「借金漬けの米国経済とそれに支えられた世界経済はソフト・ランディングができるか?: 上」
産業主義近代の終焉
FRB(米国連邦準備理事会)は、0.25%刻みでFF金利を引き上げていく政策を採っている。
6月・8月と2回引き上げているから、FF金利はここ3ヶ月で0.5%上がったことになる。
織り込まれているように9月に同率の利上げが行われれば0.75%になり、10月・11月・12月のいずれかでも利上げが行われれば1%上昇することになる。
★ 参照書き込み
:『ほんとうに金利を引き上げ続け引き締めも継続実施するのなら、「誤り」ではなく「確信犯」でしょう。』
ここ20年の世界経済は、借金漬けになりながら「世界の需要者」であり続けた米国を支えに成長を続けてきた。
要約すれば、
●米国は借金で手に入れたドルを経済社会に流すことで財を輸入する。
●米国相手のみならず財を輸出して稼いだ貿易黒字国は、ドルを自国通貨に転換し、ドル(外貨準備)を利息が付く米国債に転換する。
勝って手に入れたビー玉を負けた子に貸すことで“ビー玉遊び”を続けるという構図である。
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借金漬けの米国経済とそれに支えられた世界経済はソフト・ランディングができるか?:問題は政府債務ではなく家計債務投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 06 日
ミソは、貿易で勝ったほうはビー玉が2倍になるという“魔法”にある。
米国などから勝って手に入れたビー玉1個は、「ドル・ビー玉」と「日本円・ビー玉」(「人民元・ビー玉」)の2個になる。
日本企業が1000億ドルを手に入れると、日本企業はそれで11兆円を手に入れ、政府当局は1000億ドルを手に入れる。
そして、政府当局は1000億ドルを外貨準備として利息が付く米国債に転換する。
それにより、米国政府当局は、債務証書を渡す代わりに1000億ドルの現金を手に入れ、それを赤字財政支出で経済社会に流し込む。
これを整理すると、(所得収支や資本収支を除く)
● 貿易収支黒字国は、黒字額相当の通貨量が経済社会で増加する。
● 貿易収支黒字国の政府当局は対米債権として外貨準備を増加させ、米国政府当局は、ドル建てで貿易収支赤字になった国々が支払ったドルを債務証書の代わりに受け取る。そのお金は赤字財政支出として経済社会に戻る。
国際基軸通貨国である米国の“メリット”は、自国の貿易赤字分だけではなく、外国の貿易赤字分のドルも還流してくることである。
米国以外の貿易赤字国は、次の貿易赤字を支払うためにドルを借り入れなければならない。米国には他の国の貿易赤字分も戻ってきているので、それに応えることができる。
米国という国を一つの経済主体と考えると、「国際借り入れ受け取り利息−米国債支払い利息」だけ“金融利得”を上げることができるわけである。(たとえそれがマイナスであっても“利得”である)
このような循環を世界全体として考えると、貿易黒字分だけ非ドル通貨が増大することを意味する。
ドルは一定量で、「貿易赤字国→貿易黒字国→米国→米国外貿易赤字国→貿易赤字国→貿易黒字国→・・・」という循環でもとりあえずまかなえる。
(ドル安になれば、輸入財の価格が上昇するのでそうはいかない。このことからも、経常収支の赤字を解消するためにドルを意図的に切り下げることはありえない)
米国をはじめとした国々の貿易収支赤字が増加傾向にあるから、負けてとられたビー玉を米国政府が借りるだけでは済まず、他の手段でもビー玉を集めなければならない。
そのための仕掛けが、うまくいけば「ドル・ビー玉」(それを転換しての「自国・ビー玉」)を増やせるよと思わせる米国株式への投資誘導である。
この賭場で「ドル・ビー玉」を手に入れるのなら、支払い利息は必要ない。(配当なしや売買での損失は自己責任である)
米国の対外純債務は、2兆3千億ドルで、それはまるまる米国連邦政府の債務だと考えることができる。(米国民間部門は純債権保有)
日本の米国債保有高は、2兆1千億ドルと推定できる。
この債権債務バランスであれば、日本への利払いが現金ではなく債務証書(米国債)の追加で行われている限り、米国の対外債務が米国経済の直接的な重石になる度合いは小さい。
結論的に言えば、日本政府当局が米国の対外純債務のほとんどを引き受けているのなら、米国が対外純債務でおかしくなることはない。
このとうなことから、米国経済の問題は米国内部に見出したほうがいい。
連邦政府対内債務は、利払いが米国民(米国企業)に行われるので“相殺”されると考えることもできる。(貧乏人から金持ちへの“所得移転”というかたちであることは重要だが)
問題は、政府部門が借金をしてGDPを支えているだけではなく、家計部門や企業部門もこぞって借金で消費や投資を行いGDPを拡大してきたことである。
ということで、米国経済の内情を見ていきたい。(データは「ドル暴落から世界不況が始まる」(リチャード・ダンカン著・徳川家広訳・日本経済新聞社・税抜き価格1800円より)
■ 米国経済の実状
● 米国GDPに対する債務比率:
80年:169%
02年:292%
※ P.81:69年から81年までは緩やかな増加で、レーガノミックスが開始された82年から85年にかけて急上昇し、86年から95年まではまた緩やかな増加になり、「ニュー・エコノミー」ともてはやされた96年から99年にかけて再び急上昇している。
● ダウ平均の推移:
72年: 1000ドル超え
74年: 600ドルに下落
83年: 1000ドル回復
99年:11500ドル超え
※ P.82:95年までは4000ドル水準だから、90年代後半の4年間で脅威的な株価上昇があったことがわかる。83年から90年で163%上昇、90年から00年で320%上昇した。
● 米国のGDP支出:
01年:家計消費(70%)・民間投資(15%)・政府消費(18%)・純輸出(マイナス3%)
● 米国の企業活動:
00年にITバブルが崩壊して、企業利潤が激減した。
エンロンやワールドコムに代表される企業の会計詐欺や破綻もおき、企業への信頼は大きく低落した。
98年・99年の企業向け融資残高は年率12%の伸びを見せていたが、02年には2%にまで落ち込んだ。
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7/5/15

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