「オーストリア首相、為替取引税(CTT)を導入を提唱」
グローバリズム
国際金融資本の破壊的な活動を抑止するために通貨取引税(CTT)の導入がトービンにより提唱され、
国際通貨取引税(CTT)条約草案が作られている。
目的は以下の3点である。
@為替市場と国際的な短期資本移動を抑制する。そのことによってこの税は金融市場を安定化させ、国家の経済政策上の自立性を強化する。
A予防や補償のメカニズムのための、さらには、より一般的にグローバルな公共福利のための世界基金を創出する。
B国際金融市場と、それによって解き放たれ、強化された社会的諸力に対する一定の民主的規制を可能にする。
最近、EU内で導入への動きが有ったので、PARC北沢洋子氏の記事を紹介する。
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「オーストリア首相、CTT導入を支持」(06年1月20日)
1月19日付けの『ファイナンシャルタイムズ』紙によると、今年前半EU議長を務めるオーストリアのウォルフガング・シュッセル首相が、「為替取引税(CTT)を導入して、EU予算に繰り入れることを提唱した」と報じている。
英国のStamp Out PovertyキャンペーンのDavid Hillmanは、「この税の目的については同意しないが、ヨーロッパの国家元首のレベルでは、このシュッセル首相の声明はCTTを重要な政策の選択肢としている限り、支持する」と述べた。
1月18日、オーストリアのシュッセル首相は、同国が議長国となったEU議会で、「金融界はEU財政に新税を払わねばならない」とスピーチした。 これは、今後EUが短期の金融投機に対してEU税を課税するというものである。この税に関しては、金融市場、とくにロンドンのシティでは反対が強い。
シュッセル首相の意図は、昨年、EU内で起こった紛争、すなわち、今後8年間で8,620億ユーロにのぼるEU予算を、どの国がいくら負担するかをめぐって起こったような紛争を避けることにあった。またシュッセル首相は、08年に期限が切れるEU予算を前にして、EUが国際航空、国際海運などにも課税することを検討するよう呼びかけた。
EU税についてはドイツのメルケル首相が賛成している。しかし、加盟25カ国のすべてが賛成しなければならない。
しかし、英国のブラウン蔵相は「英国政府はEU税の導入に反対してきた」と述べた。シュッセル首相は、半年間の議長国としてのスケジュールを決めるのに際して、「短期の金融投機が課税対象にしてはいけないとは考えられないことである。また航空機や船での」旅行が課税されないのはおかしい」と述べている。この場合、首相が短期の金融投機をどのように規定しているのか、これを「トビン税」と同じものとしてとらえているのかは不明である。たしかにシュッセル首相のいう税金は、ヨーロッパ最大の金融市場、最大の空港、海港を抱える英国に、その負担が偏重する。
英国の国立経済社会調査研究所のMartin Weale所長はこの考えを支持するエコノミストはいないだろう。多くの人は「短期投機はやむをえない」と考えている。そして「ヨーロッパで短期投機に課税すると、米国に移っていくだろう」と述べている。
EU予算は、75%が各国からの拠出に依存しており、残りの25%は関税や付加価値税などの収入である。また、シュッセル首相の提案は、その前の英国首相のネオ・リベラルからのシフトである、と取られている。シュッセル首相はさらに、労組や企業などを社会パートナーとして、サービス部門の市場開放の動きを止め、賃金や労働安全基準の引下げなど社会的ダンピングを許さない、と語った。

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