「韓国大宇 日本畑地総面積の6割以上の食料生産農地をマダガスカルに確保」
農業問題
フィナンシャル・タイムズ紙によると、韓国大宇ロジスティックスがマダガスカルで130万f[日本の08年畑地総面積の61%―農業情報研究所]もの食料作物栽培用地を確保する。
ベルギーの国土の半分、マダガスカルの耕地の半分に相当する面積の農用地の99年間賃借契約をマダガスカル政府と結んだ。
南アフリカの労働者を使い、今後15年かけて耕地を開発、トウモロコシとパームオイルを生産する。
生産されたトウモロコシとパームオイルは韓国に輸出する計画だ。
韓国のトウモロコシ輸入量[FAOSTATによると、05年の輸入量は日本の1,660万トンに次ぐ世界第二位の853万トン―農業情報研究所]の半分をこれで賄うという。
コンサルタント会社・Bidwells Agribusinessのカール・アトキンス氏は、大宇ロジスティックスのマダガスカル投資は過去最大規模のものだ、「世界の国々が食料安全保障を求めているから驚きはしないが、この規模には驚かされる」と言う。
Land leased to secure crops for South Korea,FT.com,11.18
FAOが恐れる食料”新植民地主義”が一気に加速しはじめた。
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韓国大宇 日本畑地総面積の6割以上の食料生産農地をマダガスカルに確保農業情報研究所(WAPIC)08.11.19
それとともに、食料輸出国のみならず、金持ち食料輸入国の商社やアグリビジネスの農産物輸入関税引き下げ・市場開放要求も強まることになるのだろう
(李明博大統領が自由化に熱心なのもそのためか?⇒韓国ソウル地裁 貿易自由化抗議農民の死は政府の責任)。日本商社もこの動きと無縁ではない(例えば、三井物産:ブラジル農業生産事業への出資)。
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昨日、フィナンシャル・タイムズのウェブ版により、韓国大字が巨大規模の食料生産のためにマダガスカルに進出すると伝えたが(韓国大宇 日本畑地総面積の6割以上の食料生産農地をマダガスカルに確保)、本日(20日)付けの同紙プリント版がこの問題に一面を割いて一層詳細な情報とを伝えるととも、社説でも、このケースは”明らかにネオ・コロニアル(新植民地主義的)に見える”と警告している。
プリント版が明らかする事実は次のとおりだ。
第一に、大字は130万fもの農地を無償で借りる。大字とマダガスカル政府が今年5 月に交わした了解事項メモランダムでは、大字は130万fの農地を無償で耕作できるとされていた。
7月に契約に調印したときには、マダガスカルと費用を論議することに合意した。
しかし、大字は現在、一銭も払う必要はないと信じているという。
大字のマネージャーは、借用地は「手つかずのままになっていた完全に未開発の土地だ。
そして、我々は、それを耕すことで彼らに仕事を提供する。これはマダガスカルの利益になる」と言う。
130万fは、マダガスカルの全耕地:250万fの半分以上にもなるが、それでも、マダガスカルは道路、灌漑、穀物貯蔵施設への大字の投資から利益を得ることができる、という。
大字は、来年2000fにトウモロコシを栽培、漸次これを拡大する。
最終的にはマダガスカル西部の100万fでトウモロコシを栽培、東部の30万fでオイルパーム(油椰子)の樹を植える。
生産物は韓国に輸出、余剰が出れば他の国にも売る。
マダガスカルは、国連食糧計画(WFP)が60万人(全人口の3.5%)に援助食糧を提供する貧困国で、国民の70%が貧困ライン以下で生活、3歳以下の子供の半分は慢性的栄養不足で成長が遅れている。
しかし、大字が生産する食料がどれだけマダガスカルに残るかは明らかでない。
Daewoo to pay nothing for vast land aquisition,Financial Times,08.11.20,p.3
Daewoo to cultivate Madagascar land for free,FT.com,11.19
このような金持ち国の外国農地への投資への支持は少ない。
中東産油国に始まった外国農地への投資熱の高まりに、国連食糧農業機関(FAO)は、既に新植民地システムを作り出す危険があると警告している
(FAO事務局長が食料”新植民地主義”に警告,08.8.25)。
FAOの懸念は、投資者が海外の肥料、種子、専門的労働、トラクタに頼り、ホスト国の土地と水だけを利用することにある。
ニューヨーク大学国際協力センターの開発専門家であるアレックス・エバンズ氏は、このような投資は、「投資家だけでなく、ホスト国に明確な利益をもたらす」必要があると言う。
FAOのデビッド・ハラム貿易局長は、”農地投資は、雇用創出だけでなく、資材の地方での調達の多面的影響を通しての技術移転、食糧安全保障、所得成長によってもホスト国に利益をもたらす必要がある”、”スピルオーバー効果を制限し、環境に悪影響を与えさえする不適切な農業モデルが導入される恐れもある”と言う。
FAOは、どうしたら農地投資が投資者とホスト国の両方に利益をもたらすことができるか、年末前に勧告を出す計画ということだ。
Supoport cools for rich countries' investment,Financial Times,Financial Times,08.11.20,p.3
Welcome fades for wealthy nations,FT.com,11.19
社説は、農業技術とインフラへの外国投資による生産性向上の利益を分け合うことなく、大字は、雇用創出の約束だけで広大な土地を取得しようとしているように見える、と厳しい。
問題の土地はマダガスカルの国有地かもしれないが、何世代にもわたりそこで働いてきた小規模農民が生計の手段を失うだろう。
その上、大部分の土地は、現在は森林だ。気候変動と闘いで価値の高い資源が破壊されるという。
Food security deal shoud not stand,Financial Times,08.11.20,p.8
Editorial Comment: Food security deal should not stand,FT.com,11.19
これは要するに、多少の仕事を作り出すのと引き換えに、恐らくは森林(またはサバンナ、遊牧草地)が大部分をしめる広大な未開地をただで取得し、これに依存する多くの地方民を追い出し、この島にしかいない希少種を含む多くの野生動物を絶滅に追いやる、食料安全保障を口実にボロ儲けを企むビッグ・ビジネスによる蛮行と言わずして何であろうか。

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