2008/6/18

地下鉄(メトロ)に乗って(’06)  日本

先週日曜夜放映の録画を見た篠原哲雄監督作品。原作は浅田次郎の小説、ある時地下鉄の駅から過去にタイムスリップした主人公と、その愛人が現代と過去を行き来しながら、自分の家族の過去を辿る物語。大沢たかお出演、とのことでも気になっていた作品。

主人公(堤真一)が最初に迷い込んだのは、昭和39年の東京オリンピック前、その後折々の時期の亡き兄、父、愛人の母達と対面。愛人役岡本綾は「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」以来。もう少しほのぼの系かと思っていたら、やや意外、大筋の、変えられなかった悲劇や父の真の姿、以外の、愛人の出生の秘密から運命の悲恋、的展開もあって、予定調和劇的すぎ、ではあるけれど、あっけない泡のような儚い寂しさも。

過去は全体にセピア色調、最初の方の新中野駅前でオデヲン座という劇場に「キューポラのある街」「上を向いて歩こう」等の看板。「上を・・」という坂本九さん主演映画があったのは初耳。パチンコと共に横型のスマートボール、白い公衆電話ボックス、木目調の電車、闇市での露店等、レトロな風物で、昭和の郷愁感はオーソドックスに漂っていたような。

大沢たかおは、満州に赴く前の純朴青年から、戦後の混乱につけこむすさんだ暮らしのワイルド振り、それでも息子達を思う不器用な父、と、演技の幅広さが出ていて、恋人役の常盤貴子や、終始困惑気味の堤真一とのバランスは良かった気が。

タイムトラベルもので余り覚えがないけれど、過去にかけた電話が、ちゃんと現代に繋がったり、というのが違和感あったり、トラベルが、唐突に夢で起こったり、何段階か別の時期に行き、その状況の変化がやや紛らわしかったり。

新たにこの作品で、というものではないけれど、家族だからと言ってその歴史は、他人のように何も知らないし、こじれた関係も、あえて口にしない過去の姿を知れば、理解の手口にもなったかも、とも、戻れるなら是非とも変えたい過去も、とも、

それは現実は不可能だからこそ、今あるものを大事に過ごすのみ、とも改めて思った、微妙な切なさ余韻のファンタジー。田中泯、笹野高史のベテラン陣の静かな演技が渋かった。丁度浅田次郎短編「オリヲン座・・」を読んでいる所。先週金曜「オーロラの下で」録画。(http://www.amazon.co.jp/%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E9%89%84-%E3%83%A1%E3%83%

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