2008/10/9

竜馬の妻とその夫と愛人(’02)−追悼・市川準監督ー  日本

同名の舞台劇を映画化した市川作品。その劇を書き下ろした三谷幸喜が脚色、長屋の住人としても妻の小林聡美と共にチョイ役出演、幕末に暗殺された坂本竜馬の13回忌のあたって、その元妻、彼女の現夫と妻の愛人、新政府の役人の元義理の弟達4人の男女の、愛の騒動を描いた人情コメディ。

鈴木京香演じる、身を落としても色香漂う竜馬の元妻を巡って、人はいいけれど気の弱いテキ屋の夫役木梨憲武、風格は一見竜馬似の愛人役江口洋介、密かに彼女に思いを寄せていた役人堅気の中井貴一、のアンサンブルが、三谷脚本の間、テンポ感で進み、雑然とした長屋の一角、背景の折に挟まれる海岸、灯篭が並ぶ時代がかった街並み。

愛人の方が余程堂々としている、夫の木梨憲武の自分なりに妻を愛しているものの、人に気を使いおどおどした雰囲気、の軽妙さ、終盤の、やはり最後の一線は譲れない思いでの決闘、死んだ竜馬が忘れられず出て行く彼女に思いを訴える様子が健気、「101回目のプロポーズ」の武田鉄矢の「僕は、死にません!」の絶叫告白、を思い出したりも。

木梨憲武は余り出演作品は浮かばないけれど、同じ三谷原作、脚色の「笑の大学」に劇場支配人でちょっと出ていたのだった。愛人役の江口洋介は、前半の竜馬が重なる男らしさから、竜馬に似せて背中に付け毛していたり、竜馬の名に憧れるだけの見掛け倒しへと、メッキがはげていくコミカルさ。

彼女が愛想をつかし、最後に頼みにした中井貴一も、敬愛する竜馬の元妻、という歴史を持つ彼女に、言い寄られて、どうしてもっと毅然としていてくれないんですか、と姿勢を糺したりする潔癖、誠実さ、を見せたり、長年の思いに一時誘惑に負けながらも、結局手を出せず、出て行こうとする彼女を斬ろうとさえしたのは、竜馬の名を汚さないようという政府からの使命に自身へのジレンマが絡んだ行動、のようでも。

竜馬、という伝説をバックに、結局彼だけに思いがあり、夫のぎこちなくも一途な思いに応えられず去って行く妻に漂う切なさ、ややモタモタしたような感もあったけれど、コミカルでややほろ苦い、4人のキャラクターのバランスが味わいの市川+三谷作品だった。(http://www.amazon.co.jp/%E7%AB%9C%E9%A6%AC%E3%81%AE%E5%A6%BB%■追悼・市川準監督■BU・SU(’87)大阪物語(’99)東京マリーゴールド(’01)トキワ荘の青春(’96)会社物語(’88)東京夜曲(’97)東京兄妹(’95)

中井貴一は今日TV欄で、今夜からの緒形拳さんの遺作になった「風のガーデン」主演の医師役のようで、倉本聰脚本で富良野舞台、同様の「北の国から」シリーズはずっと見ていたし、これも初回は録画チェックしようかと。(http://wwwz.fujitv.co.jp/garden/index.html

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