今回のクリニックのもう一つの柱が、アイソレーションタンクの導入です。アイソレーションタンクとは、アメリカの伝説的な脳生理学者であるジョン・C・リリー博士(1915~2001)によって1950年代に発明されました。
その頃アメリカでは学生によるカウンターカルチャーの隆盛ともに、LSDをはじめとする各種のサイケデリックスによるフラワームーブメントが花開こうとしていました。こういった時代背景の中で人々の関心も外宇宙から内宇宙への探求へとシフトして行き、数多くの人間の意識に関する研究が行われました。
ジョン・C・リリーは意識の成り立ちについて、外部からのフィードバックの系を遮断しても意識それ自体が成立し得るか、という問題を研究していました。外部からの情報のインプットを可能な限り遮断するために開発された、感覚遮断の為の装置がそもそものアイソレーションタンクの発端でした。そして彼が実際にそのタンクの中に入ったとき、上述の疑問は即座に解決されたのでした。
アイソレーションタンクは人体と同じ温度に暖められた高濃度の塩水(エプソムソルト)によって満たされています。そして入り口のハッチを閉じてしまうと、そこは完全に光の届かない闇になります。高濃度のエプソムソルトの上にポッカリと浮かび、身を委ねると音も、光も、そして体の温痛覚も感じない、そして重力の影響からすらも自由な状態となります。正に5感全てを遮断された状態です。この状態に人間が置かれたとき、そこに存在するのはまさに意識そのものだったのです。
ジョン・C・リリーはその後アイソレーションタンクでの実験を続け、イルカと人間のコミュニケーションの可能性に到達するに至ります。それはイルカこそが正にアイソレーションタンクに近い状態で進化してきた生物であるという直感からです。彼のイルカ研究は後のイルカブームの理論的支柱となり、多くの知見を生みました。また彼を題材として、ハリウッドでは2本の映画「イルカの日」「アルタードステイツ」が制作されました。
そして現在ではアメリカ、ヨーロッパを中心としてリラクぜーション、瞑想、自己修復機能の増大など様々な用途で用いられ、沢山のフロートセンターといわれる施設が存在します。名称もアイソレーションタンクという少し仰々しい呼び方からフローティングシェル、フローティングタンクと呼ばれるようになってきています。
今回のクリニックでは患者さんのリラクゼーション、そして自己洞察の援助、トランスパーソナルな成長のプロセスの治療的利用という目的でフローティングタンクを導入します。日本には現在東京の白金に日本を代表するフローティングタンクサロンECCOがあります。今回ECCOの協力のもとクリニックにタンクを導入することが可能になりました。もちろん精神科の治療の世界では日本で初めての試みになります。
またフローティング・タンクも時代と共に新しくなっています。今回導入するのはイギリスの
Floatworksという会社が制作した
i-sopodというフローティング・タンクです。Floatworksは世界で最も大きなフロートセンターです。
今週末にはフローティングタンクと共にFloatworksのスタッフのクリニックに来院し技術的な指導を行っていただける予定です。ECCO、Floatworks、そして私のクリニックと日本にも少しずつ、ジョン・C・リリーから引き継いだこのカルチャーを伝えて行けたらと思っています。そして患者さんがより自由な意識を取り戻すお手伝いができれば望外の喜びです。
H I K A R I C L I N I C (クリニックのBlog作りました)
アイソレーションタンク スピリチュアルリラクゼーションサロン ECCO
The Floatworks
The i-sopod it's the futere of floatation

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