閉回路テレビカメラの映像で人間の脳をごまかすことで、女性が男性に、男性が女性に身体が入れ替わったと思い込ませることに成功した。(ロイター)
2008年12月04日 16時21分 更新
スウェーデンの研究者が閉回路テレビを使って被験者の人体を仮想現実的に入れ替える実験を成功させた。実験では、女性の被験者に男性の身体に入れ替わったように錯覚させたり、逆に男性の被験者に女性の身体に入れ替わったように錯覚させたりすることにも成功したという。
この実験については、科学者団体Public Library of Scienceが発行する12月2日付のPLoS ONE誌で報告されている。それによると、この実験では、人間の脳をごまかして実際とは別の身体を持っているかのように思わせることが可能であることが証明できたという。
「この研究は人間が自分の身体の境界をどのように理解するかの説明にも役立つ」とストックホルムのカロリンスカ研究所の研究者、バレリア・ペトコバ氏とヘンリク・エアソン氏は報告している。両氏は被験者をだますために幾つかの実験を用意したという。いずれも、ゴム製の手を自分の手であるかのように思わせるという、一般的な錯覚実験のバリエーションだ。ゴムの手の錯覚実験では、被験者の手を隠し、目に見える位置に置いたゴムの手と被験者の手を同時になでる。すると、被験者はゴムの手を自分の手であるかのように感じるのだという。
ペトコバ氏とエアソン氏の実験は、このゴムの手の錯覚実験をさらに掘り下げたもの。両氏は閉回路カメラを使って、被験者にゴム製のマネキン、あるいは別の人間の身体を自分の身体であるかのように思わせる実験を行った。「この実験では非常にはっきりとした結果が出た。別の人間の身体に入ったような錯覚を起こす実験をしているときなど、被験者は自身の実際の身体と対面し、錯覚を抱いたまま、握手をしたほどだ」と彼らは記している。
両氏はまず等身大のマネキンを使って実験を行った。「男性マネキンの顔面に閉回路テレビカメラを2台装着し、マネキンの左右それぞれの目の位置から映像を記録するようにした」と両氏は報告書で説明している。「被験者には、この2台のカメラに接続されたゴーグルタイプのディスプレイを装着し、左右のビデオカメラからの映像がそれぞれ左右のディスプレイに表示されるようにすることで、正確な立体映像を提供できるようにした」とさらに両氏は説明している。「被験者には、自分の身体を見下ろすような感じで頭を下に傾けるよう頼んだ。すると、自分の身体があるはずの場所にマネキンの身体が見えることになる」(両氏)ゴムの手の錯覚実験と同様、実験者はマネキンに触れるのと同時に被験者の身体に触れたという。
「被験者がマネキンの身体を自分の身体であるかのように錯覚しているのは明らかだった」と両氏。
最後に、両氏は2人の被験者の間で身体を丸ごと交換してみたところ、それも成功したという。ただし、成功はそこまでだ。両氏によると、被験者に例えば自分が箱型になったかのように錯覚させることはできなかったという。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0812/04/news087.html

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