「インナー・サークルと地政学:軍産インナー・サークル」
憲法・軍備・安全保障
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インナー・サークル
ビッグ・リンカー達の宴
● インナー・サークルと地政学
複雑な国際情勢を読み解くにはさまざまな視点が必要である。
(略)
例えば米国の歴代政権有力者の顔ぶれを振り返るといずれの人物も大企業と繋がりがあることに気づくだろう。
その関係を深く調べていくと網の目のように広がる役員兼任制度の存在が浮かびあがり、米国株式会社の源がここに存在することがわかる。
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軍産インナー・サークル投稿者 エンセン 日時 2004 年 5 月 05 日
近年日本でも大企業を中心にコーポレート・ガバナンス(企業統治)の担い手として社外取締役の起用が注目を集めているが、米・欧の企業では取締役会や監査委員会や国際諮問委員会(インターナショナル・アドバイザリー・ボード)を通じた役員兼任制度が古くから一般的となっており、1914年には、ルイス・ブランダイス米連邦最高裁判所裁判官が網の目のように広がる役員兼任制度を「エンドレス・チェーン」と呼んだ。
特に米国ではこの「エンドレス・チェーン」が大学やシンクタンクや財団の理事会・評議委員会にまで及び、その中から選び抜かれた一握りのエリート達が政府と民間との間を頻繁に出入りするリボルビング・ドア(回転ドア)が定着している。
世界的な社会科学者(社会学者、経済学者)であるマイケル・ユシームは、1984年に発表した邦題『インナー・サークル 世界を動かす陰のエリート群像』で、大企業を中心とする産業集中と役員兼任制度を社会的基盤とする階級原理の登場によって、所属する特定の企業のみならず実業界全体の利害を代弁し、政治的なリーダーシップを発揮するインナー・サークルの存在を明らかにしている。
(略)
このユシームの著作では、守秘義務の問題から「インナー・サークル」を構成するメンバーの氏名は一切公表されていないが、「インナー・サークル」になるためのステップを次のようにまとめている。
1 社内での昇進 大企業の上級経営幹部に昇進する。
2 外部取締役就任 いくつかの大企業の取締役会に外部取締役として名を連ね、さまざまな業種の経営問題に関与しグローバルな観点を身につける。またそのことで社外的にも一定の評価を獲得する。
3 最高経営幹部昇進 大企業の最高経営責任者(CEO)かそれに次ぐ地位に昇進する。
4 経済団体の指導部 ビジネス・ラウンドテーブルやビジネス・カウンシルなどの主要経済団体(日本では経団連や経済同友会に相当)に参画する。また慈善団体や大学やシンクタンクなどの理事会にも参加する。
5 政府活動 政府機関の諮問委員会のメンバーになることで経済政策に関与する政府高官と親密な関係を築く。 (実際には、政府や大学、シンクタンクの昇進からスタートするケースも多く見られる点を補足しておきたい)
クリントン民主党政権はウォール街を代表する投資銀行ゴールドマン・サックス出身のロバート・ルービンを財務長官に起用し、「ウォール街・財務省複合体」と呼ばれたが、2001年に誕生した現在のブッシュ政権も共和党エスタブリッシュメント勢力内のインナー・サークルもしくはそれに近い人物を主要ポストに多数起用している。
一例としてあげた次の主要閣僚の経歴を見ればわかるとおり、金融、石油などのエネルギー、ゼネコン、エンジニアリング、メディア、情報通信、金属、製薬そしてアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)やランド研究所につながる国防企業などの利害を代弁するエリート達が集っている。
○ リチャード(ディック)・チェイニー副大統領
ハリバートン(石油関連)会長兼最高経営責任者(CEO)、ユニオン・パシフィック(鉄道)、P&G(日用品)、EDS(情報技術サービス)各取締役、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)上級研究員、アスペン研究所理事
○ ドナルド・ラムズフェルド国防長官
ギリアド・サイエンス(製薬)取締役会長、ゼネラル・インスツルメント・コーポレーション(放送技術)会長兼最高経営責任者(CEO)、ABB(エンジニアリング)、アミリン製薬各取締役、ソロモン・スミス・バーニー・インターナショナル(金融)国際諮問委員会委員長、インベスター(金融)アドバイザー、ジェラルド・R・フォード財団、アイゼンハワー交流奨学基金、スタンフォード大学フーバー研究所、国立公園財団、ランド研究所各理事
○ コリン・パウエル国務長官
統合参謀本部議長、国家安全保障問題担当補佐官、アメリカ・オンライン(メディア 現AOL・タイム・ワーナー)取締役、べクテル・グループ(エンジニアリング)顧問
○ コンドリーザ・ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官
スタンフォード大学教授、シェブロン(石油 現シェブロン・テキサコ)、チャールズ・シュワブ(金融)各取締役、J・Pモルガン(金融 現JPモルガン・チェース)国際諮問委員会メンバー、カーネギー国際平和財団、ランド研究所各役員
○ ポール・オニール前財務長官
アルコア(アルミ)会長兼最高経営責任者(CEO)、インターナショナル・ペーパー(製紙)社長、ルーセント・テクノロジー(通信)取締役、ビジネス・ラウンドテーブル、ビジネス・カウンシル、カンファレンス・ボード各メンバー、アメリカン・エンタプライズ研究所(AEI)、国際経済研究所(IIE)、ランド研究所各役員
○ ジョン・スノー財務長官
CSX(鉄道)会長兼最高経営責任者(CEO)、カーマックス(中古車量販)、USスチール(鉄鋼)、ジョンソン・アンド・ジョンソン(製薬)、ベライゾン・コミュニケーションズ(通信)、サピエント(ネットコンサル)各取締役、ビジネス・ラウンドテーブル会長、ビジネス・カウンシルメンバー、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)客員研究員、ジョンズ・ホプキンス大学役員
(略)
最新アメリカの政治地図 講談社現代新書
園田 義明 (著)
価格: ¥756 (税込)
新書 - 254p (2004/04/21)
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目次
第1章 再選目指すブッシュ陣営と選挙参謀カール・ローブ
第2章 ネオコンとキリスト教右派
第3章 共和党エスタブリッシュメントと軍産インナー・サークル
第4章 イラク戦争の真相(1)米国を揺さぶるユーラシア勢力
第5章 イラク戦争の真相(2)米・欧衝突か?協調か?
第6章 翻弄される日本
第7章 トヨタに見る21世紀の歩き方
終章 米国時代の終わりの始まり
共和党エスタブリッシュメントと軍産インナー・サークル へ続きます。

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