経験は最良の教師だ。ただし授業料が高すぎる(カーライル)
経済人なら小泉構造改革では日本経済は再生しないことに気がつかないはずはない。
この2年間に日本経済が経験したことは、失業増、倒産増、犯罪増、株価下落、金融危機の深刻化など悪いことばかり。
これでも小泉改革で経済再生ができると思っているとしたら、よほど鈍感か大儲けしている人だけだろう。
小泉政権誕生から2年経った。もうそろそろ小泉構造改革の幻想から目を醒まさなければならない。
人間は従順な動物である。どんなことにも馴れてしまう存在である(ドストエフスキー)
始末におえないのが「小泉首相に代わる政治家がいない」という固定観念だ。
テレビで朝から晩まで繰り返される「代わる人がいない」は大多数の国民の固定観念になってしまっている。
しかし、これは大きな錯覚だ。政界に小泉氏に代わる政治家がいないわけではない。
今の政界、いくら人材難とはいえ、代わりはいる。
だがマスコミがこのことを認めない。
国民の「代わる人がいない」という過った固定観念によって小泉政治は結果的に守られている。
「すべての政治家が小泉氏よりも劣る」と見られていることに腹を立てない政治家もどうかしている。
この状況を打破できるのは政治家だけである。
小泉首相に代わり得る政治家がいることを政治家自身が証明すべきだ。
脱皮できない蛇は滅びる(ニーチェ)
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森田実氏:2003.5.1 幻想から目を醒ませ――小泉政治2年投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 01 日
経済成長がなければ失業は減らない。
景気が回復しなければ産業再生も企業再生もない。政府が景気対策を実施し、成長政策を実行することなしに日本経済の再生はあり得ない。
これは分かり切ったことだ。
今、打破し脱皮すべきものは小泉構造改革そのものである。
自公保連立与党の国会議員の八割が景気回復策の必要性を認めながら、小泉政治を変えることができないのは、勇気がないからである。
その上、反小泉勢力が足の引っ張り合いばかりをしている。
景気回復派が大同団結して、小泉政権打倒の戦いに決起すべきである。
野党も目を覚まさなければいけない。
小泉政治を止めなければ日本は本当に危ない。
【以上は4月30日に配信された『コメントライナー』(時事通信社)に掲載された私の小論です】
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0558.HTML
森田実氏:2003.4.27 小泉政治の2年投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 01 日
2年前の4月26日、小泉政権は発足した。
小泉氏が自民党総裁選で叫んだ「日本を変える、自民党を変える、構造改革なくして景気回復なし」は国民から強い支持を得た。
小泉氏はこのスローガンを繰り返し絶叫することによって自民党総裁選に勝利した。
大多数の国民は、小泉氏に、構造改革によって景気を回復させることを期待した。
小泉氏が首相になれば自民党政治を変革し、それによって日本を再生させることができると信じた。
小泉氏は抜群の演技力によって、このことを多くの国民に信じさせることに成功した。
首相に就任した小泉氏は初期のスローガンを「構造改革なくして成長なし」と一部修正し、「景気回復」を「成長」と言い換えて、巧みに「景気回復」という言葉を消した。
景気回復ができなくても首相としての責任を問われない布石を打ったのだった。
あれから2年が経った。
日本は変わったか。たしかに変わったが、良い方向へではない。
不況は一層深刻化し、経済は縮小した。
国際社会の中での日本の存在感は希薄になった。
自民党は変わったか。
変わっていない。
スキャンダル体質は相変わらずだ。
中央官僚依存体質も変わらない。
逆に強まった。
景気は回復したか。
回復していない。
それどころかさらに悪化している。
景気の重要な指標である平均株価は2年でほぼ2分の1まで下落した。
失われた国民の資産は150兆円に及ぶ。
失業率は増大。犯罪は急増した。
小泉首相は最初の所信表明演説において、「聖域なき構造改革」の第一位に不良債権処理を位置づけたが、2年経って不良債権は減るどころか増えつづけている。
第二の財政健全化の公約も果たされていない。
「国債発行30兆円枠」を守ることはできなかった。
財政を引き締め過ぎた結果、景気の一層の後退を招き、税収は予定より減り、結果的に財政はさらに悪化した。
第三の公約である特殊法人改革も大騒ぎしたに過ぎない。
一部に手を着けただけで、見るべき成果はない。
小泉政治の2年間を総括すれば、国民生活にとってプラスの成果というべきものはほとんどない。
目立つのは負の成果ばかりだ。
景気はさらに悪化、金融危機は深刻化し、失業者は増えた。
倒産件数は急増。
日本経済崩壊の流れが止まる気配はない。
しかし、奇妙なことに小泉内閣の支持率は下がらない。
高い支持率が小泉政権を支えている。
経済状況を悪化させている小泉内閣が依然として高い支持率を得ているのは、海外からは大きな謎に見えるようである。
この高支持率の底には皮肉なことに国民の根深い政治不信がある。
多くの国民はすべての政治家に対して真面目な期待感を持つことができなくなっている。
誰が首相になっても政治は変わらない、小泉首相の方がまだましだ、と思っている。
国民の政治への深刻な絶望感が結果的に小泉首相を助けている。
小泉政権には三つの支持基盤がある。
一つは米ブッシュ政権、二つは中央省庁、三つは中央のテレビ局。
このうちとくに大きいのはブッシュ政権の支持だ。
小泉首相はブッシュ大統領の忠実なサーバントになることによって政権の延命をはかっている。
もう一つある。
小泉政権の政策に対する国民の錯覚である。
多くの国民は「景気がよくならなくても産業・企業の再生は可能だ」との小泉政権の宣伝を信じている。
これは大いなる錯覚である。
だが、錯覚はやがて崩れる。
経済状況がさらに悪化したとき、国民は「景気回復なくして日本の再生なし」が唯一の正しい道であることに気づくだろう。
そのとき国民は軽薄な小泉構造改革への錯覚から目を覚まし、政府に景気回復を求め、景気回復に背を向けつづける小泉政権を見離す方向に動く。
その時期はこの夏頃だろう。
9月の自民党総裁選に向けて「小泉降ろし」が始まる。
小泉首相が生き残る道は景気回復への政策転換を受け入れることしかない。
【以上は4月26日付け四国新聞に「森田実の政局観測」として掲載された小論です】
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0557.HTML

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