2008/5/11

殯(もがり)の森(’07)  その他

先日新作DVDリリースの日仏合作の河瀬直美監督作品。このダイアリー作成時も、唯一好みの女性監督として挙げていて、気になっていた新作。奈良山間部の老人達が暮すグループホーム、認知症の老人と女性看護士との触れ合いの中、生と死を見つめるドラマ。

先週月曜朝日新聞オピニオン欄のカンヌ映画祭の記事で、少し触れていたけれど、10年前パルムドールで知った「萌の朱雀」を見て、舞台はずっと緑の山中、人々のなだらかな暮らしの中、不意な喪失を抱えながら淡々と進み、何だか日本の原風景、らしき舞台で、余り何にもまみれてない楚々とした珍しさ、が印象的だった。

今回、同じ奈良の緑がより深く、登場人物も、心象風景的にも、深く分け入った感じ。「萌・・」の尾野真千子が再びヒロイン、とのことでも、やはりある喪失を抱える、という伏線はあるけれど、その続編的、というか、「萌・・」ヒロインの成長後、とも思え、「萌・・」「火垂」「沙羅双樹」等で、直接露にされる事のなかった悲しみの感情、が滝のシーンで噴出したり、うだしげき演じる老人が、幻にしても故人の存在、を求めて、樹林を分け入り悼む姿、が余韻あった。

河瀬作品的にやはり老人達のホームでの様子はさり気なく、ドキュメンタリーのよう、結構音量を大きくしていても、聞き取れない事があったり。でもそこで紡がれる人間模様、生死への思い、色々、深みや重みや新しさが、というとどうなんだろう、とは思うけれど、少なくとも、人(の心)を記号のようには扱っていない作風、

「萌・・」も今回もBGMはピアノだったけれど、老人のピアノと連弾したり、森でおそらく妻の形見の品の小さなオルゴールを廻すヒロインのように、母性愛のようなものも混じりながら、喪の悲しみ、というものに、法事等の形でなくハートで寄り添おうとする感覚、がして、実際涙が出た訳じゃないけれど、心がどこかスッと解けてシンとなった。

やはり(先日の原田、大貫的に)忙しない現代への静かな反骨、という感もしたり、こういう作品を見て、感動する事が、現実的現代人としては、何と言うのか、弱みになりかねない、というパラドックス、も過ぎったりするけれど、蹴散らし素通りすべき、という類のものでもないと思うし、私にとってはある種インパクト残る作品だった。整理は押入れの3段ボックス、今日母の日、ここ例年通り近くの西友の商品券+母の日用プリンケーキで。昨夜「美の巨人たち シスレー」録画。(http://www.amazon.co.jp/%E6%AE%AF%E3%81%AE%http://www.mogarinomori.com/

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