「為替と採算:「構造改革」は圧倒的少数派の国民を豊かにする政策 2」
世界経済を認識する基礎
「構造改革」は圧倒的少数派の国民を豊かにする政策 1から続きます。
>つまり供給<力>過剰とは「経済活動を行う主体が市場からコストを上回るマネーを手に入れられない。だから銀行からの借金(不良債券)や公的な補助金ばかりが増えて行く。そしてそうした企業が労働者に支払う給与の多くは国内製品への需要増ではなく主に海外製品の輸入増に使われ、しかもその赤字のツケは国民の借金に転嫁され、将来不安(増税、年金破綻、インフレ不安)の増大をもたらしている」という現状のことです。
将来不安に失業を加えれば、このような状況をいかにして解消するかが、「デフレ不況」対策です。
>ただ現在の「デフレ不況」の原因と対策は、本当に黒字企業の給与(労働分配率)の低さが主因でその改善だけで十分でありバブル後の国内企業の生産性低下は本当に無視できるマイナーな効果なのか疑問はあります。
大丈夫です。
商業資本は淘汰もヤムナシですが、産業資本は、自分が生み出すものであっても、財の供給量が同じで需要が拡大すれば、甦ります。
黒字企業の給与水準が、「デフレ不況」の原因とは言いませんが、現状においてかつ中長期的にGDPを拡大させる手法は、黒字企業の給与水準を上げていくことしかありません。
(再投資しないカネを大量に持ち続けている限り、「デフレ不況」を脱することはできません)
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>例えば 経済産業研の高橋洋一氏の「
物価連動国債と政府通貨の発行」については、どう思われますか?
政府通貨は有効な政策ですが、禁じ手だと考えていますので避けています。
物価連動国債であれ、日銀の国債買い取りを含む金融政策では現在の「デフレ不況」は解消できません。
通貨が不足しているのではなく、資本化される通貨が不足しているからです。
高橋氏が言っているわけではありませんが、赤字財政支出を年率5%ずつ拡大していく政策でも、みんなが怯えなければ「デフレ不況」を解消することができると思いますが、そのような政策は採られないでしょう。
(支出の拡大ではなく、赤字拡大分と年率3%の公共事業費を削減したものを合わせて“減税”に回すほうが効果的だと考えています。減税による歳入減少を補うというかたちです)
政府通貨の発行がみんなが怯えない財政支出の拡大策として使われるのであれば、反対はしませんが、好ましいものとは評価しません。
#為替と採算
>>あっしら:貿易収支の赤字であり、国際競争力を大きく劣化させる円安です。
>たにんさん:円安によって輸入品の価格は上昇し、国内市場においても国際市場においても、生き残った国内産業の利益(国際競争力)が上昇しませんか?
>>あっしら:供給活動の減少により総所得が減った状況では、輸入品の価格も思うように上昇しないでしょう。
(米国のドル安・物価変動・給与水準変動の関係を見ればわかります)
>>あっしら:現在のようなデフレ不況下で円安になれば、まずは、輸入メーカーや輸入業者そして国内販売業者の利益を圧縮することになります。そして、利益減を補うために、海外製造拠点の生産性を上げるか、より安いところから輸入するようにするかということになります。
>>あっしら:物価が上がるということは、輸入財も就業者の給与も上がるということですから、国内産業の利益(国際競争力)も上昇しません。
たにんさん:
>勿論、それは円高でも同じことで、規制が全く無く、在庫の影響が無視できれば、為替変動の影響はありません。
>しかし在庫があり、賃金の切り下げや輸入財の価格変動が即座に生じない状況では、円安によって、利益は増大し、円高で利益が減少します。
>規制が強く、経済構造が硬直化している現状では為替変動の影響は大きいでしょう。
>結局、円高では黒字企業の減少と空洞化が進むことになります。
円高条件を現実の円高にしないというのが私の主張です。
円高条件である国際競争力を上昇させながら、緩やかなインフレのなかで実質賃金の上昇を実現することが、管理通貨制において、円高を現実化させず、国民生活も豊かになる唯一の経済金融政策です。
まず、国内生産した財を輸出することは“丸儲け”の経済行為です。
どう頑張っても供給=需要である需給構造を、供給<需要に転換してくれるのが輸出なのです。
輸入財を除いて供給活動に携わった人や物に支払われた通貨に対して、供給成果である財が輸出でなくなって少なくなるのですから、供給<需要というインフレ条件が生まれます。
次に、現代の輸出企業は過剰な在庫を持っていませんから、在庫で得られる利益の減少は一時的なものです。輸入財もすぐに下がらなくとも、まもなく下がり始めます。
円安により利益は一時的なものです。輸入財の価格上昇がそれを帳消しにします。
輸入財の価格上昇で生活費も上がるので、給与も上げざるを得ません。
71年以降円高傾向が続いた日本経済が経済成長を続け、逆にドル安傾向が続いた米国経済が経済低迷を続けた歴史を考えるべきです。
ほぼすべての通貨に対して高くなった日本経済のみが、先進国のなかで唯一10兆円を超える経常収支黒字を維持しているのです。
93年から95年にかけての一時80円割れという円高状況でも、貿易収支は黒字で、輸出企業は利益を計上したのです。
日本から輸入するしかないものが多ければ輸出は続き、丸儲けであるが故に、利益も計上できます。
供給力及び供給を減少させた結果生じる円安は、国際競争力の喪失を意味し、利益を増大させるどころか利益が計上できなくなるものです。
国際競争力を維持しつつ円高を抑える方法は、生産性の上昇に限りなく近いペースで給与を上げていくことしかありません。
貿易収支赤字になることで、日本経済は本当の地獄に陥ります。
もちろん、そのときは大幅な円安になっています。そのときには、現在と同じ経済価値観を持っているはずですから、国際競争力を回復することもできないでしょう。
>構造改革で非採算企業が消え、Safety-netによる<ある程度=海外へのマネー逃避を上回る>需要の下支えがあれば、残った潜在的優良企業は当然、利益が増加するでしょう。
>その条件では採算も取れずに銀行からの融資で、生産を続ける企業が存在すれば、収益改善の妨げになり、しかも将来不安の増大につながります。
セーフティネットで、供給減少を上回る需要の下支えを行うためには、赤字財政支出を拡大するか、増税を行うしかありません。(みんながその道を選択して社会崩壊に結びつくことは別として...)
たにんさんの論から言えば、赤字財政支出の拡大は、期待合理性からさらなる「デフレ不況」になるのではないでしょうか?
増税も、とっても需要が減少しないところからとらなければならないので、優良企業が手元に残せる利益は減少するはずです。
この二つ以外で、非採算企業を消し、需要の下支えを行い、潜在的優良企業の利益を増加させる手法をお示しください。
「構造改革」は圧倒的少数派の国民を豊かにする政策 3に続きます。

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