2008/12/29

チャン・イーモウ 北京五輪を語る  分類なし

昨夜放映の一部録画一部オンタイムで見た番組。北京五輪開会式について、映像を交えながら、チャン・イーモウ監督に香川照之がインタビュー。

当時見たのはダイジェストだったので、今回初見の演目もあり、最初の方に映った、最もこだわった、という、昔紙代わりだった「竹簡」という竹の用具を持った、大きな羽のついた髪飾り、古風なチャコールの長い裾の着物姿の人々が掛け声と共に踊る演目、も新たに見たかもしれない。

イーモウ監督と香川照之は初対面のようで、中国映画で主演した事もある、と紹介され、多分「故郷の香り」('03)ではなく「鬼が来た!」('00)の事かと思うけれど、そういう経験もあってインタビュアーに起用されたのか、思えばイーモウ作品には日本人では高倉健が出たのみだけれど、香川照之にはあなたの作品を見た事がある、と言っていた。

香川氏が、五輪開会式、というより、イーモウ監督のフィルモグラフィーに加えるべき1本の映画、として堪能した、と語り、同監督は、自分のバレエやオペラ演出の仕事の経験も役立ったけれど、映画100本分の困難があった、悠久の歴史を、古いやり方でなく最新技術で表現したかった、等とコメント。

1万5千人の出演者皆が、耳にイヤホーンを付けていて、そこからは、音楽でなく号令が流れ、それに合わせて動いていた、と、多くの生の”人”を使った、あたかもコンピューターグラフィックのようなプログラムの裏話も。

一番印象的だった、活版印刷の文字が躍動する演目では、それぞれの漢字の四角のプレートの下に、人が入って動かしていたのだったけれど、2人共最も好きな演目だった、とのことで、香川氏は、機械で動かしているかグラフィックだと思い、人が入っていたとは思わず、そう判った時、思わず鳥肌が立った、と語り、

同監督は、あの演目だけで1年半練習、一人で千回の動作を絶え間なく続け、号令はかけるけれど、中の人間は何も見えないし、とても複雑な演出だった、と。演じたのは人民解放軍兵士達で、1つの活字の重さは18キロあり、波がうねる様な動きは至難の技、とナレーション。やはりあのダイナミックな演目の裏話でちょっと興味深かった。

子供時代、国民党員の父は満足な仕事がなく、家族は迫害され、文化大革命で「下放」され、18才の時から3年間農村で働き、貿易工場で働いた後、28才で国立の映画学校(北京電影学院)に入学、ようやくチャンスを得た、等の略歴の紹介。

この、自分の主張を持てず、個性の許されなかった10年間の苦い時代、人間や社会の悲劇を体験した事が、自分の財産で、人生の考え方が変わった、やはり自分の映画作りの原点は、農村での体験、とのことで、「あの子を探して」('99)の映像も少し出たけれど、

その頃のモノクロの青春、の反動で、今カラフルな色彩に満ちた作品を作っている、失った個性を取り戻そうとしている、等の「HERO」「LOVERS」等のテイストに関するコメントもあり、この五輪イベントがその凝縮ハイライト、になったかもしれない、とも改めて。

農村や学校での友人談で、よく働いていた、とても勉強家で普通の人より数倍努力しており、いつ眠っているのか不思議だった、等の話。本人は、この五輪でも、これだけ条件が良ければ成功するのは簡単、等と言われたけれど、3年間携わってきて1日たりともリラックス出来た事はなく、常に努力が必要だった、自分は中国で一番優れた監督、などと言う勇気はないが、一番勤勉だとは自信を持って言える、等と語っていた。

批判があった、少女の口パクの件については、それぞれ演技、歌の上手い2人の少女と5ヶ月練習を共にして、どちらかだけを選ぶ、という事はしたくなかった、というやや口を濁したようなコメント。CG花火については、当日、スタジアムまでの足型花火は打ち上げたのだけれど、それをヘリコプターで追う映像が、追いつかないため、一部リハーサルの時の映像を使った、等という説明。

何らかの事情はあったのかも知れないけれど、ヘリコプターを本番で1機しか使えない、という制限があったとも思いにくいけれど、実際花火は打ち上げたものの、伝えられる映像には手が加えられていた、という真相。やはり見る側にすれば、TV通してであっても、映画とは違い掛け値なしの一度きりの本番セレモニー、のつもりではあって、やや微妙、に思えたコメントだった。何にしても今年のビッグイベントの一つだった、と思い出された番組だった。(http://www3.nhk.or.jp/hensei/program/k/20081228/北京五輪開会式ハイライト報道ステーション イーモウ監督インタビュー故郷の香り(’03)王妃の紋章単騎、千里を走る

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