2006/8/31

さよならみどりちゃん(’04)  日本

古厩智之監督作品。内容ではなく「14番目の月」がテーマ曲との興味で見た作品。原作は南Q太という人のコミックらしく、「死に花」以来見かけた星野真理が初主演。

内容は、身勝手、というより何も考えていない相手(西島秀俊)に尽くしつつ振り回され、内心切なく傷ついたり仄かな幸せを感じたりしている、健気な今時のOLがヒロインの物語。かなり忍耐強い、というか都合良過ぎな彼女が、彼と本命の彼女のタクシーをとっさにずっと追って走ったり、恋敵のはずの少女との友情や、年下の少年が彼女に対する彼の態度に憤りを見せたりするさりげないシーンが脳裏に残る、他愛ない物語。

彼の勧めでバイトしていたスナックを辞める決意をした彼女が、最後に弾けてカラオケで歌う「14番目の月」がキュートなハイライトシーンで、上手くはなかったけれど、エンドロールに流れた奥村愛子カバー版よりインパクトが、という作品。

”十四番目の月”自体は十五夜の前夜、明日には満月になる月、の意味でこの曲は荒井由実同名アルバム「14番目の月」(’76)の中の曲。当時の同名写真エッセイに、昔洋・邦画共月4,5本見ていたというユーミンが本屋で立ち読みした「キネマ旬報」に載っていた「スリランカの愛と別れ」(’76木下恵介監督)という映画での高峰秀子の「私は満月よりも十四夜の月が好きです。だって十四夜の月にはまだ明日があるから・・」という科白が心にひっかかっており、それを元にした曲、という逸話が。常に完成一歩手前が理想、とも。

この曲自体はポップな仕上がりで、このアルバムは全体の統一したカラーはないものの個々に名曲が多い荒井由実としての最後の結婚前の作品。NHKのドラマ主題歌にもなったラストの「晩夏(ひとりの季節)」は、丁度今頃の季節、色調の移ろいの描写等日本の情緒漂う哀愁の名曲で、「14番目・・」が今ピックアップされるなら、この曲を取り上げた映画等もいつか作られれば、とか。たまたま昨年末本田美奈子追悼特集とのことで見た「たけしの誰でもピカソ」でメインゲストの平原綾香が歌って、カバーしたのを知り、少し感慨も。(http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=5241

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2006/8/30

NOEL ノエル(’04)  アメリカ

俳優、脚本家としても活動してきたチャズ・パルミンテリ初監督作品。昨年末公開の、クリスマスイヴのNYが舞台、派手さはないもののしみじみとした群像劇。

アルツハイマーの母親の看病に明け暮れる独身女性のヒロイン。気丈で思いやりを持ちながら、近づく相手から人生を楽しめば、と言われても身を固めてしまうぎこちない彼女をスーザン・サランドンが毅然、かつ繊細に熱演。彼女にクリスマスに起こった奇跡はファンタジーながら救いと温か味が。

見栄えも麗しいポールとペネロペのカップルは、結婚目前ながら互いを傷つけるギクシャクさ。切ない過去を持っていた老人の出現。彼への思いやりがポールを変え、彼らを救う。そういう話が一夜で絡みながら進む構成で、イルミネーションも華やかなNYのクリスマスが舞台ながら、痛みを持つ登場人物達が行き交う静かな流れ。

特典映像で監督が「見た後人を内面から心地よくさせ、(故人を含め)愛する人に伝えるべき言葉を思い出さす、9.11以降こういう映画が必要だ」等という旨語ってましたが、そういう希望と奇跡を描いた珠玉作。(http://c.gyao.jp/movie/noel/

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2006/8/29

ライフ・オン・ザ・ロングボード(’05)  サーフィン映画

喜多一郎監督の「南の島3部作」予定の2作目。定年退職後、昔少しかじったサーフィンに挑戦すべく種子島に移住する主人公を大杉漣が熱演。

やはりこれもどこか漫画的というか、シナリオがぎこちない感も折々しつつ、ハートウォーミングな味。今までのサラリーマン管理人生から一転島の一住民へ、かなり柔軟な!精神で波乗りに挑戦する彼の姿勢、当初彼を奇異な目で苦笑しつつも気さくな海好きの周りの人々と、舞台のサーファー向きのラフで美しい海。

種子島舞台の作品はドラマでも記憶になく、結婚前の木村・工藤カップルがサーフィンに出向いたのがニュースになっていた覚え等あるのみ。ロケット発射基地や鉄砲伝来の地としてのパフォーマンスの映像もちらりと。

ウインドサーフィンだけは昔一日講習を受け、沖縄で一度沖まで滑ったのみで、爽快ではあったものの今から再度本腰を、とはほぼ思えない。腰が重すぎる。一時リフレッシュしそう、ではあるけれど。亡き妻との思い出や、娘との葛藤や絆も折り入れ、ややおとぎ話的ながら、新たな世界に飛び込むのは至難の技、の時期、言葉ではなく人目はどうであれ実際淡々と”行動”し、謙虚に前向きに波に向かう姿は微笑ましく清々しさが。一日一日戻りはしない時の過し方、のようなことも、改めて。

ビーチボーイズの音楽で、大瀧詠一の「ロングバケーション」等がふと懐かしくなった作品でも。(http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=6294

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2006/8/28

星砂の島、私の島〜アイランド・ドリーミン〜(’03)  日本

喜多一郎初監督作品。大学でケガのため体操選手として夢を断たれたヒロインが、竹富島へ臨時の体育教師として赴任、現地の人々との触れ合いの中成長していく、というパターン的には見かけるストーリー。ヒロイン大多月乃は演技力?というよりフレッシュさと体操の実力で見せたというか。

明るいのが取柄の彼女が、体操という特技を認められながら徐々に生徒達に慕われ、無愛想だった男性教師とも距離が縮まり、というハッピーな展開。「ASAYAN」でのオーディションからの愛着があり「LOVEマシーン」辺りまで注目だったモーニング娘。から3人出演。ファンにとっては注目作でしょうか。

流れも科白もやや漫画的ながら、昨年度個人的ベスト作「ニライカナイからの手紙」以来の竹富島の美しい海や独特の景観ののどかな家並み、人々の連帯感の中でのストーリー、ということで一応後味は爽やか。(http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0002Q2KGO/249-1648289-2287547?v=glance&n=561958「ニライカナイからの手紙」

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2006/8/28

淋歌  

今日は特に感慨もないながら自分の誕生日で、記念ではないですが印象に残っていた詩を。かなり前ユーミンがラジオ番組で読んだリスナーからの作品。録音を書きおこし「りんか」という題に聞こえ、イメージで「淋歌」と当てはめた覚えが。


淋歌

朝の海辺を
白い自転車で走り回るのは
淋しいのかな
海は僕を見て波を押し寄せる
すばやく逃げる
ペダルを踏んで

暗い闇を抜けて夜明けの海へ
僕は一人で淋しさまぎらす

陽はすぐ昇り
輝く海の色よ
道路に浮かんだ霧のためかな
疲れた僕は風に抱かれて
コーラ飲みながら淋しさおさえる

暗い闇を抜けて夜明けの海へ
僕は一人で淋しさまぎらす

もう道路には
車の鈴なりで
怖がる僕は田舎者かな
電車と並んで競争してみる
哀しい想いを投げ捨てるように

暗い闇を抜けて夜明けの海へ
僕は一人で淋しさまぎらす

遠い夢を探し
果てない旅へ
今は一人で歩き続ける

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2006/8/25

スタンドアップ(’05)  アメリカ

先日見た「クジラの島・・」のニキ・カーロ監督最新作。「クジラ・・」とは、男性主権社会の圧力に悩まされる女性(少女)、という部分は一応共通ですが、ファンタジックな部分のあった前作とは全く趣の違った、80年代アメリカ初の集団セクハラ訴訟の実話ベースの作品。

暴力夫から離れ二人の子供を養うため故郷北ミネソタの鉱山で働くヒロイン(シャーリーズ・セロン)が受ける、悪質なセクハラ、嫌がらせの数々。彼女の訴えに会社の上部も冷淡で、ついに法廷で戦う決意。心情的な共感はありながら、同調にしり込みする同僚女性達。そういうシーンでの彼女の孤独が沁みるような。

やはり愚かしく偏狭な集団に対し、彼女への理解を示す男性陣も存在してこそのスタートラインで、彼らを実際協力へと動かしたのは、普段やり手でもリーダー的でもない彼女の奮った勇気。彼女をずっと敬遠していた父がついにある場面で援護したり、望まぬ十代での妊娠で生まれた長男との確執、和解等家族の絆的要素も折りいれ、女性監督作品らしいといえばそういう感もある硬派作品。(http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=6546クジラの島の少女(’03)

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2006/8/24

世界(’04)  アジア

中国のジャ・ジャンクー監督作品。北京に実在する、世界の各名所を10分の1に縮小したテーマパーク「世界公園」が舞台。そこでダンサーや警備員として働く若者達の日常。

特に何が次々起こると言うわけではない、華やかさの裏で日々揺らめく人間模様。特典映像で、都会の表面には現れない人々の息遣いを描きたかった、という旨の監督談も。去っていく人々を見送ったりするリーダー格のダンサーのヒロインの、恋人との関係も含めた何とも言えない漠然とした閉塞感。

テーマパークと言うと、スイスの光の木とか綺麗だった子供の頃行った大阪万博。ふとしたことで長期アルバイトした筑波博。休憩時によく和みに行ったダイエーのピラミッド「詩人の家」。今たまに交流ある当時の仲間の一人とも、もうあの頃の話はめったにしない。ひと時の蜃気楼のような空間だけれど、確かにあそこに住んでいた、というか日々それなりに燃焼していた思い出。

タージ・マハル、ヴァチカン市国、ピラミッド、ロンドンブリッジ、エッフェル塔、凱旋門等、未踏ながら「東武ワールドスクエア」のようなミニチュアの架空の”世界”に住む若者達、そのあてどもない心象風景が、夜の閑散としたパークでライトアップされる建物群のシュールな佇まいと重なるような、不思議に甘酸っぱい後味の作品。(http://www.bitters.co.jp/sekai/index.html

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2006/8/22

クジラの島の少女(’03)  その他

気になっていたニュージーランドのニキ・カーロ監督作品。先祖がクジラに乗ってやってきた、という伝説のニュージーランドのマオリ族の末裔の一家に生まれた少女がヒロイン。

男系の後継者という伝統ゆえ、孫としては可愛がってくれていた祖父から跡継ぎとして認められない少女の孤独。彼に対する健気な訴え、努力も疎ましがられる悲しみ。

現実的に、様々な形で見られる徹底した男系の伝統の問題、ここではそれに対する素朴な憤りをじっと胸に秘め、一人素手で直接対峙し、傷つけられる少女の心の痛みの切なさ。それでも彼女の内の、クジラと通じる真の神秘的な力が起こす奇跡。

ヒロイン役ケイシャ・キャッスル=ヒューズ(この作品で13歳での史上最年少アカデミー主演女優賞にノミネートだそうで)のどこか哀愁も帯びた中性的な魅力が、「風の谷のナウシカ」にも例えられる、生まれながらにして神聖な使命感を持った少女の苦難と感動、という筋にマッチした感、でしょうか。島の伸びやかな風景や海の表情も物語を包み込むような味わい。(http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00023GS1K/249-1648289-2287547?v=glance&n=561958スタンドアップ(’05)

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2006/8/21

白い船(’02)  日本

これも実話ベースの錦織監督作品。島根の海沿いの小さな小学校から定期的に見えるフェリーとその子供達、教師達との交流の物語。音楽担当は、やはり海のイメージの一時期馴染んだ角松敏生。

あるレビュー欄に、そういう環境に住む子供にとって沖を船が通るのがそんなに珍しいこと?というコメントもあったけれど、劇中平成11年の話ながらファミコン、携帯、TV等への興味は全く見えず、素直に目の前に広がる海の沖合いを通る白い船に心魅かれる子供達。しいて言えば馴染みの小さな漁船とは違う風格に、漠然と未知の世界への憧れを見るのかも。

私は短航路やイベントでフェリーや汽船に乗った事はあるものの、本格的な船旅経験はなく、船への憧れというと、クリスティ原作の「ナイル殺人事件」やオリヴェイラ監督の「永遠の語らい」に出てきたような、優雅なクルーズや歴史を巡る船旅、またゆったり世界一周の船旅等。

でも子供時代を辿れば、井上陽水の「冷たい部屋の世界地図」の茫洋と行き交う船のイメージだったり、”沖を通る船”と言えばやはり10代前半「海を見ていた午後」の影響で、地元の海沿いや高台の岬の喫茶店へ自転車を押して雰囲気を求めに行った”ソーダ水の中を通る貨物船”だったり、後年の実際の「ドルフィン」よりピュアで切実な憧憬。そういう感情も少し思い出すような。

とにかく登場人物が、ピュアな子供達、彼らの夢を現実レベルで紡ごうとするひたむきな教師達、周囲の温かい人々、といい人達ばかりで、最近では似た雰囲気では「機関車先生」以上でしょうか。ヒロイン中村麻美の教師は、子供の心を捉えるのに苦悩している、というには浅薄な気も、ながら清潔感が作品の基調には似合っていたかと。

船に憧れる子供達の土台の舞台として、一部尾道が重なるような、子供達が坂の細い道、階段を駆け巡る小さな町。伝統舞踏神楽や、猟師として生きてきた老人(大滝秀治が渋い味)の思いや回想も。フェリーに近づくため勝手に漁船を出し捜索隊騒ぎを起こした少年達を誰も叱らなかったり、やや不自然に思える反応もありつつ、全体に、優しい御伽話のようでもあり。

”他愛ない夢の実現”を盛り上げた、見方によっては大袈裟、綺麗事過ぎ、ながらファンタジックさと温か味が残り、ヒロインの「船から手を振る、それだけでどうして涙が出るんだろう」という科白に象徴されるような、不思議な究極の素朴さ。ただ、それだけのことが、貴重な時世かも。リピーターも多かったらしい密かな珠玉作(ある意味怪作?)では。(http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=2532ハート・オブ・ザ・シー(’03)

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2006/8/20

ハート・オブ・ザ・シー(’03)  日本

錦織良成監督作品。ミュージシャン杉山清貴と’01年他界したプロボディボーダー四方田富士子さんとの実際の交流を元にした物語。

都会から千葉の外房の町に戻ってきたヒロインが、ボディボードに挑戦、その過程で富士子さんという人の存在、姿勢に興味を持ったり、地元の仲間達とビーチクリーンコンサートに杉山清貴を招いたり、という、特に挫折とか事件とか深刻な側面はない穏やかでナチュラルな日常の風景。

杉山清貴本人が出演、ギター弾き語りで「旅人〜」で始まる曲等披露のコンサートシーンがハイライト。この人と言えばやはり海のイメージで、浮かぶのは「さよならのオーシャン」だけれど、この曲名不明のバラードは浜辺での熱唱にも似合い秀逸。バーを経営するヒロインの叔父役、マイク真木はやはり千葉舞台の「ビーチボーイズ」にも出てたけれど、さすがに海が似合う渋み。

日本初の撮影・編集・上映フルデジタルムービー、とのことで、海のシーンが多かった作品で、その微妙なブルーの色合いや、バーの店内のセピアの色調の柔らかな光等も手触り感が。(http://www.digi-cine.info/白い船(’02)

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2006/8/19

モダンタイムス(’36)  アメリカ

図書館に行った際、たまたま上映会開始前で未見だったので鑑賞。久方のチャップリン、モノクロサイレント映画が妙にあっさりと新鮮。改めて彼の天性のコミカルな容貌・動き、工場の様々な機械類と人との絡みや、パブでダンスする客の合間を縫ってオーダーを運ぶ際等の画面構成の面白さ。話的には、彼が行きがかり上不良少女(ポーレット・ゴダード)と共に歩んでいくことになるほのぼのコメディ。

大量生産時代幕開けの頃の人間性が機械に振り回される風刺。検索中、あるIT企業家の文があり、高度成長期、あくまで人間主役の方が生産性が高いとされてきたものの、最近は電子メール、携帯電話等の波と共に「モダンタイムス」の時代に逆戻りした、旨のコメントが。

個人レベルで、今は仕事でもITと縁がなく携帯も持たずPCだけだけれど、今更ながら日々どこから、誰からともなく発せられる夥しい情報(言葉・映像)の洪水。改めて、その数、量、勢いに翻弄されず、本当に必要なものだけを選び取りながら付き合いたいものです。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%B9チャールズ・チャップリン

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2006/8/17

カルテット(’01)  日本

様々な映画音楽を手掛ける久石譲の監督作品。音大出身の4人が弦楽四重奏を組むことになる物語。才気ゆえ突っ走っていた主人公が、経験を経て”カルテット”での演奏に愛着を持つ。

主人公袴田吉彦が中心だったものの、4人それぞれの背景、音楽(楽器)への思いがあり、それらが集まって仕上げていくメイン曲、久石メロディーらしい旋律の「カルテット」が耳に残る作品。

音楽関係者から見れば突っ込み所もあるらしいものの、昨年の「この胸いっぱいの愛を」よりはクラシック音楽を扱った映画としては、音楽自体の良さが印象に残った作品。地方でのアルバイトで花火大会の折に何気なく「となりのトトロ」が演奏されていたり。

「高校教師」以来見かけた桜井幸子、三浦友和、藤村俊二といった所の主人公達を見守る布陣もそれぞれ個性の味わいが。(http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005Y0ZP/503-9609213-0123145?v=glance&n=5619584MOVEMENT(’01)

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2006/8/16

松任谷由実コンサート THE LAST WEDNESDAY  音楽

ユーミンのツアー「THE LAST WEDNESDAY」追加公演13日(日)代々木体育館にて。

恒例の逗子マリーナコンサートが会場の都合で中止になり、その意味合いもあってのツアー名だそうで、曲目も夏の曲が中心。ブルーと白のワンピース姿で登場。ニューアルバム「A GIRL IN SUMMER」も未だノータッチで、離れてしまったけれど、やはり馴染みのナンバーにはこの世界へ”帰ってきた”感触。「シーズンオフの心には」「Hello,my friend」あたりではイントロで反射的にこみ上げるものに潤んでしまう。繊細なものの放つ力強さに、久方に潤うというか。

会場中央に移動してのアコースティックでの「やさしさに包まれたなら」、「ずっとそばに」「TYPHOON」のバラードに、「ハートブレイク」「リフレインが叫んでる」「埠頭を渡る風」等、でアンコールに「守ってあげたい」「Forgiveness」締めは「DESTINY」。

で、明かりもつき会場を出ようとしていたら思いがけずユーミン再登場、武部聰志のピアノ共に「卒業写真」を熱唱、のおまけつき。本当のツアー最終日、という彼女の感慨も伝わってきたようなエンディング。(http://www.yuming-fc.net/lastwed_tour/index.htmlあの歌がきこえる「魔法の鏡」「海を見ていた午後」「卒業写真」

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2006/8/11

いちばん美しい夏(’01)  日本

(音楽家とは同姓同名別人の)イギリスのジョン・ウィリアムズ監督作品。都会での両親とも摩擦がある暮らしから、夏休み親戚の田舎にやってきた茶髪、タバコも吸う女子高生のヒロイン。

そこでの川や緑ののどかな自然の中、世話を頼まれた遠い親戚のおばあさんと彼女とのミスマッチな関係が、世代を超えて、徐々に寄り添っていく過程、まるで性格が違うナイーブないとこの少女に対して、いつしか生まれてくる愛着、友情。彼女らの会話が優しく温かい。そういったものが、現代的なクールな部分もありながら、何気ない日常の中で息づく柔らかさを持つ作品。

メイキングでは小津監督の影響も受けての作品、とのことで、外人監督が繊細に切り取った日本の”何気ない美”が漂う珠玉作。(http://www.100meterfilms.com/firefly/jp/index.html


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2006/8/7

紙屋悦子の青春(’06) AOLブログトークスレッド  日本

「紙屋悦子の青春」

 スレッドマスター:- BLOG
アクセス数:4766
投稿日時 2006/8/7 22:15:08
更新日時 2006/10/3 8:14:36

今週末12日(土)東京岩波ホールでの公開が皮切り、順次全国公開される「紙屋悦子の青春」(←関連サイトです)、やや先になるかもしれませんが、出来れば初日舞台挨拶と共に見てきたいと。

4月に他界した黒木和雄監督の遺作で、何度か他スレッドでも触れたことがありますが、同監督の戦争レクイエム3部作「TOMORROW 明日」(明日丁度放映が、という折もあり今スレ立てましたが)「父と暮らせば」「美しい夏キリシマ」等での、戦時下の市井の人々の心情描写が印象深く、追悼の意、というのと、ヒロインが往年のファン原田知世とのことで注目作でした。他に出演は「隠し爪、鬼の剣」以来の永瀬正敏、松岡俊介、小林薫、本上まなみ等。

丁度東京では公開の時節柄終戦期にも重なり、昭和20年、敗戦色が漂う鹿児島が舞台、ヒロインの娘と特攻隊として出撃する運命にある青年。もう一人の彼女に魅かれる若者。その戦時下での青春の葛藤を描いた物語のようで、やはり3部作の延長の戦争レクイエム、の趣でしょうか。

今後ご覧になる方、なる予定の方の感想・批評、コメントある方等自由にどうぞ!(投稿でもメールでも結構です。後者で返事不要の場合はその旨記入下さい)




7 お知らせ

投稿者:- 投稿日時 2006/8/17 18:36:15
更新日時 2006/8/17 21:01:23

改めて書くのも妙かもしれませんが、私はとりあえずここでの定期的な投稿は終了したいと思います(自スレッドに投稿頂けば、基本的にそのお返事はしますので、今後も投稿は歓迎です)。一言では言えませんが、このAOL映画欄で起こってきた様々な出来事が脳裏にあり、楽しい事と共に小社会として見て理不尽さへの憤りもあり、共存し難い姿勢もあります。自分では単純、率直なやり取りを願っているものに、ズレがあったりということもあるでしょうか。

不器用な自分には向いていない気も折々しつつ、常連のintさんはじめ投稿頂いたりやり取りすることで今まで投稿し続けてきましたが、私自身、映画の感想を率直に交換し合うという楽しみというより、いつしか、一言で言いにくいですが、メンタル的な負担も覚えながらやってきました。落ち着いて楽しく意見交換をしにくい状況、というのもありますし、そこを自分にとっては無理押しし続けて、というのも、参加の意味がないとも思えます。

また、どうあっても投稿したい事項があれば書くこともあるかとは思いますし、やはり基本姿勢として、流れ的に、作品を見た際はスレッドを立て感想募集と共に書き込んでいきたいですし、そういう作品があればその形を取るとは思いますが、自分自身、余りメジャー作志向ではない、ということもありますし、基本的にダイアリーの方に重点を置いてマイペースで書き込んでいければと。もし気が向けば、書き込み可にしていますので、コメント下さい。

この「紙屋悦子の青春」が最新に見た作品、というのも私にとって象徴的でした。言葉にすると陳腐ですけれど、今後も映画、DVD等見ることによって気分転換、心豊かになる方向に活用したいとは思います。どう思われていたかはわかりませんが、とりあえず今まで自分のスレッドに投稿、読んで頂いてきた皆さん、有難うございました。



6 「父と暮らせば」、本作海外公開

投稿者:- 投稿日時 2006/8/17 18:04:39
更新日時 2006/8/17 18:04:39

黒木監督作品の「父と暮らせば」が、アジア、中近東等10カ国以上で公開されることが決定したというニュースが。昨年新聞記事で、この芝居版も、現代戯曲としては異例で、6ヶ国語に翻訳され海外にも広がっておりこまつ座も香港やモスクワで字幕付きで公演、原作者井上ひさし氏の元には、海外から「原爆を落とされた日本人が、仕返しをするという発想ではなく、この悲劇が人類の上に繰り返されないようにと考えていることに感銘を受けた」という反響が寄せられ、氏は「被爆者の思いが理解され、広がっているのだと思う」と語っていたというような旨ありましたが、映画の方もそういう広がりを見せるでしょうか。また、本作も海外公開に向けて準備中、とのことです。



5 静かな反戦珠玉作

投稿者:Autumn 投稿日時 2006/8/13 23:09:15
更新日時 2006/8/13 23:09:15

病院の屋上、冬の寒空の下、老夫婦が寄り添って静かな回想へ、という導入。昭和20年の鹿児島の一軒尾の家でヒロイン悦子と兄夫婦とのつつましい暮らし。

何気ない会話がテンポ良く続くのは、やはり戯曲が原作の「父と暮らせば」同様ですが、コメディでもないのに、夫婦や、悦子と見合いに訪れた二人の少尉達との間の、素朴なやり取りの妙にしばしば笑いが起こったり。

特別なことが起こるわけでなく、本当に何気ない終戦近い頃のある一家の風景を切り取った、という流れですが、TV特集でも言われていましたが、そこには、心底納得している訳ではないけれど流れで戦地に、特攻隊に赴かねばならない青年や、戦争に賛同しなければならない人々の”非日常の中の日常”の戸惑いのような空気が流れており、そういう点が切なく、互いに対して優しい心情に見られたり。

また、(3でも触れていましたが)黒木監督は戦時中友人が目前で銃弾に倒れるという体験を持ち、TV特集の中で、文芸評論家の加藤典洋氏が、それが元でPTSD(心的外傷後ストレス障害)になった、と述べていましたが、そういうことが、目線的に市井の人々の暮らし、心情を淡々と描くという”戦闘シーンのない戦争映画”の趣が生まれたルーツかと、改めて。

”反戦映画”というには戦争レクイエム3部作と比べても、一見穏やかな作品ながら、やはり底辺に漂う切実さは”やんわりとした反戦珠玉作”かと。これを加えて戦争レクイエム4部作、のようですが、黒木監督の遺作として静かな感慨、という所でした。



4 舞台挨拶

投稿者:Autumn 投稿日時 2006/8/13 22:13:42
更新日時 2006/8/13 22:13:42

昨日見てきましたが、まず舞台挨拶、岩波ホールでは戦争レクイエム3部作を上映した関連もあり、総支配人高野悦子さんの挨拶に続いて、原田知世、永瀬正敏、本上まなみ、小林薫がそれぞれ短く黒木監督との思い出(エピソード)を披露、共通して「今日もどこかで見て下さっていると思う」旨の言葉をはさんでいました。全席指定で割り当てがやや後方の端で、せっかくながら余りはっきり顔が見えませんでしたが、注目の原田知世、本人を直接見たのは初めてでしたが黒のワンピース姿で、早口で話す楚々とした様子がイメージ通り、という所でしょうか。



3 ETV特集

投稿者:Autumn 投稿日時 2006/8/11 22:53:57
更新日時 2006/8/11 22:53:57

明日(12日(土))PM10時〜NHK教育テレビ「ETV特集」で、「戦争へのまなざし〜映画作家・黒木和雄の世界」として、「紙屋悦子の青春」の50時間のメイキング映像と共に、戦争にこだわった同監督の背景を探っていくという趣のようです。

この紹介文にもありますが、「美しい夏キリシマ」の主人公の少年を通しても描かれていたような、戦争時の体験に対する”うしろめたさ”というある意味ナイーブな思いが核にある感もあり、それが心情的にどこか作品の人物の”痛み”への共感というか、真摯に感じられる部分では、とも。明日初日、一応舞台挨拶用の券は入手して明日見に行く予定ですが、この番組も気になる所です。



2 >1 天声人語

投稿者:Autumn 投稿日時 2006/8/10 11:29:38
更新日時 2006/8/10 11:29:38

たまたま「・・しりとり」スレッドでも触れましたが、昨日付けの朝日新聞朝刊の「天声人語」で、丁度長崎の原爆の日の折か、「TOMORROW 明日」について取り上げられており、その記事サイトがあったので。先日録画しつつ放映を見ましたが、淡々と営まれる人々の暮らしの描写、それと対照を成すラストの一瞬の容赦ない結末。改めて一日一日の”明日”が保障されていない戦時中の生活、アジア近隣不穏な情勢はあるものの”明日”はとりあえずやってくるであろう現代の日本での日々の中の暮らしの中で、些細な事に心煩わす不毛さを思わされたりする作品。

黒木監督の他作品についても、コメントあればどうぞ!



1 TOMORROW 明日放映

投稿者:Autumn 投稿日時 2006/8/7 22:22:10
更新日時 2006/8/7 22:22:10

明日(8日(火))PM1:30〜テレビ東京午後のロードショーでの邦画は珍しいですが、黒木監督の「TOMORROW 明日」(’88)放映です。上記のように戦争レクイエム3部作の一つで、原作井上光晴、他の2作同様直接的な戦闘シーンはありませんが、原爆が投下される前日の長崎の人々のごく普通の暮らしを描いており、個人的には3作の中で最も印象深い作品です。出演桃井かおり、南果歩、仙道敦子等。
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