2008/6/28

Falling Slowly  音楽・映画

「ONCEダブリン・・」でグレンとマルケラが歌った「Falling Slowly」は、改めて、囁くような始まりから静かに盛り上がって2人のハーモニーが展開していく、最近作品中聞いた中でも、じんわりと耳に残る曲。訳詩を書き留めていたので。

Falling Slowly

君を知らないけれど君がほしい
もっと君を知りたくて
言葉は素通りしてぼくを惑わせる
ひと言も返せない
恋のゲームでは思いは伝わらない
かけひきには飽きてくる

★沈みそうな舟で家を目指そう
まだ時間はあるから
希望の声をあげろ自分で選んだ道だ
きっと君はたどり着ける

ゆっくりと君は目を伏せていく
もうぼくは戻れない
憂うつが包みぼくを消そうとする
ぼくまで落ち込んでいく
君はたくさん傷つき自分と闘ってきた
今度は君が勝つ番だ

★繰り返し

ゆっくりと歌おう君のメロディーを
ぼくもいっしょに歌うから


追記:元の歌詞を見かけたので。

Falling Slowly

I don't know you
But I want you
All the more for that
Words fall through me
And always fool me
And I can't react
And games that never amount
To more than they're meant
Will play themselves out

★Take this sinking boat and point it home
We've still got time
Raise your hopeful voice you have a choice
You've made it now

Falling slowly, eyes that know me
And I can't go back
Moods that take me and erase me
And I'm painted black
You have suffered enough
And warred with yourself
It's time that you won

★繰り返し

Falling slowly sing your melody
I'll sing along

ONCEダブリンの街角で(’06)

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2008/6/27

ONCEダブリンの街角で(’06)  ヨーロッパ

先日新作DVDリリースのジョン・カーニー監督作品。ダブリンの街舞台、ふと出会ったストリート・ミュージシャンとピアノのたしなみあるチェコからの移民女性が、音楽を通して心を通わしていく物語。音楽題材、今回アカデミー賞のオリジナル歌曲賞でオスカー、等でも気になっていた作品。

アイルランド、と言えばいまだに「ライアンの娘」の海岸風景がインパクト、でもダブリンの街並みは、都会ではあっても余り派手さなく楚々としていて、建物の落ち着いた色合いがボストン等に似たムード、と思ったりも。全体の映像も、抑えたトーンの2人の各部屋のイエロー、バイクで出かけた海を見下ろす丘、CD録音明けの朝の海岸、等ラフであっさり気味。

街角で弾き語りする主人公の前に、ふと現れた女性、ミュージシャンとしての興味だった感だけれど、当初彼女の方が押し気味に接近、でもピアノと歌声の才覚も知って、歩み寄っていく様子。

一旗挙げにロンドンへ、というのが、日本では地方のミュージシャンが東京でメジャーを目指す、という感覚に当たるようだけれど、将来への夢に現状打破を目指す彼と、別居中の夫がいて、単発の仕事をしながら母と幼い娘と暮す彼女、という、世界の違いから、互いを背負う事は出来ず、微妙なタイミングの折はあっても、恋人関係にはならないプラトニックさ、音楽という媒介だけを通した関係、に留まるのがこの作品の淡く粋な、という後味も。

主演のグレン・ハンサードはアイルランドの「ザ・フレイムス」というロックバンドメンバー、相手役のマルケタ・イルグロヴァは以前からグレンの知り合いで、チェコのシンガーソングライター、監督したジョン・カーニーはグレンのバンドの元べーシスト、という音楽畑(出身)の素地が全編漂い、少しスカーレット・ヨハンソンを地味目にしたような風貌のマルケタの物腰も、さり気ない作品テイストに似合っていた印象。

グレンが歌う曲の数々は、ロック調はなく、アコースティックギターを抱え、失恋した相手への切々とした熱唱系ラブソング、という感じで、その元恋人のビデオ映像が流れるシーン等も、未練の想いが滲み出るようで切ないものが。

2人が楽器店で演奏、デュエット、ラスト〜エンドロールにかけても流れたバラード曲が、逆境から這い上がる(のを見守る)ようなニュアンス、とも感じる歌詞共に一番耳に残って印象的、これが受賞曲でもある「Falling Slowly」という曲だった。やはり先日の「迷子の警察・・」同様、大作ではなく派手さもないけれど、音楽と共にしみじみ余韻、の珠玉作だった。(http://www.amazon.co.jp/ONCE-%E3%83%80%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%http://oncethemovie.jp/Falling Slowly

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2008/6/26

SONGS Chara  音楽・映画

先週の「SONGS」はChara、歌ったのは「ミルク」「ラブドール」「やさしい気持ち」「Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜」「愛を憶える」。

特に好き嫌いはないシンガーだけれど、歌い方はやや苦手な方、でもやはり「Swallowtail・・」は、ヒロインで出演もした「スワロウテイル」('96)テーマ曲、これ自体は雑然さが岩井作品の中で特に好み、という訳ではないけれど、どこにも実在しない無国籍さ、夏の陽炎や蜃気楼のようなムードにもマッチ、のナイーブな詞と曲、マイベストというか別格。作曲は小林武史だったのだった。

映画出演は、「スワロウ・・」と、夫浅野忠信と共演で出会いだった「PiCNiC」(’94)の2本だけのようで、今回少し映像も出たけれど、「PiCNiC」では黒いサイケな衣装でのコケティッシュなヒロインの覚え、この短編は男女3人が塀の上をひたすら辿っていく物語、最後は海に出たのだったか、

打ち上げ花火は横からどう見えるのか?、をただ確かめるため、少年少女が小冒険する「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のやや哲学的大人版岩井テイストというか、「打ち上げ・・」の方が好みだったけれど、3人の塀を辿る行動自体は、子供時代に、近くの海岸の堤防をずっと辿っていけば何処へ?と自転車で辿ったような、素朴でノスタルジックな好奇心感覚が蘇えるような作品だった。

その他、今回夫とケンカした時に作ったのだった、と話していた「やさしい気持ち」は歌い始めのメロディラインがさり気なく好感、と改めて。観葉植物が好きらしく、行き付けのガーディニング店訪問の様子も。昨夜「SONGS 中村雅俊」録画。(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/index.html

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2008/6/25

ハイジ(’05)  ヨーロッパ

日本では一昨年公開のポール・マーカス監督作品。原作ヨハンナ・シュピリの児童小説「アルプスの少女ハイジ」で、子供時代に読んだ郷愁、アニメか実写ドラマでも見た覚え、でも詳細薄れていて、どういうストーリーだったろうか、と。映画化は6作目のようで、こういう少女文学ものは、一昨年放映を見た「小公女」原作の「リトル・プリンセス」以来。

霧や雲もかかったアルプス山中、緑の牧草地帯、質素な山小屋に住む偏屈な老人と、その心を解す孫の少女。学校にも行かず祖父、ヤギ飼いの少年、ヤギ達と過ごす日々。桃源郷のような世界から、フランクフルトの街に戻されると、やはり彼女の伸びやかさが浮いて風変わり、でもあり、好意的な人々もいれば、生理的に嫌がる人々も、という現実。

郷愁の苦しみから夢遊病になり、本来の居場所である山へ帰還、街で親友になった足の悪い少女クララがやってきて、ラッキーなアクシデントが、という部分は、やはりすっかり忘れてしまっていた。ただ、山に戻る時、ヤギ飼い少年の祖母に柔らかい白パンを届けたい、という思いがあってそれが叶う部分は、本でのパン描写が美味しそうでインパクトあったのか、何故か覚えが。

天真爛漫ヒロインというイメージはあったけれど、自分が見捨ててしまった形で傷ついていた祖父、クララへの嫉妬心を持つヤギ飼い少年の心を読み取ったり等、少女らしい勘、というか鋭敏さも。

ハイジ役の芸達者なエマ・ポルジャーと、クララ役のしとやかなジェシカ・クラリッツのバランス、祖父役のマックス・フォン・シドーの老練さ、叔母役のポーリン・マクリンがヘアスタイル、キャラクターといいちょっと魔女風テイストの脇役。展開は粗筋をざっと追った、という感だけれど、温か味漂うハッピーエンド、広々とした風景といい、一種の癒し系環境作品、のような後味だった。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%B8-%E3%82%http://www.heidi-movie.jp/

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2008/6/24

徹子の部屋 石川セリ  分類なし

今日の「徹子の部屋」は先日「SONGS」にも出ていた石川セリ、丁度オンタイムで見られた。白地に黒のストライプのワンピース、薄い緑のシースルーの上着、コンサートでもトークは少しはあったと思うけれど、余り記憶になく、歌と同じようなトーンの低めハスキーボイス。

ベストアルバム「Re:SEXY」の中23年ぶりに新曲も、とのことで。映画出演は1本あっても女優業はしていないようだけれど、ハーフという訳でもなく、この人のように自然にセクシーさ匂い立つ人は、余り日本では女優でも思い当たらない、とは改めて。黒柳さんの舞台をよく見ていた、という話で、マレーネ・ディートリッヒが好き、と言っていたけれど、どことなくムードが通じるようでも。

「SONGS」でも少し触れていた大病、パーティに行く途中、大動脈解離に襲われた時の、胸の中でホースが弾けてしまったような、という衝撃、生死をさ迷い大手術を経て無事復帰、石原裕次郎と同じようなケースで、主治医の人もその治療チームに入っていた、等のエピソード。

そういう波乱経験の反動もあってか、かなりゴージャスな衣装、ヘアスタイルでの復帰ステージの様子。娘さんとの共演シーンもあったけれど、娘2人が、依布サラサ、杏奈というシンガー、とは初耳、依布サラサの方は原由子のような、と言っていて、陽水+石川セリ遺伝子の女性シンガーとはどういう風か、とは。

「大人のカボチャ」という新曲の1つにちなんでか、カボチャ型の銀ラメの特注ワイアーバッグを持参、ステージでも使っているそうで、渋い華やかさがフィットの感、黒柳さんにプレゼントしていたけれど、ちょっとファンタジックな小物。夫陽水のことは、「ダンスは・・」は自分に捧げてくれた曲、とか少し姑さんの話、以外は余り出なかった。録画「オーロラの下で」は序盤で止めた。(http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/html/080624.htmlSONGS 石川セリ僕らの音楽(ゲスト井上陽水

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2008/6/22

オリヲン座からの招待状(’97)  本・映画

「オリヲン座・・」の原作の浅田次郎の短編読み終え。浅田氏の原作作品は幾つか見たものの、小説自体は初めて。元々「鉄道員(ぽっぽや)」に収録らしいけれど、「現代の小説1998」で。

作品では余分な気がした、子供時代劇場に馴染んだ夫婦の現代の亀裂が、別居状態への経緯、わだかまり等、作品の半分位を占めて詳細に描かれて、むしろこちらの夫婦が主人公、という感じでやや意外。

劇場のことは、閉館の謝恩興行の様子、その過去は、会話の中の回想だけ、作品ではそのノスタルジーな部分を、結構膨らませて創ったのだな、と。やはり宮沢りえ、加瀬亮演じた劇場の二人に対する、大人の間のゴシップ、嫌悪、に対して、何故か子供達が集まるのはオリヲン座だった、という郷愁の部分は書いてあった。

こちらの方が京都弁のローカルでひなびた味、登場人物は3人だったけれど、劇場主人は原田良雄よりはもう少し柔和でくだけた印象。一番イメージと違和感なかったのは樋口可南子。興行で上映したのは、作品では「無法松の一生」だった覚えだけれど、「幕末太陽博」になっていた。初の浅田作品、短編だし何とも、だけれど、文体は特にクセなく読み易い後味だった。(http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/30648943/pg_from/rcmdオリヲン座からの招待状('07)

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2008/6/21

迷子の警察音楽隊(’07)  その他

先日新作DVDリリースのエラン・コリリン監督のフランス・イスラエル合作。演奏に行く途中、イスラエルの小さな町に迷い込んだエジプトの警察音楽隊員達と、彼らを泊めた現地の人々との、一夜の触れ合いの物語。昨年末、朝日新聞の沢木映画コラムで取上げられており、気になっていた作品。

全体に薄いブルートーンのあっさりした映像、8人の水色の制服を着た音楽隊員と、黒い髪、瞳のカフェの毅然とした女主人(ロニ・エルカベッツ)、イスラエルの砂漠の閑散と広がる土地、細長いシルエットの街灯の間を質素に伸びる道路、店内や室内のレモン色等、派手さはないけれど淡い触感が、一夜のお伽話的ムードに合っていたような。

若い隊員(サーレフ・バクリ)が「マイ・ファニー・バレンタイン」で女性にアピールしたり、イスラエル男性が昔演奏した、という「サマー・タイム」を食卓で歌い始めたり、隊員がクラリネットで自曲を披露したり、音楽も媒介にはなっていたけれど、仲間内では母国語、交流はたどたどしげな英語。

女主人が隊長に、エジプト映画放映が楽しみで、オマー・シャリフに憧れた、等話すシーンがあり、公式サイトを見ると、舞台の’90年代、イスラエルとエジプトは冷やかな隣国同士ではあっても、実際イスラエル家庭でのエジプト映画鑑賞は日常の娯楽で、少し奇妙な状況だった、と。

やはり製作国色でか、隊長役は、エジプト人でなくイスラエル人俳優サッソン・ガーベイ、この二人の絡みが一番多く、それぞれ過去を持つ異国の男女の、束の間の大人の心の交流、という余韻。女主人が出かけた店で注文した、延ばした生地にサラダ、ポテト等を包んだ、厚めのクレープのようなもの等は、どういう味だろうか、と。

「警官が何故そんな(アラブの古い)音楽を?」「では人間には何故魂が必要なのか?」「最近は人は効率性、金儲け、値踏みに忙しく余り音楽を聞かない」「皆、バカね」「時々そう思う」等のしみじみ交わされる会話が印象的。

その他、若い隊員がローラースケート場に付き合い、内気な少年に、並んで座る少女へのアプローチ手順を仕草で伝授するシーン等、画面的に面白味があった。ラストはステージでの演奏シーンではあったけれど、それは今回付録のような感。

やはりその前夜の、見知らぬ異国者達への無償の善意、囲む食卓、飲み物、ぎこちなさもある会話、本来接点のないアラブ人とユダヤ人達が、ある夜共有した時空を超えたような時間。これといって盛り上がりがある訳ではないけれど、イスラエル、という舞台にしては、淡くソフトな余韻の作品だった。(http://www.amazon.co.jp/%E8%BF%B7%E5%AD%90%E3%81%AE%E8%AD%A6%銀の街から

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2008/6/20

SONGS 石川セリ  音楽

先週の「SONGS」は石川セリ、一時愛着あったシンガー。歌ったのは「Moonlight Surfer」「SEXY」「八月の濡れた砂」「ダンスはうまく踊れない」「ひまわり」。

TVでは今まで覚えなく、山崎ハコではないけれど伝説の、という域に近かった。緑の薄いドレス等で、歳はとったけれどセクシーさは相変らず。京都の寺を訪ね、昔自分を見失いかけた頃、ヨーロッパ旅行したのが転機になったけれど、最近は日本的なものに魅かれる、また、病に倒れ昏睡状態の時、夫(井上陽水)の呼びかける声だけは聞こえた、等エピソード。

前にも書いていたけれど、子供の頃この人と井上陽水の出会いだった、林良雄のパックインミュージックという深夜ラジオ番組を聞いていて、ゲストがその他ユーミンと吉田拓郎、拓郎が「ひこうき雲」を誉めていたりユーミン派で、陽水がセリ派、という形、

薬物騒ぎの後だった陽水が、「色々苦しい事があっても、こんな幸せな日もあるのだから、生きていかなくちゃいけないと思った」というような事を最後にしみじみ語った記憶、その後「ダンスは・・」を提供したりして交際、ゴールイン、で3人子供、特に不和話も聞かない。

石川セリは、歌唱力というより包み込むようなハスキーボイスで、ユーミン、下田逸郎等が曲を提供のアルバム「ときどき私は・・・SERI」で馴染み、マイベストはその中のユーミン曲「朝焼けが消える前に」、イントロや間奏等、正隆氏のアレンジの冴え、を直に感じた曲の1つ。

その他やはり同アルバム中の、芦ノ湖をイメージした、というユーミンの「霧の桟橋」、NHK少年ドラマテーマ曲だった「遠い海の記憶」、詞松本隆+曲ユーミンの「ひとり芝居」等、印象に残る曲も多く、統一性はないけれど、微妙にバランスのとれた愛聴アルバム、これは後年CDを買い直した。

一度コンサートに行って、確か「とめどなく・・」という曲の途中、多分歌詞を忘れて、急にしばらく平然とハミングが続き、一緒に行った友人と苦笑、会場に静かに笑いざわめきが広まり、ということがあった。落ち着いたイメージとのギャップで、ちょっと可笑しいアクシデントだった。

「八月の濡れた砂」主題歌で注目、の頃はまだ馴染みなかったけれど、一昨年ビデオを見たのだった。その頃の写真も出たけれど、その時代に受けそうな、豊満エキゾチックな色気だったのだろう、とは。月曜夜「蝶の舌」保存録画、一昨夜「SONGS Chara」録画。(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/index.html上から2つ目、八月の濡れた砂(’71)

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2008/6/18

地下鉄(メトロ)に乗って(’06)  日本

先週日曜夜放映の録画を見た篠原哲雄監督作品。原作は浅田次郎の小説、ある時地下鉄の駅から過去にタイムスリップした主人公と、その愛人が現代と過去を行き来しながら、自分の家族の過去を辿る物語。大沢たかお出演、とのことでも気になっていた作品。

主人公(堤真一)が最初に迷い込んだのは、昭和39年の東京オリンピック前、その後折々の時期の亡き兄、父、愛人の母達と対面。愛人役岡本綾は「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」以来。もう少しほのぼの系かと思っていたら、やや意外、大筋の、変えられなかった悲劇や父の真の姿、以外の、愛人の出生の秘密から運命の悲恋、的展開もあって、予定調和劇的すぎ、ではあるけれど、あっけない泡のような儚い寂しさも。

過去は全体にセピア色調、最初の方の新中野駅前でオデヲン座という劇場に「キューポラのある街」「上を向いて歩こう」等の看板。「上を・・」という坂本九さん主演映画があったのは初耳。パチンコと共に横型のスマートボール、白い公衆電話ボックス、木目調の電車、闇市での露店等、レトロな風物で、昭和の郷愁感はオーソドックスに漂っていたような。

大沢たかおは、満州に赴く前の純朴青年から、戦後の混乱につけこむすさんだ暮らしのワイルド振り、それでも息子達を思う不器用な父、と、演技の幅広さが出ていて、恋人役の常盤貴子や、終始困惑気味の堤真一とのバランスは良かった気が。

タイムトラベルもので余り覚えがないけれど、過去にかけた電話が、ちゃんと現代に繋がったり、というのが違和感あったり、トラベルが、唐突に夢で起こったり、何段階か別の時期に行き、その状況の変化がやや紛らわしかったり。

新たにこの作品で、というものではないけれど、家族だからと言ってその歴史は、他人のように何も知らないし、こじれた関係も、あえて口にしない過去の姿を知れば、理解の手口にもなったかも、とも、戻れるなら是非とも変えたい過去も、とも、

それは現実は不可能だからこそ、今あるものを大事に過ごすのみ、とも改めて思った、微妙な切なさ余韻のファンタジー。田中泯、笹野高史のベテラン陣の静かな演技が渋かった。丁度浅田次郎短編「オリヲン座・・」を読んでいる所。先週金曜「オーロラの下で」録画。(http://www.amazon.co.jp/%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E9%89%84-%E3%83%A1%E3%83%

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2008/6/13

SONGS 鈴木雅之  音楽

先週の「SONGS」は鈴木雅之、特に好き嫌いない人。歌ったのは「ランナウェイ」、メドレーで「街角トワイライト」「め組のひと」「ガラス越しに消えた夏」「夢で逢えたら」、菊地桃子と「渋谷で5時」「恋のフライトタイム〜12pm」、鈴木聖美と「ロンリー・チャップリン」

ブラックミュージック風味の濃い目シンガー、シャネルズの頃よりもソロになってからの方が馴染み、マイベストは「恋人」。デュエットは、5分間のショートラブストーリー、としてこだわりがある、とのことで、デュエットベストアルバムも出したようで、「You're Everything」が流れたり、

「渋谷・・」は当時一見ミスマッチの不思議なペア、と思ったけれど、互いに歌い上げる、というより、囁くようなムードなので、声で演技が出来るか声に存在感ある人、との相手選択だった、と。歌番組で松田聖子や中森明菜等とも歌った覚え。15年ぶりにその続編として「恋の・・」がリリース。

大沢誉志幸作曲だった「ガラス越しに・・」は、初耳ではなかったかもしれないけれど、二人のR&B風味がミックスした感で印象に。「夢で逢えたら」はやはり吉田美奈子版の方が。この人もご無沙汰だった。「ロンリー・・」は、姉とのデュエットに抵抗はないのか?首を傾げる菊地桃子に、鈴木家では小学生の頃から姉弟で、レコードに合わせて成り切って歌うのが習性だった、とのコメント。これはカラオケでも歌ったし、ちょっと甘酸っぱく懐かしい。一昨夜「SONGS 石川セリ」録画し損ね、再放送で。(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/index.html:上から2番目)

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2008/6/13

銀の街から(’08、6月)  分類なし

今回朝日新聞の第2火曜沢木映画コラムは、英・米・カナダ合作の「イースタン・プロミス」というバイオレンス・サスペンス。イギリスのロシア・マフィア絡みの話のようで、それ程の優雅な様式美、スケール感はないけれど「ゴッドファーザー」を連想させる、と。

ゴールデン・グローブ賞の作品賞、ヴィゴ・モーテンセンが同賞とアカデミー賞主演男優にノミネートだったり、ナオミ・ワッツが出ているようだけれど、余り興味わかない。このデヴィッド・クローネンバーグ作品では、「エム・バタフライ」('93)がインパクト、ジョン・ローンが女装、ジェレミー・アイアンズを翻弄する、何だか切ない怪作だった。

沢木さんの「壇」を図書館から借りたままだったので、進んでいないけれど、いずれ仕切り直す事にして返しに。「オリヲン座・・」の入った「現代の小説1998」を借り、余り増やしたくないけれどリサイクル本欄で見かけたエッセイ「イランとジャポン二つの故郷」とガイド「イスタンブール 海峡はコスモポリタン」を。「クライマーズ・ハイ」を検索したけれど在庫なし。本屋でよしもとばななの「デッドエンドの思い出」を買った。(http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD10640/

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2008/6/10

クイマーズ・ハイ(’08)  日本

アクセス数:2717
投稿日時 2008/6/10 23:00:36
更新日時 2008/7/19 10:33:06

来月5日公開の「クライマーズ・ハイ」(←関連サイトです)の、今日中野サンプラザでの試写会の招待券が届いており、都合がついたので見てきました。

’85年8月12日の、世界最大の航空機惨事となった、日航ジャンボ機墜落事故を、当時地元紙の社会部記者として取材した、作家横山秀夫氏の実体験を元にした小説が原作、未見ですが3年前NHKドラマ化も、と。(http://ja.wikipedia.org/wiki/æ—\本航空123便墜落事故)

この事故の事は、慌しい報道の中、わずか4名の生存者、険しい山中でヘリコプターでの少女救出シーン等頭に残っていたり、その後も機内、コックピット内の再現、機体、事故発生後の対応の問題の検証番組があったり、

犠牲者の中にいた坂本九さんの追悼番組や、遺族の方々の「御巣鷹れくいえむ」という手記の本を読んだり、黒木瞳のエッセイの中に、宝塚時代の親しい仲間の一人(北原瑤子さん)がその便に乗り合わせてしまって犠牲に、という所があったり、折に目にしていましたが、様々な事件も起こる中、忘れてしまっていたのが、今回映画化、とのことで、

最近航空機舞台では、9.11テロドキュメンタリータッチの「ユナイテッド93」等ありましたが、この「クライマーズ・・」は事故そのもの、というより、混乱の中、それを追う地元新聞記者達の姿勢、葛藤を描いたもので、

横山原作作品は「出口のない海」以来、本も読んだのは「半落ち」のみですが、割と骨太な覚え、この「クライマーズ・・」は、重い題材ではありますけれど、どういう切り口だろうか、とは思いました。手掛けた原田眞人監督作品は私は初見で、出演は堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、山崎努等。感想は後(日)に。

ご覧になった方、なる予定の方の、感想、批評、コメントある方等、自由にどうぞ!(投稿でもメールでも結構です)<TB送受信の度に更新に>

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4 原作本

投稿者:- 投稿日時 2008/7/2 0:55:27
更新日時 2008/7/2 0:55:27

先日原作小説が手元に来たので、421ページの単行本で、横山作品は私は前述のように「半落ち」以来ですが、実際どういうものか、少しずつでも読んでみたいと思います。表紙はここにアップ出来ないので、上(↑)に。

1日最低10ページ目標、と思って、始めましたが、今まだ21ページ目です。

原作を読んだ方の感想、コメント等あれば自由にどうぞ!(投稿でもメールでも結構です)(修正再々投稿)



3 原作者横山氏の談話

投稿者:Autumn 投稿日時 2008/6/13 12:01:13
更新日時 2008/6/13 12:01:13

原作者横山氏の事が浮かび、感想の最後に書いて、折あれば原作も読んでみようと思っていますが、同氏が、「クライマーズ・ハイ」について語っているサイトを見つけたので。

本人が全権デスクの主人公のモデル、かと思いましたが、当時実際1ヵ月半御巣鷹山を取材、社会部だったとの事でも、劇中の、事故直後取材に行った堺雅人の方に近い立場、だったようでした。

>「クライマーズ・ハイ」は、とりわけ痛い小説だった。 私自身が記者として経験した、野心、保身、邪心をさらけ出したわけだから、探すまでもなく、痛覚は胸のいたるところに存在していた。 新聞社の人たちばかりでなく、組織で働く多くの人たちから反響があった。 高校生からの手紙もたくさん来た。 そんなとき、学校社会もまた、組織と個人のせめぎ合いの場なのだと、改めて思い知る。

等と書いてあって、原作では当然作品より、社内での混乱、確執、信頼、思惑、私の印象に残った高揚の麻痺状態の中での決断等、詳しく描写されていて、作品では浮いた感だった、登山や家族問題も、一個人の一面として、自然に織り込まれているのかもしれません。



2 >1 続き

投稿者:Autumn 投稿日時 2008/6/11 23:05:31
更新日時 2008/6/11 23:05:31

この作品で描かれているに限った事ではないですが、人としては真摯な部分が、企業のビジネス的には足かせ、というパラドックス、ある種、クライマーズ・ハイの麻痺感覚、でないとやっていけない世界、さかのぼれば原作者横山氏が、記者から作家へと転身した背景の一部、とも感じられた作品でした。
(修正再投稿)



1 麻痺感覚の中の真摯さ

投稿者:Autumn 投稿日時 2008/6/11 22:56:48
更新日時 2008/6/11 22:56:48

地元での大事故に、慌しく活性する新聞社内、事故後の経過を、日ごとに追う展開、会話も慌しく聞き取りにくい所もあったり、やや雑然としすぎな感もありましたが、これもある種ドキュメンタリータッチで、

主人公役堤真一のこういう硬派役、は初めて見て、一癖ある社長役山崎努等ベテラン陣相手に、激しさとジレンマを秘め健闘だったとは思いましたが、後年彼が険しい山を登るシーンが折に導入されて、

クライマーズ・ハイ、という言葉がそもそも、「登山時の興奮状態が極限に達し、高さへの恐怖が麻痺する状態」を示す、とのことで、大事件の報道、という異常な興奮状態、その中での判断の困難さ、の象徴かもしれませんが、余り大筋の臨場感と噛みあっていなかった印象で、

主人公の、海外へ行ってしまった妻や息子との距離、後年息子を訪ねて行くシーン等も、実際会わずに去る所とか、この人の一貫した性格、という部分が伺えたりはしましたが、仕事人としての孤独を表わすにしても、別次元の感傷、で、やや浮いていて、作品の密度が薄れた感が。

事故発生のお盆前、という時期的にも、当時の中曽根総理の靖国神社公式参拝の扱いや、広告記事との天秤、という事情も伺えたり、たかが、新聞じゃないか、という科白も飛び交いましたが、

大事故の地元紙としてのプライド、首脳陣VS彼らを「大久保・連赤」(大久保清の連続殺人事件、連合赤軍事件)を引きずっている、と非難する主人公が、衝突しつつの日々で、

事故自体の描写は、山中に散乱した機体の破片、折に包まれて運ばれる遺体、救助隊とそれを追う記者達の姿等、それ程惨状を表わすような描写はなく、いつか実際検証番組で流れた、機内で書かれた、あるお父さんの家族宛の切々とした遺書のメモの内容が、読まれたりするシーン、もありましたが、

この作品ではそういうものが大概、現実的な記事の材料、でしたが、実際墜落現場を取材した堺雅人、滝藤堅一が演じた記者二人、その惨状を体験した彼らの殺伐とした心情と、していない社内の人々との埋めがたい温度差、というものが、ある程度表現されようとしていた、感で、

また、報道に情熱やプライドを持ちつつ、主人公が、確実な裏付けのない記事には、突っ走れない、という、社内の人から「大事な所で逃げてしまう」、とも非難されていた不器用な潔癖感、が最も印象的で、
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2008/6/9

モディリアーニ展  文化・芸術

国立新美術館で今日までの同展、今回見送りと思っていたけれど昨日母と。終了間際で混んでいるかと思ったら、それ程でもなかった。世界各地からの油彩、素描約150点の展示。

アフリカ、東南アジア芸術等の影響のルーツから、のような趣もあって、春に「美の巨人たち」で取上げていた「カリアティッド」の連作等は、今まで展示会で余り覚えなく、神殿を支える力強い女性の様々な色調、ポーズの作品群。

ちらほら最近見たり、馴染みのものもあり、以前この絵入りマグカップを使っていた「大きな帽子をかぶったジャンヌ・エビュテルヌ」は、やはり見る度にどこか愛着。1点ジャンヌだったかどうか、横顔の女性肖像画があり、モディリアーニにしては珍しい、と解説に。

今回は、昨年「モディリアーニと妻ジャンヌ展」で気に入ったけれど、在庫がなかった「肩をあらわにしたジャンヌ・エビュテルヌ」と、これも珍しい角度の感の、チラシにもあったジャンヌを左斜めから描いた絵のカード。帰り道母が、独特の面長の顔の鼻が印象的で、電車の向かいの人達の鼻が妙に気になって可笑しかった、等言っていた。昨夜「地下鉄(メトロ)に乗って」録画。(http://www.nact.jp/exhibition_special/2007/modili新日曜美術館美の巨人たちモディリアーニと妻ジャンヌの物語展

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2008/6/8

4分間のピアニスト(’06)  ヨーロッパ

先日新作DVDリリースのクリス・クラウス監督のドイツ作品。日本では昨年公開、無実の罪で女子刑務所に服役する天才的ピアノの才能を持つ少女と、かつて名ピアニストだった老女ピアノ教師との、葛藤、愛情の物語。

最近ピアノ師弟物語で見た「私のちいさなピアニスト」のようなほのぼの感はなく、全体に抑えたトーンの映像、老教師が、少女の並ならぬ才能を開花させようと近付くものの、刑務所、という音楽に打ち込むには波紋の多い場、様々な過去の傷を負って、日常でも音楽に対しても、感情の激しさを露にする野生児のような彼女との、バトルのような日々。

ナチス時代の経験等、自分の波乱の年輪を秘めた教師役、ベテランモニカ・ブライブトロイと、オーディションで選ばれたらしい、射すような眼光の新人ハンナー・ヘルツシュプルングとの、個性が寄り添ってはぶつかる、予想より破天荒なピアノもの。

シビアな状況にも淡々と流れるクラシック曲、だけでなく、ハンナーが自由奔放に鍵盤を叩く、ロックやジャズアレンジの旋律。後ろ手に手錠のままでの、こなれたパフォーマンスは少し驚き。

圧巻は、やはりラストの演奏シーン。ラストに盛り上がりのステージ演奏、というのは、音楽もの定番ではあるけれど、かつて見聞きしたことのない、邪道というのか、斬新というのか、のピアノ演奏。

立ち上がり、ピアノの鍵盤以外の部分も自在に使い、自分の波乱の過去を全て吐き出すように、滑るように弾いていたかと思えば叩きつける、即興ジャズ版シューマンというか、インパクト残り、演奏後、おそらく、前に「誰にでも、頭を下げてもらいたがっているんだろう」と揶揄していた老教師に向けて、敬意のお辞儀ポーズを見せたのも、徐々に繋がっていた絆を感じられた瞬間で、

でも会場の喝采はあっても、まさに”4分間だけのピアニスト”という幕切れ、に、世間の裏側でうずくまるように過ごしながら、自分の持つ音楽、という武器を放って輝いた人生の一瞬、という切なさも残る、やや苦めでシュールな作品だった。(http://www.amazon.co.jp/4%E5%88%86%E9%96%93%http://4minutes.gyao.jp/top/

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2008/6/7

薔薇空間  文化・芸術

昨日方向的に都合も合って、渋谷Bunkamuraで今月15日までの同展に。マリー・アントワネットやナポレオン妃に仕えた宮廷画家ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテの作品中心にした、様々な薔薇の絵画展、とのことで、「マリー・・」系列で気になっていた展示会。

本物の花を見ればさぞかし綺麗だろう、と思えるような作品の数々。1枚1枚かなり念密な細かい花びらや葉の描写。中に1分半程の、「ロサ・インディカ・クルエンタ(血赤ベンガルのバラ)」という絵を元にして、一輪の赤いバラに雨粒が落ちたり蝶がやってくるCG映像も。

やはり年齢層色々でも女性客が多く、会場に各種バラの香りも漂い、売店にも様々なバラグッズ。買ったのは赤と赤紫の花弁のバラ、薄いピンクのバラの2種のカード。日本人二口善雄の水彩画、齋門富士男の写真等も。DVD「4分間のピアニスト」の途中。(http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_rose/index.html

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