆テロへのブッシュ政権の対応と波及効果につづきます。
7/10/2

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