2008/2/29

工藤夕貴、ジャームッシュ作品に  分類なし

工藤夕貴が19年ぶりに、ジム・ジャームッシュ作品に出演、のニュース、永瀬正敏と共に抜擢された若い頃の「ミステリー・トレイン」での、コケティッシュな演技が記憶に。何度か触れていたけれど、その後「ピクチャー・ブライド」「ヒマラヤ杉に降る雪」等で海外進出、「ヒマラヤ・・」でのイーサン・ホーク相手の抑え目ながら堂々たる演技、「風の絨毯」「SAYURI」等にも出ていて、ファン、という類ではないけれど”引っかかる”俳優の一人。

私生活では、余り大きな話題にはならなかったけれど離婚、お父さん井沢八郎氏の悲報、等あり、最近は「佐賀の・・」で見かけたり、「ソロモン流」で田舎で自給自足生活を送っている様子、とか見て、色々経た末、邦画拠点にしたのかと思っていたら、昨年「ラッシュアワー」というハリウッド作品に出演していたようで。今回ビル・マーレイ等とも共演、作品はスペイン舞台、内容は詳細不明だけれど、オフビートなジャームッシュ作品での、再び工藤夕貴の姿、というのも気になる所。(http://news.aol.co.jp/story/news.date=20080227175600&company=11&genre

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2008/2/28

神童(’07)  日本

昨年公開の萩生田宏治監督作品。クラシック音楽、ピアノ題材とのことで気になっていた作品。原作はコミックらしく、母と暮すピアノの天才少女と、音大を目指す浪人生の交流の物語。

冒頭や、途中イメージ的に登場する静かな沼のシーンが、澄んだ世界、のイメージで印象的。松山ケンイチは「ドルフィン・・」で書いていたように、脇役固め的かと思っていたら、やはり主役クラスもそう違和感ない存在感、今回の音楽青年が一番力まず自然に演じている気がした。

後半現れた声楽の女性は、「スウィングガールズ」以来の貫地谷しほりだった、とはクレジットで気付き、Yuming Filmsの本仮屋ユイカ同様、若手女優らしく、というか彼女の方は女っぽく変身。2人のピアノは本職者の演奏だったようだけれど、成海璃子(やや宇多田ヒカル似のような)は実際鍵盤に触れているシーンもあって、ピアノの心得はあるのかもしれない。

2人の間に、彼女の嫉妬の感情とかは起こっても、純愛というより、音楽を通した同志的関係。彼の受験時の渾身の演奏と共にハイライト、有名ピアニストが病気でいきなり無名少女にコンサート代役指名、はどうにも現実離れ、「私は音楽」という科白も鼻白む感もあったけれど、周囲の目さておき真っ当な機会に、弾きたいから、弾くだけ、という混じり気ない純な少女のルーツが伝わってきたシーン。そういうものは現実社会では曲解され存在しにくい、やはり芸術ジャンル、という世界で機会を得て息づくものかと。

子供時代家にオルガンがあり、ヤマハ教室に通ったりした、郷愁が少し。母から、終了時今後もピアノでも私のレッスンを続ければ、と言われた、と聞いたけれど、そうするには環境、それをせがむ強い意志とか欠けていた。今、合間を縫ってでも、オルガンやピアノに向かったら、どうなのか、ふと思ったり、だけれど、道を行くには縁のなかった世界、なんだろう。この作品に漂う空気は感覚にフィットした方だけれど、終盤やや中途半端なまま、なし崩し的に終わってしまった。

スパムも収まった事でスレッドにも当面、何はともあれ、私の出来る範囲で、書ける事は書いていったりTB等も、と思ってはいるのだけれど、最近仕事の切れ目、はともかく授業合間に投稿の習性、これは昨日生徒にふとした事もあって、反省。DVD新版「ビルマ・・」は在庫戻っていたけれど、「フレンチ・・」は出払っていた。(http://www.amazon.co.jp/%E7%A5%9E%E7%AB%A5-%E6%88%90%E6%B5%B7%E7%

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2008/2/27

私のちいさなピアニスト(’06)  アジア

先日新作DVDリリースのクォン・ヒョンジン監督作品。これもクラシック、ピアノ作品、ソウル郊外に小さなピアノ教室を開いたヒロインと、天才的素質を持つ少年が出会い、触れ合いを描く物語。

一流ピアニスト路線からはずれた教師と、粗野な祖母と暮す少年。身元も引き受け、紆余曲折しながらのレッスン。まあお伽話的、途中冗長な感もあったけれど、「トロイメライ」の旋律等バックに、ピアノを通して、落ちこぼれ的な2人が、互いを必要としながら過ごす日々が、微笑ましかった。邦画だと甘くなりそうな所、環境による分かれ道や、突き放す部分等、ある種シビアさも。

少年役の子は、本人がかなり上手く弾いている、と思ったら、コンクール優賞歴のある、実際の天才少年、とのことでリアリティが。成長後のコンサートへの流れも、「神童」より自然。少年が、野外で、様々な動物、水、風等をイメージして即興で弾くシーンが印象的。教師に仄かな思いを抱いて2人を見守る、パク・ヨンウが温かくいい味。「永遠の片想い」に出ていたのだった。

少年が抱えるトラウマ、両親を亡くした車の事故での光景で、光への怯え、自体は誤解されたり、結局語られる、理解される事はなかったけれど、共有する音楽を通して繋がって歩を進める、という希望の後味も。先日のマリア・カラスの歌声も、だけれど改めてピアノの音色、というのは世知辛さもある日常での、理屈抜きの浄化作用(と思いたい)。一昨夜「SONGS ELT」録画。(http://www.amazon.co.jp/%E7%A7%http://www.cinematopics.com/cinema/works/

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2008/2/27

SONGS 甲斐よしひろ  音楽

先週の「SONGS」は一昨夜再放送録画を見た甲斐よしひろ。甲斐バンド時代、アルバム何枚か等馴染みがあった、という所。この人も結構久し振り。解散のままかと思っていたら’00年に再結成していた、と。歌ったのは「HERO」「風の中の火のように」「裏切りの街角」「駅」彼を敬愛するギタリスト押尾コータローとの「安奈」。

デビュー曲の「バス通り」は不本意だったそうだけれど、You tubeで改めて聞くと、甲斐よしひろの哀愁帯びた声質がフォーク調に似合っていなくもない味わい。でもやはりその後の「裏切り・・」や、「かりそめのスイング」「ポップコーンをほおばって」等疾走感ある曲が、頭に刻まれている。何というか、一本筋の通った男臭さのバンド、というイメージ。マイベストはバラードの「光と影」

今回カバーアルバムからの竹内まりやの「駅」にはやや驚き、徳永英明等ならともかく、この人と竹内まりや、はどうにも繋がらないと思っていたけれど、意外にしっとり歌い上げたのは、年輪の幅、かもしれないけれど、この人がこなすなら、大抵の硬派男性シンガーでも、とは思えた。(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/index.html

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2008/2/25

サマータイムマシン・ブルース(’05)  日本

先週土曜深夜放映一部オンタイム、録画を見た本広克行監督作品。公開当時上野樹里出演作、ということもあってやや気になった作品。戯曲が元、大学のSF研究部に突如現れたタイムマシン、を巡って巻き起こるSFコメディ。

序盤小刻みな暗転、カメラワークも様々、後のタイムスリップでシーンの辻褄が(合うような合わないような)、という展開。主に2日間だけの密室的タイムトリップ、昔の街の伝説にも繋がったり、画面の上下分割で”今日”と”昨日”同時中継等、面白さと忙しなさが半々位。

「バブル・・」のような日本の経済を救う、という大義名分もなく、のんびり夏を過ごす瑛太らSF部員達が、単に壊れたクーラーのリモコンを求めて、という、他愛なく脱力的タイムスリップもの。

レトロな映画館が似合った寺社のあるひなびた街並み、夏らしい陽炎、背景の学校の緑が伸びやか、一時ああいう夏休み、にスリップしたくなるような。最後のクレジットでは香川工科大学、と。上野樹里は思えば「虹の女神」でもカメラ少女、だった。未来のSF部員達のおそろいの髪型が可笑しかった。

タイムスリップもので「時をかける少女」等では、ある時間帯(のシーン)に同人物が2人登場しない、出来ない、というタブーがあったけれど、そういう事は全くお構いなし、のようで、そもそもSF、正解などないけれど、そのタブーの方が、生理的に筋が通っている、と思えたりする所だけれど。

部員が未来へ戻るシーンで流れたのは「アローン・アゲイン」、近頃ラジオ講座で意外にシビアな歌詞、と知ったのだったけれど、曲のムードはこの作品のゆるさ、にフィットの気が。昨夜「NHKアーカイブス映画監督・市川崑特集」録画。(http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%

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2008/2/23

ジャン・ルノワールと黒澤監督  分類なし

(昨日後ろに書いたジャンと黒澤監督トピックは、少し加えて別にしておこうと)近隣店ではジャン・ルノワール作品在庫は「フレンチ・カンカン」「どん底」「スワンプ・ウォーター」があった。ネットレンタルでは今の所見当たらない。展示会の公式ガイドに、同じゴーリキー原作「どん底」の、未見だけれど黒澤作品との比較があり、暖かく柔和な光に包まれたジャンに対し、はっきりしたモノクロのコントラストでエネルギーを放出する黒澤、と。

画家を父に持つジャンと、画家として出発した黒澤監督、という、絵画愛→映画愛への昇華、という共通点も挙げられ、数年前、黒澤監督の原画展を見に行ったのを思い出し、カード置き場を探すと「夢」の「日照り雨」の野原の向こうの虹シーン、映像化されなかった「遊ぶ」の少年と天使が空を飛ぶシャガールタッチのスケッチのカード、があったりしたけれど、そう言えば、という所。

2人の晩年のオムニバス作品「ジャン・ルノワールの小劇場」「夢」で、自由な様式美が描かれ、それは彼らが拘わり続けた”絵画”という原点=終着点でもあった、という記述もあって、「夢」の中の、寺尾聡がゴッホの絵の中に入り込んでいったユニークな作品等は、思えば、ストレートな絵画への愛着、が。

「ルノワールへの言葉」というコーナーに、ヴィスコンティ、ゴーギャン、淀川さんらに混じって黒澤監督の「・・この人のように年をとりたい、と思わせられた・・」等敬意を表したコメントもあり、やや世代は下でも、面識があったようで、作品に何らかの影響もあったのだろうか、と、再度、幅広さを思ったりした。

昨夜放映の、オマー・シャリフと吉永小百合が出ている興味もあって「天国の大罪」をオンタイムで、少し後からの重なる「サマータイムマシン・ブルース」を録画、と思ったけれど、「天国・・」は序盤で中断、「サマー・・」を少し見て録画。

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2008/2/22

アフガニスタンと私  分類なし

火曜日の朝日新聞アジア欄に、「アフガニスタンと私 映画が国を変える力に」タイトルで、アジア映画の宣伝・普及する「チャンネルアジア」主宰者旦匡子(だんきょうこ)さんのトピックが。

’01年タリバン時代のアフガニスタン舞台の「カンダハール」('01)に衝撃を受け、買い付け、9.11テロとアフガン攻撃の折、注目され、各地で上映された、という経緯。

これはイラン作品、という事もあり、ビデオで見て、当時の感想を見直すと、半ドキュメンタリータッチで、タリバン政権下、コーランと武器の知識を叩き込まれる少年達、等のシビアな様子、空からパラシュートで舞い落ちる義足、それに必死に松葉杖で向かう地雷で足を失った人々、砂漠背景の女性のまとうカラフルなブルガ、等の鮮烈な映像、+撮影場所のイランとの国境では、テロを避けて転々、そこにいる瀕死の難民のためスタッフが毛布とパンを運んだ、等の実際のエピソード等、目からウロコ、と書いていたけれど、イラン作品の中でも、やや特殊なインパクトの残った作品だった。

旦さんはそれが縁で「アフガニスタン子ども教育運動」(ACEM)活動に携わり、アフガン人バルマク監督と連絡をとっていて、同監督「アフガン零年」のヒロイン、カブールに住む今18才のマリナ・ゴルバハーリから、1月に「今英語を教えていて幸せです」とメールが届いた、と。「アフガン・・」は4年前劇場で見て、何とも重い後味の覚え。(http://diary.jp.aol.com/mb/bbs/entertainment/

マリナは路上で物乞いしていた所、同監督にスカウトされた、という経緯も頭に残り、今でも「そこに生まれた、ただそれだけで」の、最もやるせなく哀しい瞳の少女ヒロインの一人、だったとは思うけれど、その暮らしの改善、消息が、思わず先日紙面で知れた、のだった。

「映画や教育がアフガンを少しずつ変えていくと信じたい」と結ばれていたけれど、アフガニスタンでの不幸、は概して日本での不幸、とは足元から異質、先日「君のためなら千回でも」という作品も知ったのだったけれど、以前は興味も向かなかった、そういう舞台の作品を見る事によって、そういう異質さが、率直に言えば何らかのカタルシス、になったりもするのだけれど、なかなか子供含めて、当然のような日本の平和の有難さ、が実感は、出来ないものだと。ある意味、幸福への、心の麻痺、のようでも。

旦さんは、一昨年DVDで見た、イスラムの女性の自立の姿を描いたユニークなオムニバスのマフマルバフ脚本で夫人が監督の「私が女になった日」も扱ったようだった。(http://www.gaga.ne.jp/became_women/私が女になった日('00)

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2008/2/21

ルノワール+ルノワール展  文化・芸術・映画

昨日渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムでの、ぴあの「ルノワール+ルノワール展」読者貸切鑑賞会に。音声解説機も無料、観客数も少なくゆったり。

家族、自然、モデル等、ジャンル別に展示のルノワールの作品に混じって、絵+それに影響を受けたジャンの映画映像、のペアが10組程並べられ、判りやすく、好きなルノワール+遺伝子を継いだ映画作品との関係、という最近の中でも結構見入った展示。母と行き、特に美術好きではないけれど、父の絵の息子の映画への影響が判ったし今までの展覧会の中でも良かった、と。

やはり「動くルノワール」の趣で、「陽光の中の裸婦」の影響を受け、自然の中の女性の美しさを描き、コレット荘のあるカーニュで撮影された、という「草の上の昼食」('59)、カードを持っていた「ぶらんこ」の衣装もそのまま絵から抜け出したような「ピクニック」('36)、カードを買った「田舎のダンス」の陽気な雰囲気のイングリッド・バーグマン主演の「恋多き女」('56)等、折あれば見てみたいと思った。

先日見かけた2作品だけかと思ったら、結構DVD化されているようで、売り場に並んでいたし、ガイドにも載っていた。レンタル店では余りなさそうではあるけれど、今度チェックを。なければ、今並行して「ジャン・ルノワールの世界」として3会場で上映も行われているようで、日程を見て考えようかと。

バーグマン、と言えば、単独で映像があった「スワンプ・ウォーター」という作品だったか、実際の殺人事件を元にしており、イタリアのネオリアリズムにも影響を与えた、と音声解説があり、その幅広さ、を思ったけれど、一瞬ロッセリーニ等の「父」、でもあるのかと、後で検索すると、10才位年下ではあるけれど同年代と言っていいのか、彼もヌーヴェルヴァーグの父、なのだった。かなり前に見た「イタリア旅行」「無防備都市」「ドイツ零年」のシュールな作品の覚え。

カードを買ったのは「田舎・・」の他は「コロナ・ロマノ、バラの若い女」、公式ガイドブック(↓)と最近では珍しく図録も。母は「田舎・・」のモデル、ルノワールの妻アリーヌの肖像カードを買っていた。部屋にずっとある一番大きなポスターは、ルノワールの「踊り子」、改めて、数々のモデルの存在に、女性美に心底魅せられた画家だった、というのと、今になって、かもしれないけれど、好きな画家がこれ程映画とルーツ的関わりがあった、という事実に感慨、のやや異例の展示会だった。昨夜「SONGS 甲斐よしひろ」後半見たけれど録画し損ね、再放送で。(http://www.ntv.co.jp/renoir/

(C)ぴあ株式会社
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2008/2/20

武部聡志  音楽

昨日夕方「プロフェッショナル 武部聡志」再放送を録画しようと思っていたのに、し損ね、最近そういう事が多い。ユーミンコンサートのキーボードや音楽監修で名を知り、いい曲、と思ったら絡んでいることが、というミュージシャン。

武部作品マイベストは、松たか子の「桜の雨、いつか」と一青窈「もらい泣き」が双璧。数年前レコード大賞での「もらい泣き」受賞の時や、昨年の「紅白」で誰かのバックにいたり、ふとした時に、見かける人。「シャングリラV」の時もいたとは思う。

ユーミンの曲をピアノアレンジしたこの人の「PIANO MAN」は、いつか聞こう、とは思っているアルバム。前にも書いていたけれど「残暑」「霧雨でみえない」等入っているのも好ましい。思い立ってチェックしてみたけれど、近くの店には在庫はなかった。「・・U」も出ているようで、ユーミン作品では「A HAPPY NEW YEAR」「もらい泣き」も入っていると。

先日AOLから知らせがあった画像認証設定が、昨日から、ダイアリーとAOL会員のみスレッドは認意ながら、強制オンになったようで、スパムが止んではいる。やっと、心穏かに、投稿出来る日が来たのか、束の間の平穏か。映画欄でも1年程前からひどくなって、気にするだけ無駄、とは思いつつ、出来る範囲で、映画の感想を書いたり、映画トピックで共通項を募る、真っ当、な投稿者にとって、派生的にも、どれほど嫌な思いをしてきたか、言葉に尽くせない。この平穏が続くよう、心から願いたい所。(http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/080212/index.html

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2008/2/18

ルノワール+ルノワール 2人の天才が愛した女性  文化・芸術・映画

先週月曜午後放映録画を見た番組。今渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ルノワール+ルノワール展」関連、画家と映画監督の父子が共に愛し、二人に大きな影響を与えた、という謎の女性を追う、という構成。レポーターは小池栄子と西村雅彦。

ルノワール(ルノアール、の方が呼び馴染みが。「喫茶ルノアール」はゆったりしたスペースで居心地よく好きな方)は、モネと並んで好きな画家。モデルになった6人の女性が登場。手元のカード31枚中見られる顔も。カードがある「都会のダンス」のモデル、4人目に挙げられた美貌のシュザンヌ・ヴァラドンは、ユトリロの未婚の母、というのは聞き覚えあったけれど、その父はルノワール説、というのは初耳だった。

冒頭、発明されたばかりのシネマトグラフ、という映写機での、キャンバスに向かったり、煙草で一服する晩年のルノワールの、動く姿、も珍しかった。晩年を過ごした、という南仏カーニュの、今はルノワール美術館らしいコレット荘(中程)、を小池栄子が訪れ、ルノワールのひ孫の人に取材していたけれど、ゆったりした室内、アトリエや、庭のオリーブの木へのルノワールの愛着等、憧れの、モネの晩年のシベルニーの家・庭に当たるような場、が垣間見られ、少し感慨。

少女や女性の長い髪を描くのが好きだったので、3人の息子に、髪を長くさせ、少女のような姿の肖像画もあったりして、芸術家一家ぶり、の一端も。

ルノワールの最後のモデル、6人目のアンドレ・ヘスリング(通称デデ)が、最後の製作活力を与え、ジャンの妻になり、チャップリンの作品で映画に興味を持ってはいたけれど、女優志望の美しい妻をスターにしたい、というのが映画を撮り始めたきっかけだった、との事で、彼女が2人の運命の女性。

その活力が、2人の芸術家の意欲を煽ったのは確かなようだけれど、自分の女優の力量に勘違い的な所もあり、日常もかなりエキセントリックなタイプ、結局ジャンともトーキーへの変遷時に別れ、彼はその決別によって、真の芸術家への道を歩んだ、と。

ジャンの作品は未見、今回「カトリーヌ」「女優ナナ」「牝犬」「ピクニック」「恋多き女」「フレンチ・カンカン」、ジャン、デデ、息子アラン出演の「可愛いリリ」等作品の一部が見られたのも、珍しく貴重というか。「カトリーヌ」でのデデを乗せた列車が暴走する映像が面白いと思ったり、「ピクニック」等で、そう言われれば、ルノワールの絵を思わすようなシーンも。

作品名を聞いた覚えは「女優ナナ」位、昔の映画監督、とは聞いていたけれど、サイレント→トーキー時代への過渡期の人で、スタジオを出てのロケーション撮影や、映像と音声の同時録音の先駆者で「ヌーヴェルヴァーグの父」、若い映画人、ゴダール、ヴィスコンティ、トリュフォーらの父的存在だった、というのは、今回初めて知り、父が屋外での製作の印象派、という新しい絵画分野開拓者の一人、だったように、息子も映画の世界で、同様な屋外への進出含む、新しい手法を広げた人物だった、というのは今更ながら、少し感慨も。

父が生涯かけてキャンバスに表現し続けた暖かな光、溢れる色彩、ほとばしる生命力の世界を、息子は銀幕の世界で表現した、という旨のナレーション、「私は父が自分に与えた影響を明らかにするために一生を送った」というテロップ。

昨年「春のめざめ」という、動く印象派の絵画、のような作品に興味引かれて見に行った。「ルノワールの世界」を動かしたような、という作品なら、見てみたい気はするけれど、DVD化しているジャンの作品は目にした限りモノクロの「カトリーヌ」「女優ナナ」のみのようだけれど。

サイレント時代、映画制作費用に困り、父の絵を一枚一枚売っていった、というエピソードもあり、それが父への裏切りに思えた、という回想もあったけれど、ルノワールという大画家の遺産、があったからこそ、紆余曲折後に新たな映画の開拓も、と思えば何か芸術ジャンルの運命的、な感も。

明後日の、ぴあの招待券が来ていた「ルノワール+ルノワール展」読者貸切鑑賞会は、何とか都合がついて行けそうで、その予習、としても役立ちそうな番組だった。昨夜NHK教育で「市川崑さんをしのんで」という以前のドキュメンタリー番組の放映があったと気付き、問い合わせても今は再放送予定はないとの事で、残念。 (http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/http://www.ntv.co.jp/renoir/ルノワール+ルノワール展

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2008/2/17

東京タワー オカンと、ボクと、時々オトン(’07)  日本

昨年公開の松岡錠司監督作品。原作は未読だけれどリリー・フランキーの自伝、家族、というものを思った折もあり、主人公が田舎から上京、後に上京の母と二人暮しの物語、ということでも見ておきたくなって先日見た作品。

明るく暮しつつ中盤から病に苦しむ母と、美術大卒、仕事を探りつつ、の主人公の気丈な日々。たしかに父のオトン、の存在は、時々、だった。幼少時父と離れ、母と恋人の逢瀬のホテルで、母の姿を館内探して走り回ったりする姿が、子供心の無意識の寂しさが出ていて健気。

オダギリ・ジョーの主人公の、留年路線の大学生活の怠惰な様子は、何気なくリアル。母役を、内田也哉子→樹木希林が演じていたけれど、その境目の所ではやはり実際の母娘、とはいえキャラクターの違い、というか、やや違和感が。

江國香織原作の黒木&岡田の都会的「東京タワー」とは、180度違う、同じ東京タワー背景でも、地に足が着いた庶民的、というのか、ただマザコン的というより、自然な絆、のようなくだりは、主人公の友人達に溶け込む母の陽気な性格とか周りの人間関係含め、破綻なく立派すぎ。にしても、ややしみじみ我が身を顧みさせられるものがあったりはしたけれど、

一昨夜発表の日本アカデミー賞で、この作品が最多の5冠、今回アカデミー外国語映画賞日本代表の「それでもボクは・・」の時も思って書いたけれど、やはり同じ主要賞だった昨年の「フラガール」の方が、作品として勢い、魅力があった、気がした。

今回放映で印象的だったのは、樹木希林が受賞スピーチで市川監督の事を話していたり、阿部サダヲが「服の色が宮沢りえさんと被ってしまった・・」とか笑いを取っていたり、過去の映像で、10年程前最優秀主演男優賞が前年の佐藤浩市→三国連太郎と父子で渡ったシーン、その回は覚えがあったけれど、先日見た「ビルマの竪琴」のその40年前の三国連太郎は、やはり若くキレがあった、とか思ったという所。見慣れない若手俳優も増えていた。

「ハーフェズ・・」はイラン作品ということもあって、スレッドからリンクしていたけれど、TBや内容編集で更新の度に、ここでの表示日時も変るようで忙しなく、当面リンクを止めスレッドへ普通のリンクに。(http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%http://www.japan-academy-prize.jp/sokuhou.html

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2008/2/17

ハーフェズ ペルシャの詩(’07)  イラン・日本

先月半ば、東京都写真美術館ホールから公開になった、イラン・日本合作の「ハーフェズ ペルシャの詩」(←関連サイトです)、昨日都合も合ったので、母を連れ見てきました。

近年イラン作品を追ってきた、というのと、先月購読の朝日新聞記事でも見かけ、ダイアリーに書いたのですが、麻生久美子が「カンゾー先生」での演技を見初められ、ジャリリ監督にイラン人ヒロイン役に抜擢された、というニュースは数年前知って、興味を持っていたので(麻生久美子)。

「ハーフェズ」は、イスラム教のコーランを朗唱する特別の地位の人、のことで、その青年が、高名な宗教者の娘にコーランを教え、顔も合わさないまま、コーランや詩を詠みあっているうちに、恋に落ち、立場の違いから引き離され、恋を忘れるため旅に出る青年、別の男性と結婚させられ、病に落ちる娘、という、イラン作品風渋さ、の悲恋の「ロミオとジュリエット」。

主人公のハーフェズの青年役は、ジャリリ前作品で主演デビュー、という、ややマイケル・ジャクソン似、の面差しのメヒディ・モラディという俳優。感想は後(日)に。

ご覧になった方の率直な感想、批評、コメントある方等、自由にどうぞ!(投稿でもメールでも結構です)

「ハーフェズ ペルシャの詩」(ブログトークスレッド)

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2008/2/15

シックス・エレメント(’06)  サーフィン映画

ジャスティン・マクミラン監督作品。オーストラリア生まれのトップサーファー、ロス・クラークジョーンズの活動を追ったドキュメンタリー。ナレーションは、デニス・ホッパー。一人のサーファーに焦点を当てたドキュメンタリー、というのは、思えば初めてで、本人や周囲の人々のインタビュー+数々の迫力ライディング映像。

名サーファーとされながらも、余り勝負にこだわらず、冒険自体を好み、海以外でも、バンジージャンプや運転でもスリルを求める、という性質の紹介。大波での事故で身体を痛めつつも、手で漕ぐ必要ない、ジェットライダーで波の所まで引かれていくトゥーイングで、かえってビッグウェーブ挑戦に、というタフなエピソードも。

ややアイルトン・セナを思わす風貌、結婚生活の破綻、母を病で、良きライバルでもあった友人サーファーを海で亡くした憤りと失意、それを支えた、新たなパートナーの女性との、飛行機内での運命的出会い、等、紆余曲折の私生活の様子も。ぴあから来週水曜「ルノアール+ルノアール展」貸切鑑賞会チケットが届いたけれど時間帯が夜、都合がつくか微妙。(http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%83%E3%http://www.mariner.co.jp/SHOP/dvd-thesixthelem.

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2008/2/13

Yuming Films(’07)  日本

昨年末放映録画を見た、昨年秋からYahoo!で動画配信、ユーミンの曲をモチーフに創られた3つの短編のオムニバス映像集。モチーフになったのは、「リフレインが叫んでる」「青いエアメイル」「A HAPPY NEW YEAR」

「リフレイン・・」は本仮屋ユイカ主演、サーファーの彼との出会いと悲しい別れ、本仮屋嬢は「スウィング・ガールズ」以来、控えめで天然な味、未知数的だったけれど、若手女優らしさが。

「青い・・」モチーフの「バイバイ、ベアー・・」は「HINOKIO」以来の多部未華子主演、転校することになったヒロインと親友、と思っていた友人の裏切り、和解のドラマ。ある時期の女の子同士の共感・結束・破綻の感覚があって、やや取ってつけたようなファンタジーシーンはあったけれど、3編中ではこれが一番印象的。

「A HAPPY・・」モチーフの「親年好・・」は塚本高史主演、カラオケ屋で働く青年と中国人留学生少女のストーリー。狭い店の部屋、ゴチャゴチャした感のカラフルな照明が、ちょっと香港映画のような混沌とした感覚。

それぞれの作品後にユーミンが感想を述べ、「リフレイン・・」は「素直さというのは命、だと。自分の夢を理解されず彼が彼女の部屋から出て行った、後姿が印象的」、「バイバイ・・」は「最後の方で、訳もなく泣けた」との事で、多部嬢と親友役の於保佐代子の存在感・感性を賞賛。「親年好・・」は「(中国人達が)橋のたもとで花火をしたり、というのにエトランゼの哀しさが」で、やはり泣けた、との事で、そういう感じ方はこの人らしい感性、と。

前にもドラマでこういう企画はあった覚えで、最近ではDVDで見たけれど書きそびれた「翳りゆく部屋」モチーフ「気球クラブその後」、昨年のハイ・ファイ・セット版が主題歌らしい「Watch with Me 〜卒業写真〜」 等もあるけれど、絵画的、ある感情の断片を絶妙に捉えるユーミン作品は青春モノ素材の宝庫的な。今回の企画は、秋冬セレクションアルバムの広告戦略一部、かもしれないけれど、ファンにとっては、3パターンの切り口を、ノスタルジックに味わった、という所。(http://www.emimusic.jp/yuming/yuming_films/あの歌がきこえる「魔法の鏡」松任谷由実コンサート THE LAST WEDNESDAYあの歌がきこえる「海を見ていた午後」あの歌がきこえる「卒業写真」瞳を閉じてプレミアム10 松任谷・寺岡・ゆず等シャングリラV


*ユーミンと言えば、引っかかっていた事があり、表立ってという事でもない気もしてここに記すと、数週間前、直接の投稿等の交流はなかったですが、ユーミン関連ブログが元のようの方の「今村昌平監督逝く」スレッドが、突然映画欄から消えられ、少しショックではありました。スレッドも「人」(の一部)と思うので。

それなりのお考え上の結果で、そういう事に逐一構ってはいられない場、かもしれませんが、当時、ご心情が少し判る、感もあり、改めて、ネット上言葉だけの世界、とはいえ場で妥当な形で人の気持、空気を汲もうとするタイプの方は、いなくなりやすい、と、索漠とした気持にもなりました。ただ自分の日常のはけ口、なら、相応の場、形があるはず、と。

スレッドと言えば、先日小林監督の「コメント欄」がなくなり、もし私がスレッドに書いた、レス「誰でも」スレッドへのスパム対応への配慮の削除としたら、交流に機能していなかったのは遺憾ですが、有難うございます(違えばお読み流し下さい)。

スパム対策では、先程AOLが新たにレス「誰でも」スレッド、ダイアリーに画像認証設定、との記事(http://diary.jp.aol.com/vz9fmp6/237.html)に気付き、ただ投稿に必要な文字の設定で、実際の効力不明ですが少しでも期待したい所です。

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2008/2/10

SONGS 忌野清志郎  音楽

先週の「SONGS」は忌野清志郎。特に好き嫌いはないけれど、学生時代、ファンの友人の付き合いでRCサクセションのコンサートに行き、「雨上がりの夜空に」等でのスタンディングでの盛り上がり、の覚え。一昨年喉頭がん発覚、療養生活に、というニュースは聞いたけれど、自転車等でのリハビリを経て祝・復活、のようで、ファンからの多くのメッセージも。

歌ったのは「雨上がり・・」「スローバラード」「毎日がブランニューディ」「誇り高く生きよう」「JUMP」。デビュー時のフォーク調の「ぼくの好きな先生」、派手なRC時代のステージでの「トランジスタ・ラジオ」、坂本龍一と組んだ過激な「い・け・な・いルージュマジック」等の映像も。

今回ナレーションは原田知世、4年前映画の仕事で一緒だった、というのは多分「サヨナラCOLOR」の主題歌の事で、激しいライブからは想像出来ない穏やかな素顔、と。俳優として見かけた最新「恋の門」の時も書いていたけれど、マイベスト忌野作品は井上陽水と共作、それぞれの哀愁の味の絶妙なミックス感の「帰れない二人」。RCではやはり「スローバラード」。

DVDもあるけれど「ハーフェズ・・」の時買った麻生久美子の本を読んでいる所、図書館で、未読の沢木作品「「愛」という言葉を口にできなかった二人のために」「無名」を検索で見かけて借り、前者は一昨年読んだ「世界は「使われなかった人生」であふれてる」に続く映画エッセイだった。再び長いタイトル。(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/index.html

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