2008/6/10

クイマーズ・ハイ(’08)  日本

アクセス数:2717
投稿日時 2008/6/10 23:00:36
更新日時 2008/7/19 10:33:06

来月5日公開の「クライマーズ・ハイ」(←関連サイトです)の、今日中野サンプラザでの試写会の招待券が届いており、都合がついたので見てきました。

’85年8月12日の、世界最大の航空機惨事となった、日航ジャンボ機墜落事故を、当時地元紙の社会部記者として取材した、作家横山秀夫氏の実体験を元にした小説が原作、未見ですが3年前NHKドラマ化も、と。(http://ja.wikipedia.org/wiki/æ—\本航空123便墜落事故)

この事故の事は、慌しい報道の中、わずか4名の生存者、険しい山中でヘリコプターでの少女救出シーン等頭に残っていたり、その後も機内、コックピット内の再現、機体、事故発生後の対応の問題の検証番組があったり、

犠牲者の中にいた坂本九さんの追悼番組や、遺族の方々の「御巣鷹れくいえむ」という手記の本を読んだり、黒木瞳のエッセイの中に、宝塚時代の親しい仲間の一人(北原瑤子さん)がその便に乗り合わせてしまって犠牲に、という所があったり、折に目にしていましたが、様々な事件も起こる中、忘れてしまっていたのが、今回映画化、とのことで、

最近航空機舞台では、9.11テロドキュメンタリータッチの「ユナイテッド93」等ありましたが、この「クライマーズ・・」は事故そのもの、というより、混乱の中、それを追う地元新聞記者達の姿勢、葛藤を描いたもので、

横山原作作品は「出口のない海」以来、本も読んだのは「半落ち」のみですが、割と骨太な覚え、この「クライマーズ・・」は、重い題材ではありますけれど、どういう切り口だろうか、とは思いました。手掛けた原田眞人監督作品は私は初見で、出演は堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、山崎努等。感想は後(日)に。

ご覧になった方、なる予定の方の、感想、批評、コメントある方等、自由にどうぞ!(投稿でもメールでも結構です)<TB送受信の度に更新に>

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4 原作本

投稿者:- 投稿日時 2008/7/2 0:55:27
更新日時 2008/7/2 0:55:27

先日原作小説が手元に来たので、421ページの単行本で、横山作品は私は前述のように「半落ち」以来ですが、実際どういうものか、少しずつでも読んでみたいと思います。表紙はここにアップ出来ないので、上(↑)に。

1日最低10ページ目標、と思って、始めましたが、今まだ21ページ目です。

原作を読んだ方の感想、コメント等あれば自由にどうぞ!(投稿でもメールでも結構です)(修正再々投稿)



3 原作者横山氏の談話

投稿者:Autumn 投稿日時 2008/6/13 12:01:13
更新日時 2008/6/13 12:01:13

原作者横山氏の事が浮かび、感想の最後に書いて、折あれば原作も読んでみようと思っていますが、同氏が、「クライマーズ・ハイ」について語っているサイトを見つけたので。

本人が全権デスクの主人公のモデル、かと思いましたが、当時実際1ヵ月半御巣鷹山を取材、社会部だったとの事でも、劇中の、事故直後取材に行った堺雅人の方に近い立場、だったようでした。

>「クライマーズ・ハイ」は、とりわけ痛い小説だった。 私自身が記者として経験した、野心、保身、邪心をさらけ出したわけだから、探すまでもなく、痛覚は胸のいたるところに存在していた。 新聞社の人たちばかりでなく、組織で働く多くの人たちから反響があった。 高校生からの手紙もたくさん来た。 そんなとき、学校社会もまた、組織と個人のせめぎ合いの場なのだと、改めて思い知る。

等と書いてあって、原作では当然作品より、社内での混乱、確執、信頼、思惑、私の印象に残った高揚の麻痺状態の中での決断等、詳しく描写されていて、作品では浮いた感だった、登山や家族問題も、一個人の一面として、自然に織り込まれているのかもしれません。



2 >1 続き

投稿者:Autumn 投稿日時 2008/6/11 23:05:31
更新日時 2008/6/11 23:05:31

この作品で描かれているに限った事ではないですが、人としては真摯な部分が、企業のビジネス的には足かせ、というパラドックス、ある種、クライマーズ・ハイの麻痺感覚、でないとやっていけない世界、さかのぼれば原作者横山氏が、記者から作家へと転身した背景の一部、とも感じられた作品でした。
(修正再投稿)



1 麻痺感覚の中の真摯さ

投稿者:Autumn 投稿日時 2008/6/11 22:56:48
更新日時 2008/6/11 22:56:48

地元での大事故に、慌しく活性する新聞社内、事故後の経過を、日ごとに追う展開、会話も慌しく聞き取りにくい所もあったり、やや雑然としすぎな感もありましたが、これもある種ドキュメンタリータッチで、

主人公役堤真一のこういう硬派役、は初めて見て、一癖ある社長役山崎努等ベテラン陣相手に、激しさとジレンマを秘め健闘だったとは思いましたが、後年彼が険しい山を登るシーンが折に導入されて、

クライマーズ・ハイ、という言葉がそもそも、「登山時の興奮状態が極限に達し、高さへの恐怖が麻痺する状態」を示す、とのことで、大事件の報道、という異常な興奮状態、その中での判断の困難さ、の象徴かもしれませんが、余り大筋の臨場感と噛みあっていなかった印象で、

主人公の、海外へ行ってしまった妻や息子との距離、後年息子を訪ねて行くシーン等も、実際会わずに去る所とか、この人の一貫した性格、という部分が伺えたりはしましたが、仕事人としての孤独を表わすにしても、別次元の感傷、で、やや浮いていて、作品の密度が薄れた感が。

事故発生のお盆前、という時期的にも、当時の中曽根総理の靖国神社公式参拝の扱いや、広告記事との天秤、という事情も伺えたり、たかが、新聞じゃないか、という科白も飛び交いましたが、

大事故の地元紙としてのプライド、首脳陣VS彼らを「大久保・連赤」(大久保清の連続殺人事件、連合赤軍事件)を引きずっている、と非難する主人公が、衝突しつつの日々で、

事故自体の描写は、山中に散乱した機体の破片、折に包まれて運ばれる遺体、救助隊とそれを追う記者達の姿等、それ程惨状を表わすような描写はなく、いつか実際検証番組で流れた、機内で書かれた、あるお父さんの家族宛の切々とした遺書のメモの内容が、読まれたりするシーン、もありましたが、

この作品ではそういうものが大概、現実的な記事の材料、でしたが、実際墜落現場を取材した堺雅人、滝藤堅一が演じた記者二人、その惨状を体験した彼らの殺伐とした心情と、していない社内の人々との埋めがたい温度差、というものが、ある程度表現されようとしていた、感で、

また、報道に情熱やプライドを持ちつつ、主人公が、確実な裏付けのない記事には、突っ走れない、という、社内の人から「大事な所で逃げてしまう」、とも非難されていた不器用な潔癖感、が最も印象的で、
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