「安全保障論で対外拡張を続ければ、世界を制覇するしか安全保障を実現することはできない 下」
天皇と近代日本
>>英国やフランスは欧州情勢で手一杯なのですから、満州の防>衛に徹し、中国に対しては独立国として尊重しながら商業取>引を行うことはできました。
> 当時の中共はどうしても国民党と日本軍を戦わせたかったのです。中共は反日闘争を避けることで面子と立場を失うことを恐れる蒋介石を巧みに対日戦に追い込むと同時に、(たぶん国民党側と一緒に)各地で日本人居留民を残虐に集団虐殺して日本を戦争へと挑発しました。盧溝橋事件も中共の謀略によるものだったのです。
どれも、中国戦線の拡大を正当化する理由にはなりません。
中国共産革命を志向している中国共産党が、有利な政治状況をつくり出すために、そのような戦略・戦術を持つのは当然です。
対日戦争を仕掛けなければ蒋介石が面子と立場を失うような侵攻を日本が行ったことが問題なのです。
中国の政治状況を日本によって有利な方向で利用できずに相手の術中にはまったのは、日本の統治者が愚かであったからに他なりません。
人気blogランキング <-- クリックしていただくと、より多くの方に読んでいただけます。ご協力お願いします。
「各地で日本人居留民を残虐に集団虐殺して日本を戦争へと挑発しました」という説明も意味を持ちません。
外国の地に居留民を置いているのなら、それをきちんと保護するのが軍隊の役割です。掃討作戦にかまけて、居留民の安全さえ確保できなかった日本軍こそが責められるべき話です。
その集大成と言えるものが、ソ連侵攻時に関東軍が満州で見せた醜態です。
居留民を置き去りにして軍幹部及びその家族が先に逃亡するなぞ、軍人として許すことができない恥ずべき妄動です。
>>対米戦が避けられないものであったとしても、米国に仕掛けさせて艦隊決戦を行って勝利し、早期に講和を結ぶというストーリーで行わなければならなかったのです。(勝利できるということではなく、それ以外の選択は自らが立てた国防方針に違背するという意味です)
> 近代経済システムや軍事行動のための石油がないので開戦のための時間が限られていた状況で、アメリカ太平洋艦隊を一網打尽にできるチャンスを逃すまいとしていたのでしょう。
仏印や蘭印には原油があります。
別に対米戦を始めなくともその原油を確保することができ、それをもって、米国が戦争を仕掛けてくるのなら、受けて立てばいいのです。
アメリカ太平洋艦隊を一網打尽にできたとしても、戦争期間を長期化できるだけで、米国に勝てるわけではないことは統治者自身がいちばんよくわかっていました。
ルーヴェルトは若者を戦場に送らないことを公約に当選した大統領であり、既に始まっていた欧州大戦にも圧倒的多数の国民が参戦しないことを望んでいました。
そのような米国分析もできないまま、対米戦を自ら仕掛けた愚かさを免罪することはできません。
>私は南進論自体に反対ですが、あのいちかばちかのカケが全く愚かなものだったかどうかを判定するほど当時の世界的軍事環境に詳しくないのです。ただ、もし「勝ててあたりまえ」のミッドウェイ海戦に勝っていたら、アメリカの西海岸を艦砲射撃で吹き飛ばしてアメリカのヨーロッパ戦線への援助・進出を大いに鈍らせることができたのではないかとも思います。そうなればソ連は持ちこたえることができず、結局はイギリスもドイツに屈服してヨーロッパはドイツに完全制圧されたかもしれません。世界で孤立したアメリカは日独の包囲に長く耐えられたとしても、日本に勝つこともなかったのではないでしょうか。モスクワ攻略戦とミッドウェイ海戦が第二次世界大戦の最大の山場だったと一部では言われています。
真珠湾攻撃時に空母がいたとしても、ミッドウェイ海戦で勝利していたとしても、ハワイすら占領できていません。(南方輸送路の確保さえおぼつかなかった日本軍は、ミイドウェイ諸島さえ確保できなかったでしょう)
米国民に「対日総力戦」を決意させる先制攻撃を仕掛けたことで、有利な講和も吹っ飛び、敗北必至になったのです。
ヨーロッパ戦線は、基本的にソ連がドイツと戦い、米英はDディまで高みの見物というのが実態です。
Dディをあの時点にしたのは、高みの見物を続けていれば、欧州大陸がソ連に席巻されることになるからです。
ですから、日本が米国のヨーロッパ戦線への援助・進出を鈍らせたとしても、時間軸が伸びるとしても、戦局を返ることはありませんでした。
ナチスドイツが敗北しないで済んだのは、ソ連を味方とは言わないが、敵ではない状況に置いていたときだけです。
日本は、仕掛けられたときは受けて立つとしても、自らは対米戦を仕掛けないという合理的な判断をすることで大災厄を避けることができました。これは、ナチスドイツの勝利に貢献することにもなったかもしれません。
歴史のIFはむなしいし、日本にもドイツにも世界経済支配層に通じた勢力がいたと思われますので、あのような結末になる定めだったのでしょう。
>>しかし、圧倒的な国力と軍事力を持つ国家を相手に対外権益の縮小や開放を拒んで、自国民の生命や財産を犠牲にすることも厭わないという国家統治者は、端的に言って無能のカスです。
> それがハルノートや満州のことを言っているのだとしたら、ずいぶん安易な発言だと思います。というより、あんな要求を受け入れるようなら国家ではありませんし、実際受け入れていたら軍人と国民によるクーデターと暴動が起こり、結局は(より無謀で無秩序な)大戦争でしょう。
ハルノートをそのまま丸飲みしろと言っているわけではありません。
あれは、米国の言い分であり、日本に対米戦を仕掛けさせるための挑発です。
それをたたき台に外交交渉することなく、アホ面さげて挑発にのっかって真珠湾攻撃を仕掛けたことが愚かなのです。
ハルノートを泥沼化した中国戦線を縮小する絶好の好機として活かすべきだったのです。
それでクーデタが起こる国家だったと認識されているのでは、そのような国家は確固たる統治権も確立していないクソ国家だったということを認めているのであり、大日本帝国が滅びるのは必然だったと言えるでしょう。
>一つの主権国家は権益も財産も領土も国民もそう簡単に他国に侵害されても放置したり引き渡したりするわけにはいかないのです。それは国家としての存在意義・最低限の役割の放棄なのです。近代独立国家の国民も当然そうした権利侵害に対する戦いを期待し要求するものなのです。
これについては、前回のレスで書いていることなのでことさら反論しません。
そのように考えて、300万人以上の生命を犠牲にし、勝っていたり有利な講和を結べたのならともかく敗北し、朝鮮半島・台湾・サハリン南部・千島列島・満州そして四半世紀にわたって沖縄を失う戦争に自ら踏み出すことが正当化できるなら、近代国家という存在そのものが害悪だということになります。
彼我の総合的な力を比較考量してどうするかを決することができるのが合理的な近代国家だと考えています。

0