2008/9/30

トキワ荘の青春(’96)ー追悼・市川準監督ー  日本

昭和30年代、豊島区に実在のアパート「トキワ荘」に、漫画家の卵達が集ってきて暮らす日々の様子を描いた市川作品。主役の寺田ヒロオは知らなかったけれど、手塚治虫、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄等の漫画家達が主人公、とのことで気になった作品。

質素な建物、それぞれの部屋で漫画に取り組み、折に触れ一部屋に集い、まるで合宿生活+男子学生寮のようでも。まだ駆け出しで、メンタル的にも経済的にも不安定な漫画家達が、その時期を同士と共に、励まし刺激し合いながら、やり過ごす場所、という一時の”溜まり場”的なやや乱雑な温かさ。

廊下を正面から映した固定のアングルが割りと多く、天井には傘電灯がポツポツとあり、外からのセピア系の自然光のおっとりとした空間、整頓された寺田の部屋、一人が押入れに寝る藤子不二雄ペアの部屋、インクが壁に散ったり乱雑な赤塚の部屋、とそれなりに個性が。

実際最初に住み着いていたらしい手塚治虫(北村想)などは、最初に少し登場しただけで別の仕事場に移ったり、やはりある程度自分の道が見え、個性が確立してきたら、自然と離れていく、という場。本木雅弘演じる、温和な作風の寺田がまとめ役、世話役のような立場で、それぞれのどこか皆マイペースな個性の面々ではあった。

折に彼らの母や姉が訪れる程度で女っ気はない場所に、ある日、合作の仕事で一晩だけやって来た松梨智子演じる、紅一点の水野英子は、仕事中石森、赤塚からふられる軽口もサバサバとさばき、男らしく、画風のイメージとは違いユニークだった。

出版社側との摩擦、それぞれの漫画家の模索、自分の作品で嘘はつきたくない、という寺田に、教科書でなく漫画だ、時流に合わして行かなければならない事位、判るだろう、という出版社側、それに対して「判りたくありません」、という自分の世界へのプライド。

寺田という人の漫画は、忠実に扱っているとしたら、本当に童画風の柔らかなタッチで野球や日常の暮らしを描いているようで、仲間が言うように優しさが持ち味、の印象。自分の事で目いっぱいのはずが、落ち込む仲間を勇気付けたりなだめたり、というキャラクターに添っていたようでも。本木君は「鉄コン筋クリート」の声優以来、あの中では2枚目風貌だったけれど抑え目の熱演、という感が。

藤子不二雄ペアの鈴木卓爾、阿部サダヲがくだけたいい味、さり気なく脇役で母役桃井かおり、娼婦役で内田春菊、寺田兄役時任三郎等の顔も。

寺田が石森(後の石ノ森)章太郎の姉に、漫画に市民権を与えるのは石森かもしれない、僕らのは少し弱いから、等と呟いていたり、石森が手伝ってもらっている赤塚の絵を担当者に見せ、こういう部分は自分よりも上手い、と紹介、行き詰っていた彼に光明が、等のエピソードも印象的。

余り激しく個性が衝突、という描写はなかったけれど、寺田がつげ義春の作品を、認めながらも、自分の傷を漫画で見せる必要はあるのかな、僕のは幼すぎるのだけれど、等と語ったり、つげも寺田の優しい作風を好きだと言いつつ、トキワ荘にはもう来ない、と離れていく、折にそういう芸術家同士の距離感、また惑いつつ筆を折る森安なおや等、挫折の姿も。

やはりこれは男達ならでは、のラフな連結で、女流漫画家達だと無理がありそうな、と思ったら、検索中、好きだった竹宮恵子、萩尾望都等が集った練馬区の大泉サロン、という”女流トキワ荘”もあったそうでやや意外だったけれど、この2人については少年漫画色も混じっていた作風も関係あるのかもしれない、とも。

当時の時代感はCGでなくモノクロ風景写真で表し、バックに流行歌が浪々と流れ、何か特にスパイスが、という訳ではないけれど、何だか見ていて和み感の市川色もあり、漫画ブーム夜明け前の時代を切り取った、レトロ感漂う、ちょっとユニークな昭和回帰もの、という感触。

市川監督訃報は新聞では見当たらずやや意外だったけれど、一昨日ポール・ニューマンはさすがに大きく出ていた。享年83才、と。「スティング」「明日に向かって撃て!」で共演のレッドフォードらの弔辞も。カーレーサーの顔もあり、一昨年「カーズ」で主役マックイーンを諭したり、街のまとめ役のドック・ハドソンの声を担当していたのを見たのが最新だった。遺作は来年1月公開の、ナレーション担当した動物ドキュメンタリー「ミーアキャット」に。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%AF%http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%AD%BU・SU(’87)大阪物語(’99)東京マリーゴールド(’01)「カーズ」http://www.afpbb.com/article/entertainment/newshttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080930

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2008/9/28

東京マリーゴールド(’01)ー追悼・市川準監督ー  日本

以前見ようとDVDレンタル、未見のまま返却していた市川作品。原作は「東京小説」に収録の林真理子の短編「一年ののち」、元々樹木希林+田中麗奈の母娘コンビの味の素ほんだしCMが発端、という異色作らしく、それも市川監督製作だったのか、特典映像にもそのCM7バージョンが入っていて、劇中、田中麗奈が作った味噌汁を樹木希林が食べたり等、同じ様なシーンも。

新人OLが合コンで知り合った相手に、その恋人が留学から帰るまでの1年間の期間限定の恋を提案、その揺れ動く心情を描いたラブストーリー。東京舞台、折々のシーンに地名、店名が入り、田中麗奈がそこの案内、という副音声版もあり続けて見たけれど、紹介あったのは銀座、代官山、恵比寿ガーデンプレイス、井の頭公園、お台場、深川不動等。

雰囲気的にはお洒落な都会舞台の恋物語、でも「東京タワー」等のやや浮世離れした感覚よりは、こちらの方がまだ一般的リアリティあって映像に地に足の着いた生活感も。林真理子は文体はとっつきやすく、以前それなりに読んだ作家だけれど、怖いまでの恋や人間関係の裏の心理を突いていく目線で、

今回もラストシーンが、一筋縄で終わらなかった、さり気なく、ではあるけれど、やや残酷なまでの恋の終わりの相手の心情という裏側の現実、を突き付ける、まさに林真理子色、を思った。

林原作作品では南果歩主演「不機嫌な果実」があり前に見て、今回原作未読だけれど、本来寺島しのぶタイプ女優の方がフィットの内容なのでは、とも思えたりするけれど、クールな瑞々しさを持つ田中麗奈が恋が始まってからは受けのスタンスで演じる事で、恋の袋小路のドロドロ感が軽減されて、淡い切なさの余韻が。

元々出会いの直後、遠距離ながら彼女がいる、またそのノロケ的な話もする相手から、誕生日プレゼントを受け取るヒロインのエリコも、寂しさからとはいえ、何だか、だけれど、後に残らない物の方がいいから、とべっこう飴を渡す、小澤征悦演じる相手の商社マン、優しいのか残酷なのか、無神経なのか何も考えていないのか、というキャラクター、もリアルと言えばリアルなのかもしれないけれど、

自分で恋の期間限定を提案しておきながら、次第に思いが募って行き詰って苦しんでしまう、元々そういう”遊び”の出来るタイプではない、と自重出来ない若さ、という事もあるかもしれないけれど、計算では測れない恋心のアヤ。

また相手の素直さに惹かれて近付きながら、垣間見える一途さが次第に重荷になっていく、田村という男側のあやふやである種短絡、また相手には残酷な心の動き。

その袋小路から、エリコが、学生時代の先輩に抜擢され一瞬出演していたCMでの、着物姿でキャッチボールをする自分の姿、を見て、静かに込上げる涙、自己再生していく姿、は、何だかどこか懐かしく切ない青春の感覚、

「BU・SU」で若くして人生に行き詰っていたヒロイン麦子が「八百屋お七」、に一筋の光明を見出した、という起死回生、にも重なる感で、このある意味残酷なストーリーの中の、市川作品(また原作林作品)の、それなりに苦しむ青春への救いの手、優しさ、とも。次々様々なシーンの中の人物達がボールを送って行く様子は、実際似たようなCMがあった気が。

タイトルのマリーゴールドは、叔父役の寺尾聡が家に来て、咲いていたオレンジのフレンチマリーゴールドが、一年で実を付け枯れていく儚い一年草、等と話していて、モチーフに使われた花、だった。

お洒落な街の舞台が多かったけれど、劇中田中麗奈が口ずさんでいたり、インストが流れた「さとうきび畑」や、誰か不明だけれどソフトな女性ボーカル曲、また、特典で市川監督が自分が好きな東京の場所、と挙げていた、2人が散策する深川不動や、お台場の浜辺のカモメの群れ、一匹のヤドガリを追ったり、のどかな空気もあり、

林真理子ワールドを市川風ややソフトフォーカスに斬った、田中麗奈フィーチャーの東京青春恋物語、という感触。(http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%9E%http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/30674596/introd_id/http://www.varietyjapan.com/(後半に田中麗奈追悼の言葉)、BU・SU(’87)大阪物語(’99)徹子の部屋 田中麗奈

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2008/9/26

大阪物語(’99)ー追悼・市川準監督ー  日本

先日「SONGS」に出ていた沢田研二出演、実生活で妻の田中裕子と漫才夫婦役、その14才の娘役池脇千鶴の目線で追った大阪舞台の市川作品。コミカルで平和な暮らしぶりの作品かと思っていたら、最初の方はそういう雰囲気でもあったけれど、じわじわと家族に波乱が起こっていく展開。

ジュリー演じる降介の芸人風気質での家庭人としての破綻。別れてもコンビは続け、浮気相手とその赤子をも包み込んでいく、田中裕子演じる晴美の大らかな難波女ぶりとプロ根性。前半、しがらみを越えて近所に住む二組の親子が団欒していく様は、御伽噺のようではあったけれど、それを支えていたのは晴美の酸いも甘いも噛み締めたようなキャラクターで、作品のテンポも保たれていた感が。

実際離婚後も続行の漫才コンビがいたけれど(検索したら正司敏江・玲司)、そういう両親の漫才姿を、奥底の心の機微は理解出来ずとも、感じ取ろうとする少女、池脇千鶴の多感な眼差し。この2年前「ASAYAN」で市川監督に見初められ三井リハウスガールに抜擢されていて、これがデビュー作なのだった。大阪出身だし関西弁も自然。

母の影響で父の浮気相手にも心配りしたり、腹違いの赤子を世話する健気さと気丈さ、が似合う少女の物腰。この作品脚本は犬童一心監督だったようだけれど、前に主演で見た犬童作品「ジョゼと虎と魚たち」('03)以来の透明感+硬質な魅力が出ていた作品。

ジュリーが漫才師とはミスマッチ、の先入感はあったけれど、「夢二」のニヒルさとは違う風来坊な味。「夢二」以来と思っていたけれど「eiko」にも出ていたのだった。さすがに田中裕子との息はバトル的な絡みも全編通して自然だった感、田中裕子は主演クラスでは「火火」以来、やはり何か見る度独特な”素”のたくましさ。

後半は消えた父を探しての池脇千鶴、学校をドロップアウトしていた友人南野公助のロードムービー風、最初に転がり込む、女と彼女が世話する老人、子供達がいる不思議な家、出会う父の知人達は皆好意的に父のエピソードを語り、やはり御伽噺的ではあったけれど、

普段気丈な彼女が、ミヤコ蝶々の前で「お父ちゃん、大阪におるんかな・・」と呟くシーンの表情は、そこだけが、生身の14才の娘らしい心細さ繊細さが出ていて、やはり少女の心情の余り多くは語らない、という作風だけに、印象的。年輪の貫禄のミヤコ蝶々も、今回検索中、偶然か離婚後も漫才を続けた人なのだったと。

また、父から知人に届いていたくだけた絵葉書を見て一瞬和むシーンからかぶさって真心ブラザーズの「ENDLESS SUMMER NUDE」という曲が流れ、2人が自転車で街を走り抜けるシーンは、真心ブラザーズは名前は知る程度で曲もじっくり聞いたことがなかったけれど、2人のこの旅で初めてやや弾ける笑顔、ゴチャゴチャした街を駆け抜ける疾走感、に朴訥な歌声が似合って、そこだけがストーリーとは別に、独立のプロモーションビデオのようでもあり、テーマ曲は尾崎豊の「風にうたえば」だったけれど、今回この「ENDLESS・・」の方が断然インパクト強く、

ずっと市川作品を追って見てきた訳でなく、今回思った事ではあるけれど、「BU・SU」の富田+原由子といい、CM畑的な切り口でか、改めて、そういうものを入れ込み短時間単位で見せ場を作る妙、を感じ入ったりした。このシーンや父の知人と会う以外の2人の旅、10代前半で街をさ迷うあてどなさ、切なさは近年では「カナリア」が重なったり。

後味的には、漫才夫婦という笑いのファクターの中の、情けなく図太くもある人々の、やや甘酸っぱい人間模様を見た、という感触。(http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E7%89%A9%E8%AA%BU・SU(’87)ー追悼・市川準監督ーSONGS 沢田研二Part1

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2008/9/25

家庭の秘密(’75)等  本・映画

昨日たまに寄る本屋の一角に、漫画家花村えい子著の「家庭の秘密」を見かけとっさに買った。これは子供時代「あの日にかえりたい」がテーマ曲だった秋吉久美子主演ドラマ原作、のようで、あとがきを読むと、元々週刊マーガレットに連載の「霧の中の少女」を、自分で小説化した作品、と。

ドラマは「あの日・・」絡みもあり何度か見ておぼろげに池上希実子も出ていた、等と思うけれど内容は全く覚えていない。本の帯に秋吉久美子と映っているのは岩城滉一にも見える。「あの日・・」は久方に見かけたグレイブルーの物憂げなジャケットも郷愁。

帯の紹介では北の国の純愛物語、らしく釧路舞台だったのだった。秋吉久美子ヒロイン+釧路と言えば愛読した原田康子原作の同じ頃の「挽歌」('76)もそうで、久我美子版のリメイク、桂木役は仲代達矢だったのだった。週刊マーガレットはよく読んで、花村えい子のコミック自体、エレガントな絵柄は知っていて読んだかもしれないけれど、年代がずれるのかそう馴染みなく、具体的に浮かばないけれど、これは読んでみようとは。

夏に整理しきれていないのもあり、余り本は増やしたくないけれど、近くに赤と緑カバー上下セットの「ノルウェイの森」も見かけて購入。これは以前持っていたけれど、貸したきりになったのだったか、見当たらず、特に当面読み返したいとも思えないけれど手元にはあった方が、という本。

やや前に映画化、という話題も聞いて、「トニー滝谷」に続く村上春樹原作作品、になりそうではあるけれど、何だか余り映像化は見たくないタイプ、という感が。本は今「クライマーズ・ハイ」が停滞中。「大阪物語」の途中。「SONGS 沢田研二 Part2」録画し損ね、再放送は4日(土)に。 (http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8E%http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8E%http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080731

(C)三笠書房
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2008/9/24

SONGS 沢田研二 Part1  音楽

先週の「SONGS」は沢田研二、2回シリーズの初回。歌ったのは「ROCK’N ROLL MARCH」「我が窮状」「君をのせて」「勝手にしやがれ」「神々たちよ語れ」。 

見かけたのは久方、音楽番組は7年振りだそうで、金髪、ブルー系サイケな衣装。歌手生活40年、この人もいつしか還暦、でも毎年ライブツアーも続けてきて、今年ドームコンサートも、と。「時間ですよ」のジュリーポスター前での樹木希林の恍惚ポーズ、をふと思い出す。マイベストはタイガース時代の「青い鳥」、ソロでは「時の過ぎ行くままに」「危険なふたり」が双璧。

今回100人の合唱と共演。ソロデビュー曲だったという「君をのせて」は、イントロ部分は微かに覚えある気もしたけれど、宮川泰の牧歌的なメロディ+岩谷時子の詞、今回割といい曲と思い、こういうバラード曲もあったのだった、と。やはり阿久作品でもある「勝手にしやがれ」のセクシーさが一番馴染みで違和感なかった。歌い出しの両腕をクロスさせるポーズ、サビでの腕を頭の近くでラフに動かすアクション等懐かしいものが。

ロックンローラーは足腰、あと5年は大丈夫だけれど、等コメント。「我が・・」「神々・」等初耳のやや人生哲学的な内容の曲は、年輪もあるかもしれないけれどこの人には意外。俳優としては「夢二」が見かけた最新。田中裕子と出演の未見だった市川作品「大阪物語」を見る予定。(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/index.html

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2008/9/23

BU・SU(’87)−追悼・市川準監督ー  日本

19日(金)に市川準監督の突然の訃報で少し驚き、脳内出血で享年59才、と。このダイアリー作成時about me欄で好きな監督の一人に挙げてもいたので、追悼を、と。ずっと作品を追ってきたという訳ではなく、見たのは「BU・SU」「つぐみ」「ざわざわ下北沢」「トニー滝谷」「あしたの私のつくり方」等、やはりデビュー作「BU・SU」で意識、よしもとばなな原作の「つぐみ」('90)でインパクト、叙情的ではありながら骨太、劇中漂う空気感が自分には合う、というのか好ましい感触。

本人の映像を見たのは大分前、「ASAYAN」というオーディション番組で、CMディレクター絡みで三井のリハウスガール募集の審査員として、池脇千鶴を選んだ時、の覚え。最新劇場で見たのは「トニー・・」、DVDは「あしたの私・・」。秋公開予定の「buy a suit スーツを買う」が遺作になった、と。まだそう高齢、という訳でもなく、残念、ご冥福をお祈りします。

形として追悼としても、以前掘り出し物ビデオ店舗で買ったままだった「BU・SU」('87)を、久し振りに見た。DVD化はされていないようで。やや記憶おぼろげになっていたけれど、改めて、富田靖子の不機嫌そうな美少女ぶり、教室内での高校生達の若さの無邪気な盛り上がり、イジメ、正義、潔癖感での憤り、心のひだまで判らずとも大人達の彼女への悪気ない、キップのいい、ひっそり穏やかな、また表面的接触、ような空気が、「あしたの私・・」は少し市川作品ってこういうのだった?と思ったのだったけれど、こちらの方がより自然に感じられ、

劇中折に流れていた聞き覚えあった「七色の谷を越えて・・」という唱歌は、私は「風のリボン」という曲名と思っていたけれど、江間章子詞・團伊玖磨曲の「花の街」だった。

あてどなく学校をサボって電車で着いた街で、バックにテーマ曲も担当の原由子のややメランコリックな曲が流れる中、さ迷い歩くシーンはじんわり良かったけれど、やはり彼女ヒロインの「アイコ十六歳」で流れ雰囲気にフィット、でもいまだに曲名不明の原由子の曲があったのを思い出した。

学校の後は叔母(大楠道代)の元で芸者見習い、という日々、故郷での思い出に外への扉が閉ざされている感のヒロイン麦子、その光景、斜めに傾く海等のフラッシュバックを挟んで、醒めたような表情のショットが印象的。

従姉妹の芸者役伊藤かずえの恋、同級生のボクシング部の高嶋政宏の自分へのジレンマ、ビヤガーデンでの行きずりの女の夢と仕事のギャップ、不倫話、等、それぞれが孤独で、科白も会話はしていても独り言、を発しているようでも。

そういう中、ビヤガーデンでビールの泡を眺めている内に、彼女の内の何かが弾け、女が提案した情念の演目「八百屋お七」を文化祭で踊る、と決めて外へと弾ける糸口をつたっていく姿、またその舞台のややシニカルな結末、残酷さ、見つめていた高嶋政宏が指し示した、外のやぐらに火を投げ込む、惨めさやるせなさを葬ろうとするシーンは、

炎の揺らめく感触は覚えあり、そうだったのだった、とDNA的懐かしさが。最近見た青春ものより、何か親近感、肌暖かい感触があった。気になりつつ未見の市川作品も思えば少なくないので、この機に追悼としても幾つか見ようか、とも。(http://news.aol.co.jp/story/news.date=20080919163930http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD17884/http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD26632「トニー滝谷」ざわざわ下北沢(’00)あしたの私のつくり方(’07)

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2008/9/17

SONGS 高橋真梨子  音楽

先週の「SONGS」は高橋真梨子、この番組では昨年も2回シリーズで登場、今回45分の拡大版、歌ったのは「遥かな人へ」「桃色吐息」「My Heart New York City」「五番街のマリーへ」「目を見て語れ 恋人たちよ」等。

思い出の地N.Yでロケ、夫ヘンリー広瀬と婚約発表したセントラルパークのレストラン、10月にコンサート予定で、’93年にもコンサートをしていたカーネギーホール、ジャズクラブ、楽器店等訪ねる様子。

前のコンサートの様子も映り「ジョニー・・」「桃色・・」「For you・・」等に混じって「センチメンタル・ジャーニー」も歌っていた。当時のニューヨークタイムズ紙の写真入り記事が出て「暖かく控えめなメゾソプラノ、まろやかでよく響き優しさと切々とした思いに満ち溢れる」等と評価、と。

高級店が並ぶ五番街を南下すると、昔ながらの住宅地、その周辺を歩きながら「五番街・・」を歌う時はこういう静かな町並みを思い浮かべる、当時阿久悠の歌詞が凄い、と思い、自分が男性だったらあの詞を見た時すごく感じる所があり、遠く離れた相手に謝りたいと思うのではないか、等と話し、思えば男性詞なのだけれど、大らかな高橋ボーカルに違和感を感じた事はなかった。ラストに歌ったのも、結構前の詞だったらしい阿久氏の遺作になった「目を見て語れ・・」という新曲。(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/index.htmlSONGS 高橋真梨子<1><2>

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2008/9/16

スタジオジブリレイアウト展  文化・芸術・映画

東京現代美術館で開催中の同展、今月28日(日)までで気にはなっており一昨日見てきた。ここは昨年「ジブリの絵職人 男鹿和雄展」以来、今回高畑・宮崎監督が手掛けた作品のレイアウト約1300点の展示。

鉛筆の輪郭+薄く色鉛筆で着色でのレイアウト画、絵のボリューム的には、男鹿展での絵の方が、一つ一つの作品として完成度的にも見応えあったけれど、折に指示の書き込みがあったり、膨大な時間と手間をかけて完成する、各アニメ作品の手作りの地道な土台の趣が。BOOK、セル等の用語解説コーナーも。

一番多かったと思ったのは、一室の壁一面、天井まで張り巡らされていた「千と千尋の神隠し」、古いもので「アルプスの少女ハイジ」の素朴なタッチの絵から、男鹿展同様、「おもひでぽろぽろ」の田舎の景色等、各作品に懐かしさ。「ハウル・・」の動く城等は、この段階で、かなり緻密な描き込みが。

レイアウト数枚ずつと、そこから出来たアニメ映像シーンの比較展示もあり、キキがほうきで街中を縫うように跳んだり、「もののけ姫」で動物達が走るシーン等もあり、「優雅、でも速い」等と走り方の大まかな指示等書いてあったりした。順路途中両監督の、互いやレイアウトについてのインタビュー映像も。

やはり最新の「崖の上のポニョ」が記憶にも新しく、各シーン、風景等のルーツ画に目を引かれて、一時和み。帰りにショップコーナーでクラゲの傘で泳ぐポニョのカードと、美術館売店で「ロマンアルバム 崖の上のポニョ」を買った。ショップコーナーでは列が長くレジまで半時間位かかった気が。傍らで、トトロのお腹の上に横たわって撮る写真コーナー等も賑わっていた。(http://www.ntv.co.jp/layout/http://www.amazon.co.jp/%E5%B4%96%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%男鹿和雄展「崖の上のポニョ」

(C)株式会社徳間書店
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2008/9/12

銀の街から(’08、9月)  分類なし

先日の朝日新聞第2火曜の沢木映画コラムは、上映中の「イントゥ・ザ・ワイルド」。隣に今回のベネチア映画祭の記事。優秀で裕福な若者がアトランタの大学卒業後、旅に出て、2年後アラスカで死んでいるのが発見される、というジョン・クラカワーというライターのノンフィクションが原作で、それをショーン・ペンが映画化、と。

ショーン・ペンは俳優としては「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」でが最新、好みだったのはウディ・アレンの「ギター弾きの恋」、「アイ・アム・サム」でのダコタとのコンビとか演技幅広く渋く、な印象、監督作で見たのはオムニバス「セプテンバー11」中の一編、9.11の日、亡き妻を偲ぶ老人が部屋で過ごす姿を描いた詩情ある、ともシニカル、ともとれる閉じた空間の短編だった。

この「イントゥ・・」では、沢木さんは、主人公が様々な出会いと別れを繰り返しながら、自分でもわからない「何か」を求めて旅をしているうちに「旅という病」に冒され、アラスカの荒野で「何か」を掴みかかるものの、「荒野の罠」に落ち人々の元へ帰る道を失っていた、等と書いていて、

抽象的ではあるけれど、刹那的ロードムービー風、この作品で興味引かれるのは主人公の心象風景でもありそうな、心に食い入ってくる程美しく撮られている、というアメリカ、メキシコ、アラスカの砂漠、峡谷、雪原の映像等。一昨夜「SONGS 高橋真梨子」録画。(http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12393/http://www.amazon.co.jp/%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%86%E3%83%B3%

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2008/9/10

ありがとう(’06)  日本

一昨年公開の万田邦敏監督作品。新作リリース時DVDで見ようとしたものの忙しなく未見で返却、先日「SONGS」に出ていた薬師丸ひろ子出演、との事でも気になった作品。原作は平山譲の同名小説、阪神・淡路大震災で被災しつつ、還暦でプロゴルファーテストに合格、活躍中の古市忠夫氏の姿を追った、実話ベースの物語。

’95年1月の地震の勃発の瞬間、その後の混乱、神戸の街の壊滅振りが、実際の映像とCGで映し出され、舞台になった長田町を襲った火の手、家屋に埋まった人々が犠牲になった様子等、当時のニュースでは伝わらなかった細部実態の再現。

様々な事件が起こり、忘れていく中、当時、以前住んだ西宮、そこの母校周辺でも学生に被害者が出たり、親族、友人、知人等も大事には至らなかったけれど被害を受け、その後の影響も残ったあの大災害、だった、と。

今福将雄演じる老人の、妻を炎に奪われるシーン、堤防で名を呼ぶ姿等は、現実的な大惨事の中の、一つ一つの、憤りと悲しみの形、を見た思いも。

その炎の中、一人でも救おうと奔走する、「憑神」以来の赤井秀和演じる地域の消防隊員でもあった古市氏の姿。仮設住宅で、気を落とし自分に今までの憤懣をぶつける妻(田中好子)、娘達(尾野真千子、前田綾花)に、炎の中で、究極の場であらわになる人間性、というか、自分が見た「3つの顔」の話をし、

呆然と動けなくなった人、他人はどうでもよく自分の事だけを考える人、ただただ人のためだけに動く人、どれも自然な人間の顔だ、でも自分はどの顔になりたいか?、等、災害で今まで通り行かなくなった人生、でも生かされている人生、を見つめ直す、という辺りが、日常素朴に古市氏の口から出ていた、関西弁トーンでの「ありがとう」という科白にも繋がっていたようで、

実際葛藤もあったようだけれど、震災後土地を奪われたくない地域住民と、行政の摩擦、そのパイプ役として、集会で自治会長として、災害に強い街造りのため、広い道路、公園の必要を説き、当初罵声を浴びつつも賛同を得ていく、飾り気ない豪放な気骨、がボクサー人生で怪我で生死をさ迷い復活した赤井秀和本人の過去の姿に一部重なったりも。

唯一焼け残った車に積んでいたゴルフセットで、プロゴルファーを目指すくだりは、元々クラブのアマチュアチャンピオン、という経歴、でも被災後の事情にしても、体力づくりや筋トレ、自宅でのカップイン練習、のみで2千人中50名程度合格、というプロテストに臨む下準備、としては実際どうなんだろうとは思ったけれど、

彼の前向きな姿が、復興への方向と重なり、トレーニング姿が地域の人々の中に溶け込んでいる様子は、温かみがあった。連日コース練習している並み居る若いゴルファー達に混じり、自分の持つ老練な正確さ、を武器に戦う姿も、小気味いいものがあり、被災という実際的な苦難を経てきたゆえのメンタル的骨太さ、プレッシャーに落ち込むライバルの若者(柏原収史)を励ます大らかさ、も印象的。

「崖にしがみついている、その手を放して、思い切り手を振ってみろ」というのも日常のしがらみの中、なかなか出来にくいものではあるけれど、そういう事が必要な局面も、というメッセージにも。

薬師丸ひろ子は今回テストでのキャディー役で登場、古市氏のショットの正確さを見抜き、その人柄に好感を抱き、励まし、アドバイスを送る冷静な風情、ではあった。エンドロールは、加藤登紀子で知っていた「生きてりゃいいさ」で、河島英五版だった。

アメリカでは9.11題材作品が続々と作られたりして、以前イランの大地震後の現場を行く半ドキュメンタリー的なキアロスタミ作品「そして人生はつづく」を見た時、日本ではこういう大災害現場をリアルに描くのはタブーな感で、阪神・淡路大震災テーマ邦画等は難しそう、等と書いていたけれど、

震災後10年を経て作られた、ドキュメンタリーという訳ではないけれど、何にしてもあの衝撃が舞台の作品、やや漫画的サクセスストーリー風でもあってぎこちなさもあるかもしれないけれど、実話ベースの大逆境からの希望の人生転換、という感慨は残った。(http://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%8C%E3%81%A8%)

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2008/9/9

SONGS 薬師丸ひろ子/レイモン・ルフェーブル  音楽

先週の「SONGS」は薬師丸ひろ子、歌ったのは「セーラー服と機関銃」、メドレーで「探偵物語」「メイン・テーマ」「あなたをもっと知りたくて」、「Woman”Wの悲劇”より」

歌声は「うた魂♪」の合唱クラブ顧問の臨時教師役で、尾崎豊の「OH MY LITTLE GIRL」等歌っていたのを聞いて以来、姉が合唱部だった事もあり元々合唱好きとのことで、今回、島根県の山間の小さな分校を訪ね、10人の生徒達と、語ったり、「夏の思い出」合唱に参加したりの様子。

デビュー時、子役ではあるけれど、自分によって評価されるのは大人の世界だし、かなり厳しくされ、その事が30年同じ仕事をしてきて生きている、等子供達に語ったり、一緒にかなり大きめのナスを採ったり、スイカを食べたり、という姿。近年キャラクター的に、「めがね」ではやや跳んでいたけれど、私生活では母ではないものの母役が自然にフィット、の感だけれど、どこか生真面目さに教師役、というのも余り違和感ない風情。

初期の頃のアルバム「SINCERELY YOURS」録音があり、シンガーとしては特にクセのないボーカルの印象、メドレーで大滝詠一、南佳孝等の提供もあったのだったと改めて。今回も角川黄金期の出演映画絡み曲が多く、20才の時の「Wの悲劇」は転機になった作品、とのことで、劇中劇や三田佳子との絡み、印象的だったラストのお辞儀ポーズシーンも出たけれど、

そのテーマ曲「Woman・・」は、詞松本隆+曲ユーミンの薬師丸マイベスト、本人が20年経って詞の切なさに気が付いた、と言っていたけれど、今回歌った中、今の年代の彼女が歌うのを聞いて、一番しっとり違和感なかった曲。最近作で彼女出演の未見だった「ありがとう」を見た。感想は後(日)に。(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/index.html「うた魂♪」

先日溜まった新聞整理をしていたら、6月29日付けでレイモン・ルフェーブル氏の訃報、享年78才、死因は不明、闘病生活が長かったらしい、と。一昨年訃報のポール・モーリア等と並んで馴染みの名前、ルイ・ド・フェネス作品等映画音楽も多く手がけたようだけれど、浮かぶのは紙面にもあった哀愁の「シバの女王」、「バラ色の心」はミッシェル・ポルナレフアルバムでの馴染みだった。(http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/06/29/10.htmlポール・モーリア

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2008/9/2

旅の贈りもの 0:00時発(’06)  日本

一昨年公開の原田昌樹監督作品。先日「SONGS」でのように徳永英明出演作と知って、DVD発見したので見た作品。大阪午前0時発、行き先不明ミステリーツアーのような列車に乗り合わせた、それぞれ問題を抱える人々が、終点の「風町」で過ごしながら、再生していく物語。

日本海側のどこかの街、という設定だったけれど、ロケ地は広島の呉市等のようで、海岸を臨むこじんまりした街並み、お寺や石畳、狭い路地等、箱庭のような日本的ノスタルジックな場所。劇中の列車は、鉄道マニアに人気の「EF58形150号機」という機関車だったそうで、これも内装や走る姿がレトロな味わい。

失恋したOL(櫻井淳子)、孤独な女子高生(多岐川華子)、リストラされ家族との距離を感じるサラリーマン(大平シロー)等が、その街での出会い、ゆったり流れる時間、人々ののどかな好意の中、誰かに必要とされる実感で、行き詰まりから解放されていく展開。

劇中櫻井淳子が言われていたように、足早にひたすら前を見て歩く事で、見失う、気付かない、踏み潰してしまう物、でもなかなか程好い加減は難しいし、そうしてきた事で失くした物も戻らないけれど、改めて自分の歩幅、の確認は価値ある時間、というような感触も。

「風町」から、はっぴいえんどの架空の「風街」も思ったけれど、大滝秀治、 梅津栄、樫山文枝等のベテラン陣が、旅人達を懐広く温かく迎える住人として、この街の桃源郷のようなムードを創っていた。

タレント志望少女役黒坂真美が、大阪弁の賑やかなキャラクターで訳ありな人々の中和剤的な味、多岐川華子は、多岐川裕美の娘らしくそう言えば、という面差しの強さ。妻の遺影と旅する男役細川俊之は「ラジオの時間」以来か久々に見かけ、やはり渋くはあるけれど、年をとった、と。

徳永英明は、そこに数年前から居ついていた医師役、いきなり、靴擦れで座り込んでいた櫻井淳子の足首をつかむ唐突な登場の仕方。演技力というより、良心的素朴な人柄と2枚目の中間、のような役柄が、キャラクター的に似合ってはいた感も。

徳永版「時代」が劇中流れ、これを聞くとオリジナルの中島版の方が力強く、徳永版はかえって優しいテイストが。エンドロールには「いい日旅立ち」中森明菜バージョンだったけれど、せっかく徳永版もあるのだからいっそそちらの方が、とは。Wikipediaではもう1本「シンガポール・スリング」('93)という徳永出演作もあるようだけれど、余り情報が見当たらない。

この原田昌樹監督作品は初見だったけれど、今年冬癌で他界され、春頃新聞に小さく紹介あった広報映画「審理」が遺作に、と今回作品検索していて知った。ご冥福をお祈りします。旅人の心の揺らぎ、やり取り等短絡過ぎな感もするお伽話、ではあるけれど、女子高生の孤独のはけ口のような携帯メール、危険サイトの誘惑、の今時の空虚さ、もシンクロしながら、一時の人生のエアポケットの安息場としての旅空間で、淡い好感持てた珠玉作、という余韻だった。(http://www.amazon.co.jp/%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%80%8C%E6%97%85%SONGS 徳永英明

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2008/9/1

地球街道 モニュメント・バレー  分類なし

先週土曜の「地球街道」は、カメラマン石川賢治氏がアメリカのモニュメント・バレーを旅、石川氏の月の光で撮る写真は割りと好みで一昨年の展示会へも行ったりしていて、録画で。モニュメント・バレー自体、アメリカの原風景、少し異次元空間という感の土地。

番組でもジョン・フォードが「駅馬車」を撮影して以来、様々な映画の舞台に、という紹介、ユニークな岩の景観のビューポイントも。通っていたフラッグスタッフは、グランドキャニオンへの起点でもあった。最近スクリーンでは一昨年の「BIG RIVER」、また4年位前ドキュメンタリー「オランダの光」で、独特の地形のオランダと他の場所の光、を比べていた時ここもあったのだった。

石川氏はこの地で月光写真を撮りたい、とやって来て、案内の人の知り合いの現地ナバホ族の家を訪ねたり。土を盛り上げて出来た家で、トルコの岩場の家やモンゴルの移動式の家「ゲル」の雰囲気が重なったりも。88才の穏やかな表情のお婆さんがいて、4ヶ月で1枚ペースのエスニック模様の織物で設計を立てている一家の質素な暮らし振り。

そこの奥さんの家庭料理で、小麦粉を伸ばして揚げた「フライブレッド」という、お好み焼のような薄いパンがここでの主食のようで、石川氏はマトンのシチューにつけながら食べていたけれど、先日たまに行く近くのパン屋で、もう少し薄いけれど似た形のガーリック味のパン、を見かけて買って食べたのだった。

満月の夜を待って、石川氏が撮影の準備、月が雲から出るタイミングを待つ様子は、アンセル・アダムスの月が墓地を照らす一瞬を捉えた「ムーンライズ」を思い出したり。でも多分後10分位分足らずでテープが終ってしまっていて、肝心の写真は見られず残念。後日どこかで見られるかもしれないけれど、青白い月光でのモニュメント・バレー、というのはまた違った世界に見えそうでも。(http://www.tv-tokyo.co.jp/chikyukaidou/backnumber.htmlhttp://gekkouyoku.com/天地水 月光浴「BIG RIVER」

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