>例えば、今の日本が、時間がかかるかどうかは別にして、例えばお金が紙切れになったとして(作為的であるかどうかは関係なく、ハイパーインフレになったとして)、世の中は、どうなるんでしょうか?
>戦後生まれのあたしは、お金が意味をなさない時代を感覚として持ち合わせておりませんが、衣食住に足るものが、国内でまかなえる状況を作っておけば、今より不便ではあるにしても、そんなに恐がらなくても良いのかなと思いますが、あまいんですかねぇ?
まず、「衣食住に足るものが、国内でまかなえる状況」では、よほどの悪意と仕掛けがない限り、ハイパー・インフレは起きません。
ハイパー・インフレは、衣食住に足るものが国内でまかなえい経済状況を利用して起こされるものとご理解してください。
ハイパー・インフレは、結果的に、金融や産業を支配している人たちに利益が集中する経済事象です。
ハイパー・インフレの渦中に置かれた庶民の生活は、中南米諸国やソ連崩壊後のロシアが経験したように悲惨なものになります。
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Re: ものすごく、言いにくい質問投稿者 あっしら 日時 2004 年 7 月 21 日
悲惨さの序列を付ければ、年金生活者→勤労者→自営中産階級→自営農民といったものになりますが、産業の集中が主たる狙いであれば自営中産階級がもっとも悲惨な状況になる可能性もあります。
まず、自分の活動力を売った得たお金を長年節約して貯めてきた預金は紙くず同然になります。
年金生活者は経済活動に従事していないので、生活水準がインフレに追いつくかたちの年金支給は遅れます。
(勤労者も、自分たちの生活を維持することに追われるので、年金支給額の増額を政策テーマにしなくなる)
年に数回年金支給額が増額されたとしても、それは過去のインフレ分の補填というレベルになり、以降のインフレで実質生活レベルは下がっていくことになります。
勤労者は経済活動を担っているので、過去のインフレ分を超えて将来のインフレを折り込んだかたちでの給与増額を勝ち取ることができますが、それもまもなくインフレで打ち消されることになります。
自営中産階級は、よほどの余剰資金を保有しているのなら別ですが、原材料の仕入れ額が急上昇するので設備投資ではなく運転資金で借り入れを強いられることになり、借り入れが断たれると立ち行かなくなります。
ハイパー・インフレでも、そこそこなのは自営農民です。
まず、自分たち家族が生きていくための食糧を自給できていますから、着た切り雀でもよければ、価格が急上昇する財を買う必要がないからです。
(化学肥料や石油に依存した農業をやっている人は少し大変になります)
産業勤労者や都市住民は食糧を買わなければ生きていけないので、名目的に増えた収入を優先的に食糧購入に充てるはずです。それで、高くなった産業が生産する財も買うことができます。
ハイパー・インフレは、潤沢に通貨を手に入れられる条件で財を生み出す資産を持っている人に有利で、生存条件を自給できる人はそれが及ぼす痛手を緩和できるというものです。
1000万円の預金が、数年で実質100万円になる事態を想像してください。
そして、給料が上がったと思った途端、それで購入できる財やサービスが以前の給料水準よりも少ないことに気づく状況が繰り返されることになります。
エリート主義者たちの末路という感じで見ています。投稿者 あっしら 日時 2004 年 7 月 23 日
宮沢元首相と福井日銀総裁に共通するのは、強いエリート意識だと思っています。
自分たちは世界(政治経済)のことがよくわかっているが、庶民や一般政治家そしてメディアの連中は世界を知らないままわあわあ言っているだけだと思っているはずです。
その一方で、米欧の政治家や銀行家を畏敬の念で見つめ、その言説をほとんど吟味しないまま受け容れる心性を持っているように見えます。
(日本人に評価されるより、米欧のセレブに評価されることを望んでいる「カス」です。日本人に対しては、「あなたたちは優秀な私を評価するのが当然」という感じでしょう)
お二人と対話したことはもちろんありませんが、TVなどを通じて見聞きしている限り、それほど世界のことがわかっているようにも、あるシナリオをもっていてそれを実現するために人々を“作為”的に誘導している(嘘をついている)ようにも見えません。
残念ですが(笑)、お二人とも、“彼ら”の使い走りの“知的執事”を超えるものではないと思っています。
宮沢氏は、統制経済や高度成長期(ケインズ主義)をなんとかこなせる程度の人だと思っています。
(新自由主義やグローバリズムにも慣れようとしていますが、違和感から脱せられないようです(笑)。金融家である福井氏は、さすがに新自由主義やグローバリズムはスムーズに受け容れられるようです)
>若くしてプリンスといわれ、予定通りに総裁になった、福井・現日銀総裁やニコニコしながら、決してマイルドインフレ政策(景気回復のためのターゲットインフレ政策)を採らないように首相に進言していた宮沢蔵相。
インフレターゲット政策は、現実的に効果がないので、それはそれでいいと思っています。
>彼らは、自分たちの行う政策(デフレ政策のための不良債権処理など・・・)が、景気回復にはつながらないことを理解していて、あえて実行している確信犯なのでしょうか。
半分は確信犯、半分は無能の故だと思っています。
>それとも、ただ単に利用せれている「善人たち」なんでしょうか?
エリート主義という意味での「善人」だと思っています。
「善人」だからこそ危険です。
Re: 「インフレターゲットが現実的に意味がない」をもう少し解説お願いします。投稿者 あっしら 日時 2004 年 7 月 25 日
中央銀行の幹部に限らず、右から左の政党の幹部から官僚まで、救いようがないのが実態です。
“彼ら”が、政党幹部よりも、中央銀行幹部やキャリア官僚を重視していることは確かでしょうが(笑)
>最後に「インフレターゲットが現実的に意味がない」ということですが、あっしらさんが、少し前に自論を展開されてて適度な物価上昇(インフレ)は、国民経済的には「グッド」、なおかつ「インフレはコントロールが可能」、と解説されてたように思います。
中央銀行の明言・民間資産の買い取りを通じた通貨供給量の増加・赤字財政支出の増加などを手法とした新ケインズ派の「インフレターゲット論」は、実効性がないという意味です。
(日銀がインフレターゲット宣言したからインフレになると信じる経営者はごくわずかでしょう。資産の買い取りは、過剰債務のひと(企業)や金銭的余裕があるひと(企業)に日銀券が渡るだけの話で、フロー(所得)の増加にはほとんどつながらず、債務返済や金融取引にまわるはずです。それは、この間の超金融緩和政策である程度実証済みです)
「インフレはコントロール可能」でも、デフレからインフレに持っていくのが大変なのです。
デフレは、金融政策だけでは解消しないからこそ“経済の癌”です。
>なんで、「インフレターゲットが現実的に意味がない」というのは、「インフレターゲットが技術的に不可能」ということなのか、それとも「インフレターゲットを実行できても現実的に景気回復にはつながらない」、といういみなんでしょうか?
90年代中期から後期にかけては、明言はしないながらも、「インフレターゲット政策」が採られていました。
その結果は、不況の下支え効果がある代わりに、膨大な政府(地方自治体)債務の積み上げというものです。
(赤字財政支出の多くは建設業界の維持・銀行の不良債権問題先延ばし・土地所有者の救済として消えてしまい、GDPを押し上げるところまではいかなったわけです。そして、そのツケが増税・社会保険料負担増(給付減)として回ってきています)
赤字財政支出の増加を続ければ、一時的にデフレから脱却してインフレ現象が見えてきます。しかし、赤字財政支出の増加をやめれば、再びデフレに戻ってしまいます。
一時的な需要減少なら赤字財政支出でそれを補填すれば自律的に回復しますが、過剰債務を抱え、供給力過剰に喘いでいる現在の日本経済では、先に財政のほうが参ってしまうということです。
(増税や社会保険料負担増を行えばデフレ圧力になります)
赤字財政支出は需要を増加させるだけですから、逼迫した供給力であればともかく、現状の日本経済では産業構造や資金循環関係を変えるところまでいきません。
(公的需要を手に入れた企業の採算性がよくなり債務履行ができる程度です)
産業構造や資金循環関係を変えないままなら、赤字財政支出の増加をやめれば、再びデフレに戻ってしまいます。
>では、産業構造や資金循環関係をどう変えていけば、国民経済的に健全な状態に移れるのでしょうか?
現在議論板でシリーズとして書いている内容が、そのための政策を見出すための前提となる現実認識です。
現実認識の共有が得られたら、国民経済主義の具体的な政策のほうに移っていくつもりですので、今しばらくお待ちください。
>食料自給率を高めて、「開かれた地域共同体」へ。個人的には豊かで・多様な「職人」的世界が日本を救うのでは?と考えていますが、少し甘いでしょうか。
「開かれた地域共同体」は、国民経済主義のさらに先の話になります。
7/4/25

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