2008/6/1

オリヲン座からの招待状(’07)  日本

先日新作DVDリリースの三枝健起監督作品。未読だけれど原作は浅田次郎の短編、京都舞台、映写技師と女館主が老舗の映画館を守り続けた物語。やはり昭和30年代、映画館が舞台、とのことで気になっていた作品。

蛍のシーンや、おそらく昔の街並み等もCGも使いながらも、先日の「ALWAYS続・・」よりは、映像的にも明るさを押さえ気味で柔らかく、自然にノスタルジックな昭和のムード、が漂っていた余韻。鄙びた映画館は、ロビーや座席が、おぼろげに昔の故郷の劇場の雰囲気。日常品も、劇場の横型のガラス瓶の中の駄菓子、小さな四角いケースの中のタバコ、白タイルの台所、将棋盤、ストーブ、布団の周りの蚊帳等、この作品の方が、どこかDNA的懐かしさが。

映画料金が大人70円、子供35円等という、記憶にないレベルの安さ、予告編などなく開始の時鳴るブザー、上映作品も「二十四の瞳」「君の名は」、また「無法松の一生」が館主こだわりの作品で、阪東妻三郎版で上映シーンも一番長い方、垣間見ただけながらダイナミックな映像、これは未見だけれど、折あれば見てみたいと思わせられたりも。

館主が突然亡くなり、遺された妻と映写技師の純愛物語、でもあるけれど、TVにも押される時代、そもそもただ劇場を閉めずに守りたい、という共感での二人三脚に対する、近所の色眼鏡のいびつさ。後で目にしたあらすじでは、結局夫婦になっていたけれど、見ている限りでは、もしかして、全く何もなくではないにしても、純愛のまま、という関係も有得るような、ファンタジーかもしれないけれど、そういう感もした程。

でも彼らの思いを、子供達は本能的に判って、家に問題あり居辛い彼らのオアシスになって、という所は、やはりこの時代ならでは似合う、温かい人情テイスト。

ヒロイン役宮沢りえは私は「トニー滝谷」以来、やはり痩せている、とは思うけれどしっとりした存在感、宇崎竜童、加瀬亮、それぞれとの呼吸も合っていた感、今回日本アカデミー賞でこの作品では主演女優にノミネート、やはり宮本信子の方が納得、でも、樹木希林受賞なら今回の宮沢りえに行っていても、とは思った。

薄暗い映写室の様子、ラストの上映映像等、やはり「ニュー・シネマ・パラダイス」が重なり、最近だと「カーテンコール」が日本の「ニュー・シネマ・・」と言われたけれど、物語での映画館の比重等、比べるならこちらの方が似つかわしそうな、という感。

劇場に馴染んだ子供達が大人になった、樋口可南子と田口トモロヲの間の溝の部分は、不要に思えたり、当初、京都に来た加瀬亮が特にこの劇場に持っていた愛着、等やや不可思議な所があったり、特に「ALWAYS・・」冒頭のようなスパイスが、という訳でなく、大作でもないけれど、映画(館)への愛着も絡んで、癒し系というか、さり気ない昭和の良さの残り香、的な作品だった。(http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B2%E3%83%

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