2008/7/20

エコール(’04)  ヨーロッパ

日本では一昨年公開のフランス・ベルギー合作のルシール・アザリロヴィック監督作品。原作は19世紀ドイツの短編、深い森の中の、外界から閉鎖された女学校、エコールで暮す幼い少女達の姿を描いたミステリアスドラマ。マリオン・コティヤールが出演、ファンタジックなDVDパッケージでも気になっていた作品。

小さな棺での眠りから覚めて、学校に迎え入れられたヒロインの少女、その夢の続きのような物語。原題「INNOCENCE」(無垢)の象徴のような、少女達の白い制服やタイツ姿と、森の濃い緑とのコントラストが印象的。春に見た「非現実の王国で・・」が思い浮かび、異色画家ヘンリー・ダーガーの描いた少女達の世界の一部実写映像版、のような感触もしたり。

バレエのレッスン、野外での縄跳び、フラフープ(大きな輪を腰で回す遊戯)、側転等、躍動する姿、でもそこで求められるのは、時が来て外の世界に送り出されるまで、まさに無垢であること、で、自分の好奇心で外へ出ようとする少女は、破滅の道を辿ってしまう世界。

彼女達の間の、友情、というより無邪気な思慕や、ふと垣間見える幼いゆえの残酷さ、少女期の不可思議で不安定な内面の心象のような、夜の森の小道に並ぶ仄かな街路、そこを行く少女の謎の行動、それに対するヒロインの好奇心、その好奇心に向けられる嫌悪感、等。実際のドラマ、というより寓話的ムード。

マリオンは、そこでのバレエ教師役で、「エディット・ピアフ 愛の賛歌」でのようなドラマティックさも「プロヴァンスの贈りもの」のような躍動感も抑え、エレーヌ・ドゥ・フジュロールと共に、その世界に根付いて少女達を管理する、彼女達と対照的な、成熟した肢体のクールな大人の女性像、また違う一面を見たようでもあった。

この作品の呼び声、ロリコン耽美芸術、と一言で言うのも、だけれど、箱庭的な世界での無垢な少女達の成長を味わいたい、という密かな視線、それを、それぞれ感受性を持つ少女側目線を交えて、ファンタジックに映像化したという感で、やはりある時期の少女だけが持つ甘酸っぱいエッセンスが散りばめられた、幻想的な白日夢、のような後味だった。(http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%http://www.cinematopics.com/cinema/works/「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」

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2009/9/14  14:19

 

深い森の中にある閉鎖的な学校“エコール”で暮らす幼い少女たちの生活と、外界への旅立ちを描いた美の寓話。19世紀ドイツの短編小説を、『ミミ』の女流監督ルシール・アザリロヴィックが独自の世界観で映像化。個性的な学校の生徒役には素人の少女たちが起用され、マリオン 

2008/7/26  23:20

 

こういうのって、天才の所業、っていうんじゃないでしょうか?極上の一本。きっと、何年か後の人々に、「この映画にインスパイアされた」、とか、「この映画が忘れられない・・・」なんて言われそうな、後世に残っていく作品だと、勝手に断言します!これは、大画面で堪能す.... 

2008/7/23  9:35

 

公式サイトの秘密の扉はどうも夜に開く模様・・・

1888年にドイツの劇作家フランク・ヴェデキントが発表した象徴主義的な短編小説「ミネ・ハハ」が原作のこの作品。

なんとも不思議で幻想的。イノセンス・・・純真無垢な少女たちのユートピア・・・すごく官能的な?少女達の世界が美しくもありミステリアス。

斬新さは冒頭から。なんとエンドクレジットではなくタイトロールで出てくるクレジット。湖の底から始まってラストも水の中へ・・・どうもホラーじみた怪しい雰囲気が全編にわたって感じられる。

そのアイテムのひとつに「棺おけ」。少女たちはどこからか棺おけに入ってこの下界から隔離された学校にやってくる。まるで死んでしまった少女を復活させるような不気味さを感じてしまう。

また他に印象的なものとしては「森」「湖」そして「地下」「劇場」「時計」「召使」「男子禁制」「生物学」などなど。
怪しい雰囲気としては「灯り」もそのひとつ。常に「暗さ」を感じる灯りの使い方。オレンジ色の灯りというと温かさを感じさせる事が多かっただけに、今回の光の加減や灯りの使い方は温度よりも実際の「明るさと暗さ」の方を感じて私にはちょっと新鮮な感激だった。

一種の再生を意味するのかなと思ったこの学校。でもどうもそんな感じでもないらしい。少女たちはダンスと生物学を学んでいる。自然との触れあいや生命の神秘さや保存など、この点を見るとどうも少女たち自身がこの作品の象徴的存在である「蝶」として見えてくる。

イモムシだった彼女達がこのユートピア(虫かご)でサナギ状態になって変態し、やがて蝶となってまた下界へ羽ばたいていくような。そんな象徴的なものに見えてきた。

まるで温室で万年一定の温度に保たれた楽園で、何の外敵もなく常に処女性を保てる場所のよう。ただし、同時にすべて厳しい戒律で統治され嗜好なども拘束される、まるで拘置所のような雰囲気も。

子供らしさを奪う事として、好奇心の目を摘んでしまうというところがとても怖く感じた。外はどんな世界なのか・・・逃走したアリスとローズは残念な結果となってしまう。

噂では脱走すると一生この場所から出られず、その犠牲者として教師となった二人の女性と召使の年寄り婆さんがあげらているが、この辺が更に謎をよぶ。

個人的にはこのキーワードとなる女性たちは逆の解釈をしたが・・・。
脱走しようとした 

2008/7/22  23:57

 


ルシール・アザリロヴィック監督の「エコール」を観に行く。
あたり一帯を森に囲まれた寄宿学校に新しく6歳の少女が迎えられる。最年長の12歳まで一つずつ歳の違う少女たちは7人で一つの屋敷で暮らし、学校では若い女性教師から生物とバレエを習っていた・・・。
二つ結.... 

2008/7/22  23:14

 


棺に裸で横たわる少女イリス、6歳。彼女を待っていたのは7歳から12歳までの6人の少女たち。年長のビアンカが皆と揃いの白いシャツとスカート、赤いリボンで身支度を整えてくれる。「お家に帰りたい」とつぶやくイリスに、これからは7人で暮らすのだと諭すビアンカ。少女た... 

2008/7/22  20:41

 


なんとも不思議な作品でした。現代のお伽話というかファンタジーというか、そんなふうにも思えましたね。 

2008/7/22  17:28

 

エコールゾエ・オークレール、ベランジェール・オーブルージュ 他 (2007/04/04)ジェネオン エンタテインメント この商品の詳細を見る監督:ルシー... 

2008/7/21  10:27

 

原題: École/Innocence 2004年 ベルギー・フランス・イギリス 監督: ルシール・アザリロヴィック 出演: マリオン・コティヤール/エレーヌ・ドゥ・フジュロール/ゾエ・オークレール/ベランジェール・オーブルージュ/リア・ブライダロリ ****************.. 



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