2008/2/2

血の味(’00)  

昨日「アース」を見に行った劇場への往復の電車内で、ずっと手元にあった沢木耕太郎初の長編小説「血の味」読み終わり。最初はややとっつきにくかったけれど、進めるうちに、やはり沢木さんの文体、と。漂々とした主人公の中学生の少年。風呂屋で出会ったオカマ風の元ボクサー、彼の昔話への心酔は「一瞬の夏」のカシアス内藤を思い出す。

その自分への性的興味を露呈した元ボクサーへの殺意、から自分と二人暮しの大人しい父親への殺意、への変化は、本人の無意識の感覚のみぞ知る、憤り、が迷走した心の闇。酒鬼薔薇少年事件等が重なるけれど、実際事件を起こした少年の内部は、もっと、無機質であったと思うし、何度か触れたけれど、情報の氾濫で言葉の空虚さ、が言われ、信頼、誠意、人としての良識とか、そういうものの蓄積が、ないがしろにされる今の空気、への若者の敏感な反応、を沢木目線で斬った、感。

もし映画化するなら、主人公の少年役は、見るからに危うそうな、というよりは、普通の少年らしさの中に未知数がある若手が、とは思うけれど、なかなか浮かばず、デビュー時の柳楽君、とか、元ボクサーは、これも難しくやや設定より年配ながら田中泯や、やや微妙ながらオダギリ・ジョー、父役は小林稔侍(のような雰囲気の俳優)等、とは浮かんだ。(http://www.amazon.co.jp/%E8%A1%80%E3%81%AE%E5%91%B3-%E6%B2%A2%

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