>『デフレはすでに世界的な傾向になりつつある』とすれば、自国産業保護のために、ユーロ圏内やドル圏内はそれぞれブロック化しようとする動きが加速しないでしょうか?また、輸出と輸入を1対1とする相対的貿易へ傾く可能性はないでしょうか?
ユーロ圏や南北アメリカ圏は既にブロック化が進んでいます。
アジア圏がブロック化という点では大きく遅れをとっています。
(リーダーシップをとる国家がないということや個々の国家が単独で米国につながっているといることが基本的要因だと思っています)
「世界同時不況」が進行するなかで、保護主義(ブロック外の諸国やブロックが交易を阻害されていると感じること)が高まると予測しています。
ドルの国際基軸通貨性が維持されている限り、米国以外の国は、供給=需要の原理に沿った政策をとらなければ国民経済を維持できずに政治的“反乱”に見舞われることになります。(域内の需要は域内で供給するように変えていくというのが何よりの不況対策です)
しかし、戦前の帝国主義的ブロックと異なり、現在のブロックは世界レベルでの分業を前提にしたものですから、閉鎖的なブロックにはならないと考えています。
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貿易収支赤字の日本投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 23 日
国家ないしブロックの特性的な財が交易の主流となり、一般的な財は国家ないしブロックの内で生産されるという方向に進むと思っています。
逆の見方をすると、特性的な財を生産する他の国家やブロックも、それを輸出するために、一般的な財であっても域内生産にこだわらずに輸入するとも言えます。
ブロックを超えた一般的な財の輸出は抑えられるため、一般的な財を生産している企業は、生産拠点を需要地域内に移転することになると思います。
これは、無自覚なかたちで供給=需要の原理に沿った国民経済防衛策です。
「輸出と輸入を1対1とする相対的貿易へ傾く可能性」:輸出と輸入を1対1とする貿易は、米国以外の国はそれに近いかたちに強いられています。しかし、相対的なかたちではなく、多角的な貿易の結果として、輸出と輸入を1対1にするものです。
※ 参照書き込み
『簡単な見通し』
『Re: “画餅”であり“社会破壊”のアイデアです。』
『『EU+「地中海沿岸諸国」』の自由貿易圏創設に向け会議開催/イスラエル&パレスチナも参加 [スペインTVEニュース]』
『【世界経済のゆくえ】 「定常状態」あるいは「歴史段階的動態均衡」という経済状況』
>日本が貿易赤字に転落したとします。そうなった時に日本に起こる変化をどのように予測されますか?
>日本が不得手な金融や投資利息.特許料などでなんとか経常黒字が維持できるでようにも思えないので、貿易赤字が続くと、いつかは経常収支も赤字転落するように思えるのですが。
日本は貿易収支(サービスを含む)が赤字に転落しても、所得収支は5兆円を超える黒字を計上するはずなので、通常であれば経常収支レベルの黒字は維持できます。
経常収支が黒字を維持できるかどうかは、偏に米国の動向にかかっていると思っています。米国債の利息収入だけで10兆円を超えています。(それがすべて日本に戻っているとは言えませんが...)
米国株式から得られる配当も大きなウエイトを占めています。
米国連邦政府が対外債務をデフォルトしたり、米国企業が総崩れになれば、日本は一気に経常収支赤字国になります。
(金融が不得手ということも認めますが、2000年を超える年月をかけた築かれた金融ネットワークに対して、得手だけで対抗することはできません。金融操作を通じて世界経済を動かせる相手に勝つことはできません)
米国連邦政府がきちんと債務を履行して経常収支は黒字を維持できるとします。
そうであっても、貿易収支が赤字に転落するということは国民経済に大きな変化をもたらします。
まず、所得収支の黒字は、貿易収支の黒字が雇用や生産的消費(設備投資を含む)という要素を含んでいるのと違って、国際的な通貨の移転でしかないので、日本のGDP的拡大にはほとんど貢献しません。(所得収支の黒字が消費や投資に使われたときに初めてGDP的拡大に貢献しますが、現状では、日本で投資や消費に回されるのはほとんど期待できません)
サービスを含む貿易収支が赤字に転落するということは、供給力=需要不足を意味します。
供給力=需要不足のなかで国民の平均的生活レベルを維持しようとしたら、輸入で供給を補い、財政支出で需要を補わなければなりません。
貿易収支が黒字である現在においても、財政の破綻が現実的な問題になっています。
そのために、財政の破綻を避けるために財政支出の増加を増税で補おうとしたら、可処分所得が減少するので需要不足が生じます。
結局、そのような状況に対応するためには、生活レベルの切り下げを行なうしかないと考えられるようになります。
米国は基軸通貨の特権を活かしてそのような事態をできるだけ避けてきましたが、日本にはできない芸当です。
米国と同じように対外借り入れを行ないたいと思っても、現状の財政状況では高利を要求されることになります。ドルを印刷することはできないので、対外債務を履行するためには、貿易黒字に戻るか、経常黒字を政府が吸い上げるしかありません。
国際取引の黒字を政府が吸い上げる手法は税金になります。輸出税の新説か法人税の引き上げになるでしょう。
このような政策は、グローバリズムを信奉している国際優良企業に日本からの脱出を促すことになります。(日本経団連の会長であり、トヨタの会長でもある奥田氏は、本社を日本から外国に移すという脅かしを既に行なっています)
ですから、そのような政策は、現在の経済価値観や制度のなかでは実施されないということになります。
結論的に言えば、現在の経済価値観や制度のなかで貿易収支が赤字になれば、生活レベルが切り下げられたなかで“貧乏人の相互扶助制度”(消費税)で生き延びるかたちになると予測します。
そのような状況が政治的な“反乱”につながるかどうかがテーマになります。
>このままジリ貧に落ちて行くのを回避する方法はあるのでしょうか?
年間10兆円を超える経常収支の黒字を計上している日本がジリ貧に落ちて行くこと自体がおかしいという認識がないのが不思議です。
それは、お金がきちんとGDPに貢献する経済取引に使われれば、企業は10兆円を超える利益をあげられるということを意味します。
経済的自由主義価値観から脱却して、国民経済は、所得格差はありながらも国民総体の生活をよくするための手段であると多数派の人が考えるだけで問題を解消することができます。
これまでに書き込みしたなかで4つほど政策に関するものをピックアップさせてもらいましたので、それを参照していただければ幸いです。
『Re:
“魔法”はないが“名医”や“合理的手法”はあります 』
『「匿名希望」氏へのレス:お金の使い方を知らない日本人への対処策』
『【国民経済破壊の「竹中プロジェクト」に代わる『銀行再生策』】 日本経済に必要なのは「合理的な不良債権処理」』
『ささやかながら少しはましな経済状況を』
※ 参照書き込み
[匿名希望氏とのやり取り]