2008/10/11

風のガーデン(’08)〜第1話スノードロップ  日本

初回を録画で。冒頭からの神木君のゆったりしたモノローグは、「北の国から」の吉岡君の純のが重なった。倉本聰の富良野三部作の第3章になるらしく、前の「優しい時間」は未見、「北の・・」シリーズ再放送もあったけれど、多分「北の・・2002遺言」以来、別れてしまったけれど、吉岡君と内田有紀の出会いだったのだった、と。

北海道の祖父と孫2人、東京のやり手医師、祖母と医師の妻はすでに他界、訳ありそうな家族のそれぞれの様子。中井貴一演じる医師と親しげな看護婦役伊藤蘭。キャンディーズ解散の後、水谷豊と結婚は聞いて、女優業を続けていたようだけれど、見た出演作は浮かばず姿は久し振り。田中好子の方は折に見かけるけれど、伊藤蘭も久方に見かけると、やはり歳をとった、とは。

またやはり医師の周囲の弾き語りシンガー役で平原綾香。主題歌も担当、「優しい時間」でもそうだったようで、そういう流れで抜擢なのか、女優として出演は初めてかと思うけれど、シンガー役でもあってか割と自然体、な印象。また担当する患者役で、経済界の黒幕的な匂いの奥田瑛二、ガッツ石松、ベテラン大滝秀治等多彩な顔ぶれ。

北海道では、「ただ、君を愛してる」以来の黒木メイサ、ガーデニングに打ち込みながら、不倫関係の相手がいるらしい所は「北の・・」の蛍、もそうだった、と思い出したり、たまたまか祖父と孫達が飼っている犬がホタル、という名だったり。神木君は「Little DJ 小さな恋の物語」以来だけれど、背丈が伸びた、と。

緒形拳さんは、「ミラクルバナナ」の時より何だか痩せている、という印象。訪問介護の医師役、独自の花言葉を作ったり、患者や孫達との、おっとりとしたやり取り。今回「風の・・」タイトル文字も緒形さんの手によるそうで、そういう例や作中の自筆は他の作品中でも見かけた事があり、木曜の朝日新聞に、絵手紙作家の方と23年間絵手紙を通して交流してきた、という記事が載っていた。

医師に病魔の影もあり、家族との再生、という筋ではありそうだけれど、経済界の影もからんでいくのか、北海道の素朴な人情テイスト中心か、どう展開していくのか、今回庭園”風のガーデン”の花々も目に残り、一度だけ行った富良野、大らかな舞台で、久し振りに今後も追っていこうかと思ったドラマ。昨夜「緒形拳さんを偲んで・・特集ドラマ 帽子〜老いた帽子職人と若き警備員の旅路」等録画。(http://wwwz.fujitv.co.jp/garden/index.htmlhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E3%81%AE%E5%9B%BD%E3%81%ミラクルバナナ(’05)SONGS 秋川雅史・平原綾香

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2008/10/11

雨音はショパンの調べ  音楽

昨日近所の店で、流れてきた男性ボーカルでの「雨音はショパンの調べ」。’84年小林麻美版はシングルも買って懐かしいけれど、カバーは初耳。後で検索すると、男性でカバーしているのはデーモン小暮、だけで、多分そのバージョンだったと思うけれど割と甘いボーカル、でもこの人の歌は初耳だったし、イメージ的にも意外だった。

小林版はガゼボの「I Like Chopin」をユーミン訳詩でのカバー、メランコリックな曲調に小林麻美のアンニュイな雰囲と透明ボイスがマッチ、同様にガゼボの「Lunatic」もユーミン訳詩の「月影のパラノイア」でカバーだった。この2曲の入ったガゼボアルバムは買ったか録音した気も。

小林麻美、美人ではあるけれど女優としては「野獣死すべし」とあと1本に出ただけ、最近見かけず名前も聞かないけれど、ユーミンとは友人で、以前雑誌対談で「自分はいやだな、ということでも、どこかに興味があれば突っ込んでいくけれど、麻美ちゃんは、スッとハナから引いてしまう、そういう所が洗練されてる感じがする」「そこが自分と違う所で、ダーッといくユーミンはやっぱり努力家だと思う」等のやり取りが印象に残っている。

アルバム何枚か録音、著書はエッセイ「あの頃、ショパン」「グレイブルーの夜明け」、「PRIVÉ」という自分の撮った写真+エッセイ、詩の本等手元に。バブル期の華やぎ、でもやや抑えた優雅さが似合った一人、という感。「PRIVÉ」には中野浩一選手が落車した競輪レースを取材に来ていた沢木さんのアップ、歩く姿の写真、「敗れざる者たち」が自分の中の何かを変えた、等という旨もあった。何にしても思い出の珠玉曲の一つ。水曜夜「SONGS スガシカオ」録画。

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2008/10/9

竜馬の妻とその夫と愛人(’02)−追悼・市川準監督ー  日本

同名の舞台劇を映画化した市川作品。その劇を書き下ろした三谷幸喜が脚色、長屋の住人としても妻の小林聡美と共にチョイ役出演、幕末に暗殺された坂本竜馬の13回忌のあたって、その元妻、彼女の現夫と妻の愛人、新政府の役人の元義理の弟達4人の男女の、愛の騒動を描いた人情コメディ。

鈴木京香演じる、身を落としても色香漂う竜馬の元妻を巡って、人はいいけれど気の弱いテキ屋の夫役木梨憲武、風格は一見竜馬似の愛人役江口洋介、密かに彼女に思いを寄せていた役人堅気の中井貴一、のアンサンブルが、三谷脚本の間、テンポ感で進み、雑然とした長屋の一角、背景の折に挟まれる海岸、灯篭が並ぶ時代がかった街並み。

愛人の方が余程堂々としている、夫の木梨憲武の自分なりに妻を愛しているものの、人に気を使いおどおどした雰囲気、の軽妙さ、終盤の、やはり最後の一線は譲れない思いでの決闘、死んだ竜馬が忘れられず出て行く彼女に思いを訴える様子が健気、「101回目のプロポーズ」の武田鉄矢の「僕は、死にません!」の絶叫告白、を思い出したりも。

木梨憲武は余り出演作品は浮かばないけれど、同じ三谷原作、脚色の「笑の大学」に劇場支配人でちょっと出ていたのだった。愛人役の江口洋介は、前半の竜馬が重なる男らしさから、竜馬に似せて背中に付け毛していたり、竜馬の名に憧れるだけの見掛け倒しへと、メッキがはげていくコミカルさ。

彼女が愛想をつかし、最後に頼みにした中井貴一も、敬愛する竜馬の元妻、という歴史を持つ彼女に、言い寄られて、どうしてもっと毅然としていてくれないんですか、と姿勢を糺したりする潔癖、誠実さ、を見せたり、長年の思いに一時誘惑に負けながらも、結局手を出せず、出て行こうとする彼女を斬ろうとさえしたのは、竜馬の名を汚さないようという政府からの使命に自身へのジレンマが絡んだ行動、のようでも。

竜馬、という伝説をバックに、結局彼だけに思いがあり、夫のぎこちなくも一途な思いに応えられず去って行く妻に漂う切なさ、ややモタモタしたような感もあったけれど、コミカルでややほろ苦い、4人のキャラクターのバランスが味わいの市川+三谷作品だった。(http://www.amazon.co.jp/%E7%AB%9C%E9%A6%AC%E3%81%AE%E5%A6%BB%■追悼・市川準監督■BU・SU(’87)大阪物語(’99)東京マリーゴールド(’01)トキワ荘の青春(’96)会社物語(’88)東京夜曲(’97)東京兄妹(’95)

中井貴一は今日TV欄で、今夜からの緒形拳さんの遺作になった「風のガーデン」主演の医師役のようで、倉本聰脚本で富良野舞台、同様の「北の国から」シリーズはずっと見ていたし、これも初回は録画チェックしようかと。(http://wwwz.fujitv.co.jp/garden/index.html

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2008/10/8

地球街道 マダガスカル<1>  分類なし

先週土曜の「地球街道」は、水野美紀がマダガスカルを旅、数年前アニメ「マダガスカル」('05)は見て、その後にあった、世界遺産ドキュメンタリー番組も見たりしていたので録画チェックで。

島は元々太古に大陸移動前アフリカとインドの間にあり、位置からすれば不思議だけれど、アフリカよりはアジアの特色が多い、とのことで、米作もされて、田が広がる景色は確かにアジアのようでも。

アニメでは手付かずの動植物の楽園、のイメージだったのが、前の番組では実際は人口も2千万近く、自然破壊も進んでいるようだったけれど、今回見た人々の暮らしぶりは素朴。水野美紀が食堂で米を炊く様子を見たり、チキンの煮込みスープと共にご飯を食べていて、タイ米のような米、と。

サザンクロス街道、という島を縦断する道路でのドライブ、アメリカのアリゾナ辺りのような、ひたすら平原が続いていたり、途中で見えたエアーズ・ロックのような大きな一枚岩に小さな岩が乗った「ボネドパップ」はお父さんの帽子、という意味で、言われていたように鏡餅のような姿。エアーズ・ロックと違って、地元の人も登れない”聖地”なのだと。

国立公園で、50種類いる、というカメレオンの一匹をガイドが捕まえ、水野美紀の手に乗せたり、やはり爬虫類系、でも意外と小さかった。ハイライトは国立公園、保護区での2種の原始サルで、ワオキツネザルという、長い尻尾が白黒縞模様のリスのようなサル、アニメであったキュートな小さなネズミキツネザルとは全く似ていない。

また、前の番組でもインパクトだった、やはり白黒模様のベローシファカというサルの、ひたすら横っ飛びに進む移動の様子、が何とも健気でユニーク。この島の特徴で印象的な、異次元世界のような太い幹の上部に細い枝が伸びたバオバブの木、が立ち並ぶ所は来週訪問、のようで。市川作品「竜馬の妻とその夫と愛人」の途中。(http://www.tv-tokyo.co.jp/chikyukaidouhttp://www.tv-tokyo.co.jp/chikyukaidou/drivehttp://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%80%E3%82%AC%

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2008/10/6

東京兄妹(’95)−追悼・市川準監督ー  日本

「東京夜曲」等と共に小津作品へのオマージュ、とも言われる、東京の一角に住む兄と妹の姿を描いた市川作品。古本屋に勤める兄、高校卒業後写真ラボ屋で働く妹、2人の平和な暮らしに、妹の恋、という波乱が起きて、という物語。

舞台は、「鬼子母神」という商店街アーチの表示も見えたけれど、「トキワ荘・・」と同じ豊島区、雑司ヶ谷〜鬼子母神という辺りらしく、劇中兄妹が乗っていた一両で走っている都電荒川線の鬼子母神駅、もあるようで、江ノ電のような車両含めてノスタルジックな風情。

赤い鳥居が連なって並んでいたり、やはり何気ない街ののどかな風景のショットの数々。家の中はやはり固定のローアングルが多い印象。昔ながらの、なべを持って買いに行く豆腐屋や、醤油の貸し借りをする近所付き合いの様子。

やはり小津作品の原節子と笠智衆の二人暮しの父と娘の話が重なり、後でタイトルを確かめたら「晩春」('49)だった。これは現代の兄妹版、結婚は妹が二十歳になってから、という意向のため、恋人が離れていき、「晩春」では父のため自分を抑える娘、という自然なバランスではあったけれど、ここでは妹がそういう兄の姿への、見えない息苦しさを感じ、そのはけ口のような、兄が連れてきた男との恋。

おそらく初恋、のカメラマンらしき相手の影響で、ファッションも変っていく姿。妹役粟田麗は、美人系ではないけれど、色に染まっていく無垢な少女、という風情が出ていて、緒形直人は久方、今回の兄役は、何処か頑固さもありつつソフトな物腰に合っていた感。飲み屋で酔いながら、繊細な豆腐屋の豆腐の事を隣の客に語るのが、そのまま妹の事、のようで仄かな切なさ。

結局その恋人の突然の死で恋が終わり、妹は戻って来たけれど、その状況詳細の説明もなく心情も語られず、また流れていく2人の日常。

今時にしては、互いへのスタンスがやや御伽噺的純朴な兄妹、でも冒頭妹の半裸をさらした入浴シーンや、ラスト、やはり説明はないけれど、いつものように帰宅しながら家に入るのをためらう兄等、仄かに漂う男女の意識、のようなものも加えた感もあるけれど、市川風現代アレンジの「晩春」的でもあり、小津作品の影響、は聞いてはいても、追悼含めて今まで見た中で、一番その趣を感じた市川作品、でもあった。

私は東京に20年近く住んでいても、荒川線に乗ったことはなく、改めて、これは10数年前の作品ではあるけれど、浅草等以外でもノスタルジックさ残る街並みを、作品通して知った、というやはり和みの感触。(http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%85%http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E9%9B%BB%E8%■追悼・市川準監督■BU・SU(’87)大阪物語(’99)東京マリーゴールド(’01)トキワ荘の青春(’96)会社物語(’88)東京夜曲(’97)

★10/8追記:この作品に出演の緒形直人の父、緒形拳さんの訃報、AOL表紙で知り、今日新聞にも先日のポール・ニューマンの時と同じ位扱いの記事。8年前肝硬変が見つかり、5年程前肝がんに移行していた、との事で、享年71才、と。

人間味というものが滲み出るような演技で、数々の出演作品、鮮烈だったのは「楢山節考」、じんわりとナイーブさが印象に残っているのは、裕木奈江とのドラマ「ポケベルが鳴らなくて」等。結構前奈良在住だった友人が、ロケに来ていた緒形さんに、まだ小さかった子供を抱いている時だったか、写真を撮らせてほしいと言われた、というエピソードを聞いたりも。最新見たのはDVDで「ミラクルバナナ」での紙職人姿だった。遺作は、製作発表会見したばかりだった、明日から放映のドラマ「風のガーデン」に。ご冥福を祈ります。(http://mainichi.jp/enta/art/news/20081007k0000m040152000c.htmlミラクルバナナ(’05)

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2008/10/6

SONGS 沢田研二 Part2  音楽

先々週の「SONGS」は「大阪物語」にも出ていた沢田研二Part2、先週は休みで金曜夜の再放送を録画。歌ったのは「時の過ぎ行くままに」「危険なふたり」「海にむけて」「君だけに愛を」「Long Good−By」。

ソロになってからプロデュースしてきた加瀬邦彦、タイガース時代の仲間岸部一徳、森本太郎とのトークも。加瀬邦彦は知らなかったけれど、「渚の思い出」という曲は知るワイルドワンズ、のメンバーだった、と。

「危険なふたり」は安井かずみ詞、曲はこの人だったのだった。やはり「勝手にしやがれ」と同じ大野曲+阿久詞だった聞かせるバラード「時の・・」、軽快な「危険・・」は前回書いていたように双璧のマイベスト、違うタイプのジュリーの魅力の名曲。

GS時代はリアルタイムではっきり覚えある訳ではないけれど、タイガース時代の「君だけに・・」は今聞いて、率直な歌詞、サウンド、アクションも郷愁。恍惚が高まり失神ファン、というのも、思えばあの頃ならでは、の現象だった。

やはり全盛期の映像の華やぎからは、「大阪物語」のうらぶれた芸人役、滲む渋みは全く想像出来ない。別ジャンルに進んだ岸部、音楽活動を続けているらしい森本両人が、歌い続けている彼にエールを送り、今回の話で、タイガースのリーダーは、ジュリーではなく岸部一徳だったのだった。今はすっかり俳優のイメージ、ではあるけれど。弟岸部シローの方が、メンバーとしては覚えが。

解散公演の時、ドラムの瞳みのるが、中学時代からの友人の岸部一徳に、一緒に京都に帰ろう、と言ったのが、今になってようやく気持ちが判る、等と話し、岸部・沢田歌詞+森本曲の新曲「Long・・」はその仲間に送った歌、との事で、時を越えてラフな友情漂うような曲。(http://www.nhk.or.jp/songs/archive/index.htmlSONGS 沢田研二 Part1大阪物語(’99)−追悼・市川準監督ー

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2008/10/4

東京夜曲(’97)−追悼・市川準監督ー  日本

東京の片隅にある「上宿商店街」に暮らす人々の姿、過去にさかのぼる大人の恋を描いた市川作品。近所の人々がたむろする「喫茶大沢」の女主人桃井かおり、その向かいの「浜中電気」の息子役長塚京三、その妻役倍賞美津子、彼女に密かに思いを寄せる上川隆也等出演。

桃井かおりは「トキワ荘・・」でも母役で少し出ていたけれど、主演で見たのは久方、特に好き嫌いない人、でもこういう市井のラフに年輪を重ねた女っぷり的役は、癖ある役より好感。長塚京三も久方、多くを語る訳でない、三角、四角関係的色々あった恋のもつれ、が重ねた年月で、フラットな人間関係になって、でもふと滲み出る思いの余韻、の雰囲気が出ていた。

舞台の下町の、小さな店の庶民的な街並み、折々の何気ない風景を捉えたショット、でもやはり夜のブルーに広がる空間に散らばる白いライトの点々、雲間に見え隠れする月、川面に浮かぶ街の灯り、狭い川沿いの道等、静かな夜景の味わいが目に残った作品だった。

「喫茶大沢」も本当に下町の喫茶店、という鄙びたムード、人々が碁をさしていたり、世間話をしたり、という溜まり場。夫亡き後、そこを経営してきた桃井かおり演じるたみが、終盤長塚京三演じる浜中に「たまねぎを切ったり、コーヒーをいれたり、という暮らしの中で意味を探しても、見つかるのはガラクタのようなもの、でもそのガラクタが、幸せな時があった」という旨の事を呟いていたのが、印象的。改めて、市川作品は日常の”ガラクタ”に温もり感を持ち何処かスタイリッシュに取り上げる、という味が、とも思う。

そのシーン含む、両親がいる岡山へ旅立つ前夜、一瞬2人のよりが戻ってしまったのは、本来生理的には、向かいが自分の家、の距離感でもあるし心情的にも嫌悪感、の所、過去のしがらみ含め、放蕩してきた夫に誠意、一定の理解を示して、たみとも友好を持つ妻が、そこまで包み込み許容するはずはないし、特になくても良かったシーン、とも思うけれど、何処か自然な流れ的でもあり、余りそういう違和感が起こらなかった。

桃井かおりが田舎で自転車に乗っているラスト〜エンドロールに、歌声は「タカダワタル的ゼロ」以来、高田渡の「さびしいといま」が流れた。高田氏の「生活の柄」は目下心のペース的テーマ曲の一つなので偶然でも少し感慨も。

長塚京三が歩いていた背後で、新橋の”ゆりかもめ”掲示が見え、その頃もうあったのだったかと思ったら、丁度この作品の頃の’95年開通だったのだった。舞台の「上宿商店街」は、葛飾区に実在のようで、そこがロケ地だったのかは不明だけれど、どこにでもある町の一角、日常の中の人生に丁寧に向けた視線、の味わい、という和みの感触。(http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%9C%E6%■追悼・市川準監督■BU・SU(’87)大阪物語(’99)東京マリーゴールド(’01)トキワ荘の青春(’96)会社物語(’88)「タカダワタル的ゼロ」

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2008/10/2

会社物語(’88)ー追悼・市川準監督ー  日本

「BU・SU」に続く市川作品2作目。正式名「会社物語 MEMORIES OF YOU」、定年退職を間近にしたサラリーマンが、退職前に楽器の心得ある同僚達と、自分の送別としてジャズコンサートを開くことになって、という人情物語。ハナ肇とクレージーキャッツの面々が出演、7人がそろった最後の作品。

クレージーシリーズは、昨年春植木等さん追悼放映の「日本一のホラ吹き男」を見たのみだけど、この作品はそれぞれ役名からして、花岡始(ハナ肇)、谷山啓(谷啓)、上木原等(植木等)等、ストーリーの深みさておき彼らフィーチャーのスター映画、の様相もあり、

長年勤めた会社の定年、でもそのキャラクターから、送別会も開いてもらえなさそうな寂しい雰囲気から一転、自分を長年好意的に見守るベテラン女子社員(木野花)はいたり、若くキュートな新人社員(西山由美、役名も由美)が、六本木のアマンドで2人だけの送別会をしてくれたり、ドラム、というたしなみあるジャズでの注目、喝采を浴びて、とファンタジー的な”夢の理想の幕引き物語”だけれど、

最初花岡と、一人暮らしの由美のそれぞれの暮らしを追う形で、その関係が軸かと思ったら、そうでもなく、ハイライトのコンサートも、何気なく計画が持ち上がり、ふと行われ、どうも一貫した流れ、というより様々なパーツが組み合わさった、モザイクのようで、何だかCM畑ベース的な試行作品だったのかもしれない、等と思えたりも。

そのパーツのそれぞれ、社員との触れ合い、距離、疎外感、惜別のモノローグ、仲間達とチャーリー・パーカー等ジャズの話に和んだり、公園でいきなり自分の境遇を話しかけてきた男(イッセー尾形)等、ストーリー展開、というより、それぞれのシーンの積み重ね、で出来たような感で、花岡や由美の心境によって、軍隊の行進のような効果音や無機的な機械音が職場の風景に重なったり、

家庭の描写も何気ない団欒や、引越し等の風景の中、コンサート中突然一報あった息子の金属バット振り回し錯乱、も問題を掘り下げる訳でなく、主人公が普段表面下に抱える問題の象徴、で、その修羅場から戻って顔にアザでの演奏、も理想の夢の中のようでもあり、

ハイライトにしてはやや非現実的状況だったけれど、やはりクレージーの各メンバー実際の担当楽器での、渋いジャズ演奏は印象的、曲名は出てこなくてもメロディに覚えあるものも。

ハナ肇は、濃い目ではあるけれど意外とやや不器用で鈍重なサラリーマンの哀愁、が滲んでいたり、今回脇役の守衛役の植木等らも軽妙で渋い味、マドンナ役のOL西山由美は、コケティッシュな清純派的、目元とかは少し薬師丸ひろ子似という気も。初めて、と思ったら、松本隆が唯一監督、結構前ビデオで見た自作小説原作の「微熱少年」('87)に出ていたのだった。

枝葉のエピソードではあるけれど、専務の娘を選んだ恋人に失恋の痛手の後、見合いして相手と2人になった時、「恋人とかいるんでしょう?僕も色々あったし、そういうの気にしないし」等と言われ、「そういうの、気持ち悪いです」と言い残し去ったのは、そのキャラクター的にも心情的に正当、という感のしたシーン。また終盤、ハナ肇が、彼女を振った相手を路上で殴り倒したのも、仄かな純愛ベースの正義感的な、やはり男として職場からの理想の幕引き劇の一部だったのでは、とも。

やや落ち着きない、ともユニークとも、だけれど、会社は日比谷のオフィス街にあり、OL達がランチにインドネシア料理を食べに、というシーン等もあり、東京舞台、でもやはり夜景の街の灯り等、映像的に見ていて柔らかいタッチ、クレージーキャッツというスター映画+市川作品、のやや風変わりな人情劇を見た、という感触。(http://www.amazon.co.jp/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E7%89%A9%E8%AA%9E-%Ehttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%8A%E8%BU・SU(’87)大阪物語(’99)東京マリーゴールド(’01)トキワ荘の青春(’96)クレージーキャッツ日本一のホラ吹き男(’64)

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