クリントン時代の「経済的繁栄」と「財政黒字化」は“高額所得者増税”から始まった の続きです。
《米国の財政状況推移》[それぞれの値は対前年比・財政赤字の()内は億ドル]
歳入 歳出 国防費 財政赤字 政権
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1980年 11.6 17.2 15.2 81.3( 738)
81 15.8 14.8 17.5 7.0( 790)レーガン第1期
82 3.0 9.9 17.7 62.0(1,280)(レーガノミックス)
83 -2.8 8.3 13.2 62.3(2,078)
84 11.0 5.3 8.3 -10.8(1,854)
85 10.1 11.1 11.1 14.5(2,123)レーガン第2期(税制改正)
>>82年には、5%というインフレ状況で歳入がマイナス(GDPもマイナス2%)になっているのに、歳入がそれほど減らなかったと主張ではできません。
>上の表を見てみると歳入がマイナスになったのは1年間だけでほかの年は増加しているではありませんか。そのことからも歳入はそれほど減りませんでした。
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Re: 596さんは、「大きな政府」志向なのですか? 投稿者 あっしら 日時 2002 年 4 月 05 日
歳入について、年平均5%のインフレ化にあったことを無視して誤った解釈をしてしまいます。
82年の歳入3.0%アップというのは、歳入がインフレに追いついていない実質マイナスということです。
81年の歳入水準を100とすると、84年の歳入水準は111.1になります。
81年の物価水準を100とすると、84年の物価水準は115.8になります。
“レーガノミックス”が実施されて3年経っても、歳入がインフレに追いついていないのです。
“レーガノミックス”は、「企業減税や高額所得者減税を行えば、投資が促進されて経済活動が活発になるので大きな経済成長を遂げられ、税収も増えて財政も改善される」というものです。
82年から84年という3年間をかけても、“レーガノミックス”=サプライサイド経済学の主張を実現できなかったのです。
>構造改革したら当然、数年は不景気を覚悟しなければなりません。にもかかわらず歳入が減らなかったのですから、ある程度の景気を維持していました。
小泉首相は、それに近い主張をしていますが、“レーガノミックス”=サプライサイド経済学は、数年は不景気を覚悟しなければならないというような主張はしていません。
GDPが2%のマイナス成長すると想定していませんし、その後も米国経済の潜在成長率(生産性向上と人口増大によるもの)と言われていた3%を少し超えた4%前後でフラフラするという主張もしていません。
>日本の財政赤字は30兆円*120=3600億ドル。日本の財政赤字に比べたらレーガンのときの財政赤字は低い。
計算式の誤りはともかく、2000年の為替水準で80年代初頭の米ドル価額や物価水準の変動を無視した比較をするのは止めたほうがいいと思います。
為替水準で言えば、「プラザ合意」以前はドル高=円安ですから、2000億ドルの財政赤字は、2000億ドル×250円=50兆円です。
GDP規模も物価水準も違うので、2000億ドルの財政赤字は、現在の日本に置き換えれば、最低でも100兆円の財政赤字とみなすことができます。
>第1期の所得税減税はそれほど極端にフラット化したものではありませんでした。14%〜70%の15段階から11%〜50%の14段階。第1期の所得減税で止めておけば良いものを2期までやったから、後から増税しなければならないようになったのではないでしょうか。所得税は増税すればするほど税収が増えるというものではありません。累進課税が強すぎると人はやる気をなくし税収は減ってきます。
株式・債券市場や不動産市場の低迷を良しとするのなら、高額所得者への増税は確実に所得税歳入の増加につながります。
1円でも多く稼ぐ人は税引後も1円少ない人よりも多い実質収入が保証されるという税制(これが累進課税の原則)であれば、お金をもっと欲しいと思う人は稼ぐことに精を出します。
「累進課税が強すぎると人はやる気をなくす」というのは、できるだけ税金を取られたくない高額所得者が、課税強化を逃れるために屁理屈を言っているに過ぎません。
前にも説明しましたが、歴史的現実に照らしても、累進課税が強かった時代が「高度成長期」であり、累進課税の緩和以降は、「低成長」や「デフレ不況」の時代なのです。
>外国はアメリカが多くの品物を買ってくれるので景気が良くなりました。
日本はその代表国ですが、米国産業の衰退は、米国の貿易赤字をさらに拡大させ、工業製品輸出国の景気をよくしてきたことは事実です。
しかし、そのために、日本を中心とする諸外国は、米国の財政赤字を補填するための米国債を購入し続け、貿易黒字で稼いだドルの価値が下落する事態を受け入れなければならなかったのです。
85年の「プラザ合意」でドルの価値は半分になりましたから、日本が保有していた外貨準備高の価値も、ほぼ半分になったことを意味します。
自国のお金を米国債や米国株式に投資することで自国の商品をより多く買ってもらうという“倒錯”した状況が20年も続いているのです。
米国証券市場に投資したり、日本国内の土地や株式の投機に向けられる資金を税収として吸い上げ、政府債務を軽減させたり、中低所得者の可処分所得を増大させることに振り向けていれば、米国にがんがん輸出できたほどの経済成長はできなかったとしても、“バブル”も発生せず、もっと地についた経済状況で推移できたのです。
また、外貨準備も金の比率を高める努力をしていれば、今後起こるであろう世界経済の変動にもスムーズに対応できるはずです。
長期的な視点を投げ捨てた刹那的な経済成長第一主義がとんでもない災厄をもたらすことは、もうまもなく現実としてわかるでしょう。
>レーガノミックスの破綻といっても、 1970年代の景気停滞から脱出し構造改革までやったのですから、多少の赤字ぐらいは覚悟しなければなりません。
70年代と80年代の景気状況は、平均4%くらいでほとんど変わらないものです。
多くの米国民にとっては、70年代の方が暮らし向きが良く、80年代には暮らし向きが悪くなっているのです。高額所得者や資産家の収入や資産が、70年代よりも80年代になってからのほうがより増大したことは事実ですが...。
596さんは、「小さな政府」を標榜されているようなのに、前政権から1,000億ドル以上も財政赤字を増やした(700億ドルから2000億ドルだから約3倍と言ってもいい)事実を、なぜ「多少の赤字」と認識されているのか理解に苦しみます。
あれだけ財政赤字を増やした政府や財政状況を「小さな政府」や「多少の赤字」と呼ぶようでは、596さんの良識を疑います。(「大きな政府」や「財政支出の拡大」を主張する人であれば、そうは思いませんが)
同じ1兆ドルの歳出規模であっても、税収ですべてまかなうのと国債でまかなうとでは“質”がまったく違うのです。
利子付き(単利)で債務を背負えば、12年(年利8%)から20年(年利5%)でおよそ2倍のお金を返済することになります。
そして、それを続ければ、債務の返済のために苛烈な増税を行うか、さらに厖大な国債を発行しなければならなくなります。
(新規赤字分と借り換え分でぐんぐん国債発行高は増えていきます。今年度の日本も、新規分は30兆円ですが、借り換え分と合わせると、105兆円の国債を発行することになります))
さらに言えば、国債を引き受けてくれる人がいなくなれば、政府は、デフォルトするか、苛烈な増税を行うかしかなくなります。
(低所得者が生活にぎりぎりの状況であれば、中高所得者に増税するしかないので、メディアを総動員しての反対運動が起き、結局はデフォルトが選択されることになるでしょう)
>>レーガン政権及びブッシュ政権時代は、工場の海外移転とリストラによる産業の衰退に見舞われ、米国経済の“停滞期”として評価されています。
>構造改革してすぐには効果が出てきません。アメリカは5年から10年かかったのでしょう。
繰り返しになりますが、“レーガノミックス”は、「企業減税や高額所得者減税を行えば、投資が促進されて経済活動が活発になるので大きな経済成長を遂げられ、税収も増えて財政も改善される」というものです。
596さんは、10年以上の不況と5年にもわたる「デフレ不況」に置かれている日本でも、5年か10年かの「痛みに耐える時代」が必要だと言われるのでしょうか?
>>規制緩和政策はその後も続いていますが、航空業界については、一時的な新規参入を実現したが結局は寡占化と運賃上昇を招き、エネルギー関係については、現在なお続くカルフォルニア電力危機や「エンロン破綻」を招いたのです。
>多少の落ちこぼれはあるでしょうが、規制緩和はアメリカに経済復興をもたらしました。90年代のアメリカの好景気は規制緩和によるところが大です。日本は規制緩和しようにも圧力団体など既得権益を主張するものが邪魔してできません。それが解決できなければ日本の復興はありえません。
アメリカに経済復興をもたらしました「規制緩和」の成果を具体的に上げてください。
>>レーガンの小さな政府化は国民が税の増大に我慢ならず反乱を起こしたから。 この意味はよくわかりませんが...
>多額の税金に苦しめられてきた人々が裁判を起こすなどして税金を払わない運動をした。多額の税金を納める大きな政府より、税金が少なくてよい小さな政府を望んだのではないでしょうか。
おそらく、「反連邦主義者」たちの納税拒否運動のことを言われているのだと思います。
彼らは、憲法上制約されているはずの連邦政府が、その権限を拡大し、課税を強化することに反対しています。「大きな政府」そのものにも反対していますが、最大の敵意は肥大化し権限を拡大している「連邦政府」に向けられています。
8/7/30

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