2008/7/14

ミラクルバナナ(’05)  日本

一昨年公開の錦織良成監督作品。前に見た錦織作品「白い船」同様角松敏生が音楽担当、とのことでも気になっていたのだった作品。大使館派遣員としてカリブの国ハイチに赴任したヒロインが、バナナの木から紙を作る、というプロジェクトに打ち込むヒューマンドラマ。

実際名古屋の大学院教授を中心に、熱帯の国で、バナナの廃棄物から紙を作る、というプロジェクトはあって、それを元にした企画作品のようで、

小山田サユリ演じるヒロインが、南国タヒチと間違えて赴任先希望をハイチに、そこでの楽観的若い女性目線で、現地の人々と馴染みつつ、西半球で一番貧しい国、という現状にカルチャーショックを受けていた所、実家から送られてきたドラマのビデオの中に、たまたまある教授がバナナぺーパーについて語っているシーンがあって刺激され、行動開始、というさり気なさ、

当初子供のスリに遭ったり、移動中街の暴動に遭い、車に載せていた防弾チョッキを着る、というものものしさ等あったけれど、周りの人々も、ややクールで現実的な書記官(津田寛治)以外は、皆好意的、現地の子供達も人懐こく彼女に馴染む様子。

そう大きな障害、苦悩がある訳でなく、周囲の人に協力してもらいながら、計画が進んでいく、御伽噺的甘目な部分も多いと思うけれど、それがこの作品の後味の良さ、ではある感で、小山田サユリは「眉山」「トニー滝谷」等にも出ていたらしいけれど、意識したのは初めて。

微妙な感情表現とか、余り感じられなかったけれど、大らかで前向きな現代っ子女性、というキャラクターには似合っていたような。ハイチがフランス語圏、という実情に合わせて、この作品では、現地の日本人が仏語も話し、彼女も科白の半分位は、割と滑らかな仏語でこなしていた。

ハイチと対照的な、鄙びた岐阜県美濃の田舎で、一心に和紙をすく昔気質の職人役緒形拳も渋い味、科白があるまでは気難しそうな物腰、でも穏やかな笑顔、人格が、最初「地球の裏側なんて・・」と言っていた一見無鉄砲にも思える企画、を温かく包んでいたような感触。

後でサイトを見ると、ハイチは政局不安のため、主に隣国のドミニカで撮影したそうだけれど、街の雑然とした熱気は、インフラも整備されていなくて街の中まで電気も届いていない、という様子、緒方拳が「(日本の)戦後の闇市のようだ」とつぶやいていたり、アフリカの街の風景が重なったり、それでも、多少カメラ意識もあるかもしれないけれど、概してくったくなく明るい子供達の様子は、数年前見たドキュメンタリー「ABCアフリカ」のウガンダの子供達の姿と同じ、とも。

院生役山本耕史が、森林伐採の原因は割り箸のため、と報道されたけれど、実際は、森林を切って原料にするしかない、という貧困のため、等と話したり、プロジェクト化すれば紙生産の半分がバナナの木でまかなえる、というくだり等もあったけれど、

効率化の波で、消えていく日本の伝統技術が、バナナで環境保護+発展途上国の経済発展援助につながっている、という意外なプラス面。コスト面とか、問題もありそうだけれど、現実的にも好ましい企画、とは思った。やはり大作感はなくそう話題作、でもなかったようだけれど、ほのぼのユニーク作、という後味。エンドロールで角松敏生とデュエットのシンガーは誰だろうか、と思ったら千秋だった。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%http://www.miracle-banana.comみゅーじん 角松敏生http://www.news.janjan.jp/culture/ハート・オブ・ザ・シー(’03)白い船(’02)

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