
企画/コンセプトデザインから一年半、工事着工から9ヶ月、遂に念願の精神科急性期病棟が完成した。
成長発達理論とリンクした建築構造、こころの健康を促進するアメニティ、集団精神療法的効果を目的とした空間のサイズ、全室個室、そしてなにより自分が入院するとしたらどんな病院が良いか、ということをコンセプトに取り組んできた。集団精神療法/グループワークを患者そして治療者含むコンセプトとしている以上、建築プランも医者、看護師、作業療法士、建築士、インテリアデザイナーの他職種チームでグループワークとして取り組んできた。その甲斐あり、なかなか他では類を見ない細部まで考えられた病棟が出来たと思う。
また、改装工事を行いながら、同時に病棟を運営するというのはとても大変なことであった。この短くも長い間、難事業につきあってくれたスタッフに感謝したいと思う。新しいシステムが導入され、構造も次々と変化してゆく不安定な基盤のなかで、患者さんたちに事故のないように、それ以上に治療的に働きかけ、彼らが治り退院できるように高い緊張のなかでがんばってくれたと思う。この場を借りて感謝したい。

この病棟では重症の統合失調症から、一時的な休養で回復可能な軽症のうつ症状の治療まであらゆる精神疾患に対応しする機能を持つ。そして、実際に稼働している現在、平均在院日数は40日前後をキープしている。これは大変に早い治療、退院を意味している。同一県内の平均在院日数は60日前後ということだ。
なんとも感慨深い思いもあるが、これで終わるわけでもなく、これからは地域にアピールして利用してもらわなくてはならぬ。なかなか休む暇もないが。