2008/2/6

それでも生きる子供たちへ(’05)  ヨーロッパ

先日新作DVDリリースのフランス・イタリア合作の7人の監督によるオムニバス作品。公開時やや気になった、厳しい現実の中で生きる子供達を主人公に描いた作品集。

否応ない環境で、少年兵として銃を持つ少年、冤罪で少年院に送られ、理容師の腕を持ちつつも、盗みを働く少年、両親がエイズ患者、自分も感染し、いじめに合う少女、等と、最初数編、結構重たさが続いたけれど、サンパウロで、貧民街に暮らし、お金になるガラクタを集めながら、都会をさ迷う兄妹の姿には、子供ながらの生きる知恵、楽天的力強さ、を感じたリも。

一番情感あって印象深かったのは、最後の中国舞台の「桑桑と子猫(ソンソンとシャオマオ)」。裕福な家の少女と孤児の少女が、あるフランス人形で微かにつながり、それぞれ性質の違うシビアな境遇で、生きていく姿。

幼少時、周囲から受けていた、無意識の愛情とか、背後の大人の事情とか、そういう原始感覚が蘇えって、ある種、心洗われた小品。他の作品も、現地の素人の子供の抜擢が多いようで、この作品も、役柄と割と似た境遇の少女2人が演じたとのことで、聡明・素朴な表情が残った。

ファンタジー的、哀愁漂う作風のもあったり、半々位で、フィクションとノンフィクションが入り混じったような作品群、という後味。今日は雪。(http://www.amazon.co.jp/%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%A7%E3%82%http://kodomo.gyao.jp/

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2008/2/4

ドルフィンブルー、フジもういちど宙へ(’07)  日本

昨年公開の前田哲監督作品。先日「アース」を見て思い出した、やや気になっていたイルカと人間の物語。沖縄の沖縄美ら(ちゅら)海水族館の、病気で尾びれを失ったバンドウイルカ、フジの再生を描いた実話ベースの作品。

主人公役、松山ケンイチは「蒼き狼・・」以来、何というか余り色のない、脇を固める青年役が似合って、余り主演タイプ、というイメージは持ってなかったけれど、今回の獣医青年、というのは割と淡々としていつつ芯のある物腰に似合っていた気が。ラブストーリーの要素はなく、東京の恋人との接触シーンは、別に不要だった気も。

そっとフジを見守っていた、祖父と暮す無口な子供は、名がミチル、ではあったけれど、ずっと少年だと思っていたら、ラスト近くでワンピースらしき姿、「私が・・」という科白で、高畑充希演じる少女だった、と。少し「子ぎつね・・」の深澤嵐君似、主題歌も歌っていて、線太そうなキャラクターでちょっと印象に。余り本筋に絡まず浮いた感もあったけれど、目力ある表情、フジの再生で離れた母の元へ、という心境の転機になって間接的な絆、というか。

ただ一頭のイルカの再生に向け、ブリジストンが人工ひれ製作に協力、水族館員と意見の衝突もありつつ、山崎努ら見守る人々の沖縄らしいのどかさ。泳げるようになってからも、なかなか紆余曲折、ハッピーエンドに向けて、丁寧といえば丁寧なのかもしれないけれど、やや冗長な後味も。サーフ作品のように、海や、プールのブルー、滑るように泳ぐイルカ達の姿が、目や神経にソフトだった。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%)

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2008/2/2

血の味(’00)  

昨日「アース」を見に行った劇場への往復の電車内で、ずっと手元にあった沢木耕太郎初の長編小説「血の味」読み終わり。最初はややとっつきにくかったけれど、進めるうちに、やはり沢木さんの文体、と。漂々とした主人公の中学生の少年。風呂屋で出会ったオカマ風の元ボクサー、彼の昔話への心酔は「一瞬の夏」のカシアス内藤を思い出す。

その自分への性的興味を露呈した元ボクサーへの殺意、から自分と二人暮しの大人しい父親への殺意、への変化は、本人の無意識の感覚のみぞ知る、憤り、が迷走した心の闇。酒鬼薔薇少年事件等が重なるけれど、実際事件を起こした少年の内部は、もっと、無機質であったと思うし、何度か触れたけれど、情報の氾濫で言葉の空虚さ、が言われ、信頼、誠意、人としての良識とか、そういうものの蓄積が、ないがしろにされる今の空気、への若者の敏感な反応、を沢木目線で斬った、感。

もし映画化するなら、主人公の少年役は、見るからに危うそうな、というよりは、普通の少年らしさの中に未知数がある若手が、とは思うけれど、なかなか浮かばず、デビュー時の柳楽君、とか、元ボクサーは、これも難しくやや設定より年配ながら田中泯や、やや微妙ながらオダギリ・ジョー、父役は小林稔侍(のような雰囲気の俳優)等、とは浮かんだ。(http://www.amazon.co.jp/%E8%A1%80%E3%81%AE%E5%91%B3-%E6%B2%A2%

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2008/2/1

レミーのおいしいレストラン(’07)  アメリカ

ブラッド・バード監督作品。前ピクサーアニメ「カーズ」が割と好感、先日ゴールデン・グローブ賞でも改めてチェックの長編アニメで、DVDを店で見かけたので。料理の苦手な見習いシェフと、抜群の料理の才能を持つネズミが、パリのレストランで巻き起こす物語。

ネズミ目線で展開する時の映像の臨迫、スピード感等、「ファインディング・ニモ」地上ネズミ版というか。腕の未熟な人間シェフを、ネズミレミーが頭上から操る、という発想、住む世界の違いやプライドから揺らぎがちな信頼。それでも出来上がる料理の美味、という結果で結束。どうも、キッチンにタブーの生き物、ネズミを選んだ、というのが生理的に違和感あったりもするけれど、何者が作ろうと、出来た作品、の質が問題で、先入観は持つべきではないというニュアンスも。

視覚的には、やはりネズミの容態的に、アニメ映像の華には欠けた気もするけれど、キッチンの様々な食材の描写や、見習いシェフとしっかり者の女性シェフとの仄かなロマンス等色付けも。辛口の評論家が、田舎料理に、自分の少年期に体験の味わいを回想するシーンとかが、印象的だった。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%81%「カーズ」

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