「番外編:TRANSPARENCYのブートDVDシリーズ前編」
Sun Ra
久々の更新です。
Sun RaのDVDが一挙4タイトル発売されました。
期待して買ったものの、ソースが明らかにダビング物のブートビデオで画質劣悪。
まあそれでも貴重な映像には違いはありませんのでサラッとインプレ。

Sun Ra Volume One:Live At The Palomino
メインはパッケージのクレジットによると88年11月5日、カリフォルニア州ノース・ハリウッドでのライブとあります。
The Earthly Recordings of Sun Ra 2nd Editionには載っていないソースです。最近世に出た映像なのでしょう。
固定のワンカメで、思い出したようにズームするがイマイチおいしい場面を捉えていないテキトーなカメラワークから察するに、PAさんか照明さんが片手間で撮ったような印象。当時の民生用カメラの性能を考えると仕方がないですが、当然画質は悪いです。
しかし演奏自体はノリノリで楽しいです。冒頭の、Arkestraの面々が三々五々ステージに集まってくる様からしてユルくて最高です。もう、どこからが演奏の始まりなのかわかりません。
特筆すべきはギタリストが3人も参加しているという点。
Earthly〜で前後のライブのパーソネルを調べたところ、内2名は
Carl LeBlancと
Bruce Edwardsで間違いないでしょう。もう1名は謎です。冒頭のインプロからギターシンセが大爆発。
LeBlancも
Edwardsも非常に達者なプレイヤーなので、オーソドックスなスタイルでも安心して聴けます。
音質はレベルが低いものの良好と言えるでしょう。ライン録音なんで、ライブハウス側からの流出というセンがやはり妥当かと。選曲もヴァラエティに富んでいて良いと思います。音だけ編集してCDにしたらそこそこ良い物が出来そうな気がしますね。
オマケはフランスあたりのテレビ番組での
Don Cherryとのデュオ及びそれに伴うインタビュー。御大は「ついてこれるかな!?」と言わんばかりの眼差しをチラチラとCherryさんに向けつつマイペースに弾きまくります。こういうのを見ると御大が基本的にリーダータイプで、対等のインタープレイを好まないことが良くわかります。この辺が日本のジャズファンに受けない遠因が見え隠れして興味深いです。
インタビューは英語が良くわかりませんので内容は不明ですが、虚空を見つめてぶっ飛んだ妄想を語っていると思しき御大にインタビュアーが呆れているのが笑えます。

Sun Ra Volume Two:East And West Berlin
メインは86年6月28日の東ベルリンBerliner Jazztageフェスでのライブと、Sun Ra All Starsでの83年10月29日の西ドイツFreiburger Jazztageフェスからの映像の2本立て。
東ベルリンの方はパッケージに"Two Concerts"とありますが、一つのコンサートをオンエアーの都合で2回に分けただけでしょう。この辺の杜撰さがいかにもブートです。
画質は残念ながら完全に褪色していて殆どモノクロ状態ですが、プロショットゆえに見所も多いです。いきなりThunder Drumを叩きまくる
James Jacsonのアップで始まり、その直後に写る
Rollo Radfordのダブルネックのスタインバーガーベースに度肝を抜かれます。フレッテッドとフレットレスの組み合わせですが、フレッテッドしか使っていないところがいい味だしてます。ドラムの
Marvin "Boogaloo" Smith(80年代Arkestraのメインドラマー
Earl C. "Buster" Smithの弟)の荒っぽいプレイも楽しい。ラストでの暴れっぷりは必見。
全体的に地味な印象なのは
June Tyson以下の女性ダンサー陣の不参加によるものでしょう。硬派なArkestraもまた良し。
ちなみに、
A Night in East Berlin/My Brothers the Wind and the Sun(Leo)という同じライブを収録したCDも出ています。
そしてお楽しみのSun Ra All Stars!これはもう冒頭の紹介シーンに尽きるでしょう。
Marshall Allen、
John Gilmore、
Clifford jarvisのArkestra勢に加え、
Don Cherry、
Lester Bowie、
Don Moye、
Richard Davis、
Archie Shepp(!)、
Philly Joe Jones(!!)という早々たるメンバーが片腕の司会者(誰?)のコールとともにステージに現れる姿を見るだけで涙モノであります。
肝心な演奏は?と言われれば、やや期待外れな感がなきにしもあらず。悪くはないんですが、大物の皆さんがお互いに遠慮しあっているような硬い雰囲気。なんだかんだで一番多くソロを取っているのはGilmoreだったりします。中盤のBluesではSheppにもっとソロを取ってほしかった。何を思ったか、やおらマイクを取って歌いだすんだもんなあ、Sheppさん(あ、Cherryさんも歌ってます)。
ちなみに画質はシリーズ中で一番良好です。
オマケは70年頃のフランスのTV番組の断片。モノクロです。家の中で集まって歌ってます。流れているのは"Enlightenment"ですが、映像と合っていないので別ソースかも。

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