2006/10/6

空中庭園(’05)  日本

色々あって公開も危ぶまれた豊田利晃監督作品。原作は角田光代の小説。余り見たい題材、ではなく多少敬遠気味だったものの、やはり「風花」(’01相米慎二監督)以来の色々受賞もしたらしい小泉今日子主演作、という興味で引っかかっていた作品。

隠し事のない明け透けに何でも話し合う家族、という仮面の裏のそれぞれの過去の傷、わだかまり、逃げ道、欲望等、笑顔の裏側のそれらのドロドロした渦が、ふとした時に言葉になって噴出するシーンは、あたかも妙にリアルなホラーのようでもあり。

ヒロインがそういうものを被って築く”家庭”自体が、あたかも人工的で清潔なマンションのベランダに浮かぶ彼女の夢の花園、のようで、それが息子に言われる”思い込み”の結晶、であってもその場所で、日々暮らしていく、という映像としてのシュールさ・ソフトさの中の刹那的な優しさと切なさ。幼い頃の母との思い出の尾を引く確執、緩やかな許し等、折しも昨日私の母の誕生日でもあったりして思う所もあり、様々な人の言葉になりにくい心情にも重なりそうな微妙な後味の、問題作。

もはやキョンキョンと呼ぶのも、という彼女、ファン、というわけではないものの、シンガーとしての主演映画「ボクの彼女に手を出すな」(’86中原俊監督)のテーマ曲「木枯らしに抱かれて」、「夜明けのMEW」「Fade Out」「LaLaLa・・」等結構個性的いい曲だと思って好きだったし、モノクロでコメント入りの「人生らしいね」(’88)というシンプルな写真集も買い、その女性カメラマンの20才頃の彼女に対する、単なるアイドルでなく「ジェントルな野生の匂いが」との言葉が印象的。

CMの女王として万人受けしてきた笑顔、が本作でも作品の"表向きの顔”となるものの、「風花」でも見せた、陰影ある心情、表情の深みも合わせ持つ中堅女優に、とも改めて思った作品。(http://kuutyuu.com/http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000ENUYRC

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