2006/4/21

蝉しぐれ(’05)  日本

劇場鑑賞したいと思いつつ見逃した黒土三男監督作品。同じ藤沢周平原作の「たそがれ清兵衛」「隠し爪鬼の剣」等と比べ個人的には叙情性、俳優、カメラワーク等トータル的にポイント高い作品。

山形の豊かな四季折々の自然美。川のせせらぎや緑の田園、波打ち際・・エンドロールの穏やかに煌く川に浮かぶ一双の船の情景まで、久方にDVDながら日本の美の情緒がしっとり伝わってくるような・・「幻の光」以来でしょうか。(いつもながら、殺陣のない時代劇はないのか・・ですが)

透明さに焦点を当てたという配役も、(あらゆる作品向けの人ではないと思いますが)市川染五郎の淡々とした佇まい、「たそがれ・・」の宮沢りえ、「隠し爪・・」の松たか子それぞれ味がありましたが、木村佳乃の意外な日本髪・和服姿の楚々とした美しさ。表情豊かな若年時代の2人。

下級武士の家に降りかかる理不尽な悲劇、お家騒動の余波という江戸時代の背景・・幼馴染みの貧しい少女が殿の側室となったことで逆転する”格差”。でも最後に昔のように彼女の名を呼び捨てすることで氷解する2人の思い。ラストの逢瀬は何度か見返しましたが、物語を凝縮する崇高さ。

結ばれぬ純愛が、坂で彼の引く父の亡骸を乗せた二輪車を黙って彼女が後押ししたり、等という無言の思い出の断片の数々のフラッシュバックとともに遠ざかっていく。まさに微かな”蝉しぐれ”のごとく余韻の残る作品でした。(http://www.semishigure.jp/

クリックすると元のサイズで表示します
0



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ

2006/6/8  2:33

 

今日のイラストは7代目、市川染五郎さん  忘れようと、  忘れ果てようとしても、  忘れられるものではございません  あれは十四、五の ほのか照れ隠し  ふたりで歩こうと決めた 川ではないけど  いつのまにここに いつのまによそに  水玉模様の僕は  .. 



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ