うーん、冷静に考えると、槌田先生の文章、間違っているところが多いと思いますよ。
世界的に穀物生産が過剰になったのは、自由貿易のためではなく、先進国が農業を保護しているためだと思いますよ。先進国が農業の保護を減らせば、穀物生産の過剰は減り、農産物価格は上昇するはずです(実際にそうなっています)。
途上国の農民は、先進国が農業の保護を減らして、自由貿易を進めれば、農産物価格は上昇し、先進国への輸出もできるようになって、利益を得るはずです(だから、農業国である途上国は、先進国の農業保護政策に反対しています)。
例えば、日本の米の輸入を自由化すれば、途上国の農民、農業に大きな利益をもたらすはずです。もちろん、日本の農家にとっては大きな打撃になりますが。
また、農業国と漁業国の貿易の例も誤解を招くような設定になっています。農業国では、穀物より干物の方が価値が2倍で、漁業国では干物より穀物の価値が2倍です。したがって、漁業国の穀物一升は、農業国の穀物一升より四倍の価値があります。
つまり、農業国の商人、漁業国の商人がそれぞれ穀物一升を持っていたとしたら、漁業国の商人の方が4倍の富を持っていることになります。別に、農業国から漁業国が富を収奪したのではなく、もともと漁業国の商人の方が4倍豊かだったということです。
この例を適切なものにするには、農業国の商人は穀物一升、漁業国の商人は干物一束からスタートすべきです。この状態から始めれば、自由貿易で富の収奪が起こるわけではないということが理解できると思います。また、自由貿易が行われれば、農業国と漁業国のいずれでも、穀物一升と干物一束の価値が等しくなるはずです。
また、槌田先生は、商業によって日本の山林が再生したと書いています。その考え方を広げれば、自由貿易によって世界の環境が改善する、ということになるはずですけどねぇ。
(私自身は、自由貿易が環境に必ずしもプラスだとは思っていませんし、また、日本の山林の再生の理由を近世の商業の発展に求めるのが本当か疑問です。日本の山林が再生したのはエネルギー源が木材から化石燃料に転換したためだと思っておりますが)
まあ、こんなことを書いても、細部の揚げ足取りだと思われてしまうのでしょうが………
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