2006/7/30

キッチン(’89)  日本

吉本ばなな原作、森田芳光監督作品。先日見た「マナに抱かれて」のヒロイン川原亜矢子のデビュー主演作だった、と、ビデオで見たはずながら記憶薄れており再度DVDで。

特典映像での解説で、ロケ地は函館だったそうで、監督談では、透明感があり生活臭がしない雰囲気が作品に合っていると思ったからとの旨。未踏の地ながら、確かにそういう無国籍的情緒がある街かも。

18才だった河原亜矢子のやはり演技力云々というより独特な髪型、話し方。漂々とした相手役松田ケイジ。性転換した母親えり子役の橋爪功の倒錯の存在感。淋しげな風情に似合う淡々とした音楽、ひと時孤独が寄り集ったただっ広い雄一のマンションの、クールさと温もりが混じったようなアンバランスでシュールな映像。

良くも悪くも森田色で切り取った”桜井みかげ”とばななワールド。もう時が経ってしまったけれど吉本作品「TSUGUMI」映画化の市川監督等、他の様々な切り口でも見てみたかった作品。

懐かしくて久方に「キッチン」「うたかた/サンクチュアリ」の本を取出し、「キッチン」最初の方、そしてその後に入っていたインパクト残っていた「ムーンライト・シャドウ」、「サンクチュアリ」を読み返す。

人から見れば平凡な暮らし、平凡な幸せ。でもそれを取り戻すため孤独で必死の日々の積み重ねが必要な場合もあり、その見えない貴重な価値。そういう生々しさは淡々とした描写の表面には出ない。包み込むようにさり気なくゆっくりと風景に溶かし込まれる、喪失からの心の再生の物語。(http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=150911kitchen キッチン(’97)

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